- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152091086
作品紹介・あらすじ
モンタナに住む十二歳の天才地図製作者、T・S・スピヴェット君のもとに、スミソニアン博物館から一本の電話が入った。それは、科学振興に尽力した人物に与えられる由緒あるベアード賞受賞と授賞式への招待の知らせだった。過去にスミソニアンにイラストが採用された経緯はあるものの、少年はこの賞に応募した覚えはない。これは質の悪いいたずら?そもそもこの賞は大人に与えられるものでは?スピヴェット君は混乱し、一旦は受賞を辞退してしまう。だがやがて、彼は自分の研究に無関心な両親のもとを離れ、世界一の博物館で好きな研究に専念することを決意する。彼は放浪者のごとく貨物列車に飛び乗り、ひとり東部を目指す。それは、現実を超越した奇妙な旅のはじまりだった。アメリカ大陸横断の大冒険を通じて、自らの家族のルーツと向き合う天才少年の成長と葛藤を、イラスト、図表満載で描き上げる、期待の新鋭による傑作長篇。
感想・レビュー・書評
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映画「天才スピヴェット」が気に入りすぎて、原作を読んでみた。
またこんな大著を手に取ってしまった・・・というのが第一印象。大判で400ページになんなんとするボリュームである。横組みで、科学イラスト的な挿絵(著者描く)がちりばめられている。それは、モンタナの牧場に住む12歳の少年スピヴェット君がことあるごとに描き連ねているという設定なのである。
映画では「400年間動き続ける半永久機関を発明した10歳の天才少年」だが、原作では詳密で表現豊かな科学イラストが認められたとなっており、いわゆる天才というよりはきらめく感受性を持った少年ということなので、より現実味があると言える。
他にも細かい部分は(もちろん)違いつつ、映画と同じように物語は進む。ただし丹念に、饒舌に。
T.S.は「テカムセ・スパロー」の頭文字なんだけど、ネイティブ・アメリカンの血を引くわけではなかった。(名前を拝借しただけ)
ドクター・クレア(お母さん)の意外な一面。(移動中の大半を占める挿入小説)
映画の時にはあまり考えなかったけど、「ホーボー(無賃乗車の放浪者)は今もいる」らしい描写。
などなど、映画を観ていて、この辺もっと語られたら面白かったかも、という部分はちゃんと書かれていた。特に母の思い、父の思いが深く迫って胸を打つ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
twitterで知り、思わずアマゾンで注文しちゃいました。
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本は未読。映画で見た。
イラストの挿入が面白いが、なんだか小さくまとまりすぎた印象。一風変わった家族のどこにでもある家族ドラマみたいな……。家族のキャラクターはとてもおもしろかった -
もう2年かかってる…。
でも宝物のような本。
どっちも読み終わってないんだけど、
もしかしたら森見の『ペンギン・ハイウェイ』は、
この作品の簡易版(イラストがないから)なんじゃないのかな。 -
少年旅もの。イラストが豊富な大判の特殊本。ここまでイメージをイラストに落とし込めると気持ちいいだろうな。ラストの父親との再会には、少しジーンときました。総合的には新しい試みもありいいのですが、少しストーリーが弱い気がした。
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7/6 読了。
少年の冒険と成長、そして大人に失望し、両親の愛情に気付く。何度も繰り返されてきた物語。イラストと主人公T.Sの独白や登場人物のセリフの中に、ハッとさせられるものが多くあった。 -
十二歳の天才地図製作者、T・S・スピヴェット君の冒険物語・・・といってもタダものではありません。欄外に注釈(?)・イラスト・図表がぎっしり!!どこを読めばいいのか状態の読みごたえある作品です。なかなか高価な本なので、ぜひ図書館でどうぞ。
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http://www.tbsradio.jp/utamaru/2010/09/181201025.html
ウィークエンドシャッフル 海外文学の回でおすすめ。
ライフログ?とりまくる少年の話 -
最近まで値段を知らなかった本(笑)。地図・図式を描くのが大好き(の域を越えてる)な少年、スピヴェット君の物語。立ち読みしたかぎりでは、全ページ、楽しめる楽しめる!彼の図式だけ楽しむもよし、物語もさらによし…という感じでしょうか。誰か、郵便受けに入れておいてくださるとありがたいんですけど。「お代はいらねぇよ」のメッセージとともに(笑)。