- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152090935
作品紹介・あらすじ
少年は、十四歳で家出し、物乞いや盗みで生計を立て各地を放浪していた。時はアメリカの開拓時代。あらゆる人種と言語が入り乱れ、荒野は暴力と野蛮と堕落に支配されていた。行くあてのない旅の末、少年は、以前より見知っていた「判事」と呼ばれる二メートル超の巨漢の誘いで、グラントン大尉率いるインディアン討伐隊に加わった。哲学、科学、外国語に精通する一方で、何の躊躇もなく罪なき人々を殺していくこの奇怪な判事との再会により、少年の運命は残酷の極みに呑み込まれるのだった-。『ニューヨーク・タイムズ』紙上で、著名作家の投票によるベスト・アメリカン・ノヴェルズ(2006‐1981)に選出。少年と不法戦士たちの旅路を冷徹な筆致で綴る、巨匠の代表作。
感想・レビュー・書評
-
現代アメリカ文学の巨匠の傑作。
修正主義西部劇(Revisionist Western)。
アメリカ西部開拓時代、
インディアン討伐隊(別名:頭皮狩り隊)に加わった名もない少年の、
残虐で極悪な日々を中心に描かれている。
彼らの行為は容赦なく凄まじい。
決して討伐隊=悪、インディアン=善という訳でもない。
読点のない長文が重く圧し掛かってくる。
心理描写を極力排した、挑発的な神話と言えるかも知れない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2023年6月13日マッカーシーが亡くなり国境3部作しか読んでいなかったので、知人が激推しされていた本書を読んだ。これはすごい。
砂埃で血塗れでしかし乾き切っていて、ひどい悪臭。が感じられる恐ろしい物語。 -
3.96/340
『ノーベル文学賞最有力候補の代表作が待望の邦訳。 少年は、十四歳で家出し、物乞いや盗みで生計を立て各地を放浪していた。時はアメリカ開拓時代。あらゆる人種と言語が入り乱れ、荒野は暴力と野蛮と堕落に支配されていた。行くあてのない旅の末、少年は、以前より見知っていた「判事」と呼ばれる二メートル超の巨漢の誘いで、グラントン大尉率いるインディアン討伐隊に加わった。哲学、科学、外国語に精通する一方で、何の躊躇もなく罪なき人々を殺していくこの奇怪な判事との再会により、少年の運命は残酷の極みに呑み込まれるのだった――。』(Hayakawa
Online」サイトより▽)
https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000008537
原書名:『Blood Meridian: Or the Evening Redness in the West』
著者:コーマック・マッカーシー (Cormac McCarthy)
訳者:黒原敏行
出版社 : 早川書房
ハードカバー : 432ページ
メモ:
・死ぬまでに読むべき小説1000冊(The Guardian)「Guardian's 1000 novels everyone must read」
・オールタイムベスト100英語小説(Time Magazine)「Time Magazine's All-Time 100 Novels」 -
あまりにも情報量多過ぎて、初読は消化不良。いつも通りだが、マッカーシーの凄い小説であることは確か。
-
持っていたのにまた買ってしまいました(><)
カバーつけて本棚に突っ込んでたからだ!!! -
凄惨かつ残虐。やのに美しくて儚い。
ただただ圧倒的な世界観。 -
西部開拓時代のテキサス・インディアン戦争が舞台。
虐殺の描写は本来であればむごたらしいはずなのだが、
例によってマッカーシ節のため淡々としており、
まるで日常風景を描写しているようである。
アメリカの成り立ちの要素として血と暴力がある、
と主張しているようである。