東大式 世界を変えるイノベーションのつくりかた

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  • 早川書房 (2010年5月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (153ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152091321

東大式 世界を変えるイノベーションのつくりかたの感想・レビュー・書評

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  • そもそも、イノベーションを生み出すことに、方法論など存在しない。
    しかしながら、この、東京大学 i.schoolは、
    そこに、何かしらのフレームワークというか、
    ある程度共通する思考の道筋のようなものを模索しようと試みている。
    あつめる〜ひきだす〜つくってみるという創造のプロセス。
    そして、イノベーションの場づくりへの挑戦。
    まだ実験段階であり、荒削りで、洗練されていない感はあるが、
    そこには、言ってみれば、イノベーション思考を構造化してしまおうという、
    チャレンジ精神が、溢れている。

    本書を読めば、その‘実験’過程の一端に触れさせてもらうことができる。

  • 2016.8.25読了

  • 東大に創設されたワークショップ中心の新しい教育プログラムである「i.school」のノウハウを公開し、イノベーションを生むプロセスを紹介している。「あつめる」「ひきだす」「つくってみる」というフェーズごとに、手法や思考法を解説している。
    本書で紹介されている手法や考え方は、イノベーティブな仕事や研究を行ううえで非常に参考になるものばかりである。ただ、それぞれの説明が簡潔すぎて、すぐに実践できるかというと難しいかもしれない。一回、東大i.schoolのワークショップに参加してみたいと思った。

  • あつめる、ひきだす、つくってみる

    •インタビュー対象は極端な層がいい。平均的なユーザーでは、決定的な考え方や観点に触れることができない。
    •観察する時、先入観、仮説は持ち込まない(仮説を立てていたとしても観察時は忘れるということ?)

  • 東大がこういうことをやっているのは知らなかった。

  • 東京大学 i.schoolは2009年に設立されました。
    年に数回、数十時間の「ワークショップ」や「シンポジウム」が開かれています。
    全学から選抜された学生20~30人だけがこのワークショップに参加できます。

    ワークショップの日程を通じて、参加者たちは与えられた課題を理解し、分析し、発散的で飛躍的な思考をへて
    、解決へのアイデアを練る。そして最後に自由な表現でプレゼンテーションを行い、その道のプロのレビューを受ける。
    これが東京大学 i.Schoolで行われているワークショップの流れになります。

    ■イノベーションのステップ
    ①「あつめる」→②「ひきだす」→③「つくってみる」

    それでは最初のステップから
    ①「あつめる」
    観察、インタビュー、ケーススタディの資料集めなど様々な情報収集を活用する。
    課題や状況を取り囲むあらゆる情報を渉猟し、その中に人間の行動や気持ちを深く理解する。
    イノベーティブなアイデアはイノベーティブな情報から生まれるもの。

    ②「ひきだす」
    「あつめる」で得られた情報を吟味し、思考を深め、新たな視点を見出し、アイデアの種を「つくってみる」へ引き渡す。
    「もっともらしさ」より「ひょっとしたら」が重要。

    ③「つくってみる」
    「考えてはつくり、つくっては考える」というサイクルを身につけよう。
    絵にすることで言葉や数値で表せない機能的特徴や感情的要素を明らかにできる。
    シナリオをつくることでアイデアにリアリティを持たせることができる。

    i.Schooは知の構造化センターのプロジェクトの一つとして運営されています。
    その背景には、知の構造化がイノベーションを支援するという考えがあるからです。

    いま、20世紀的なシステム、考え方、そして生き方は、行き詰まりを迎えています。
    世界は新たなイノベーションの登場を心待ちにしています。

  • 東京大学知の構造化センターが行う教育プログラムである、i.school。 世界を変える人材をつくるプログラムとして2009年に設立され、この一年間の活動を振り返りながらイノベーションに関して記した著書である。


    本プログラムは年数回のワークショップを通じて、技術中心ではなく『人間中心のイノベーション』を学ぶ場として開校されている。東大の教育プログラムであるため、基本的に対象者は東大生であるが、一部必要に応じて協賛企業などから社会人も参加する。

    2009年度のワークショップは下記の通り。

    第一回 IDEO流イノベーションの真髄を体験!
    第二回 インドの未来を洞察する
    第三回 社会的企業(ソーシャル・エンタープライズ)をつくる
    第四回 エコ・エクスペリエンスのデザイン
    2009年度「ふりかえり」ワークショップ

    そして、これらのワークショップすべてに共通するテーマであるイノベーションを、『あつめる、ひきだす、つくってみる』という3つのプロセスで説明している。


    まず、あつめる。

    これは、情報収集をするということである。その手段として、観察やインタビュー、ケーススタディ等が挙げられているが、いずれにおいても大事な点がいくつかある。一つは、仮説を持たないということである。仮説を持って情報収集に臨んでしまうと、得ようとする情報に偏りが生じる可能性があると言うことである。仮説を持ち、それを検証する形での情報収集を進めるロジカルシンキングのフレームワークと比較すると大変興味深い。また、収集する範囲が狭すぎると本当に注目すべき情報(例えば極端代表:標準分布図の両端に属する、統計上所謂はずれ値)が漏れる可能性がある一方、時間内にその情報を処理できるボリュームであるということも大切であると指摘している。他にも、あつめる際には主観を交えずただ純粋に事実だけを集め、それを解釈する段階でアイデアや仮説となる。


    次に、ひきだす。

    これには3つのステップがある。即ち、問題を揃える、解(アイデア)を揃える、問題と解(アイデア)のつながりを見つける、という3ステップである。そしてそのステップをサポートする方法として、ダウンロード(経験共有)する、コレスポンデンス分析(多変量解析)、ブレインストーミング、シンセシス(統合)、インパクト・ダイナミクス(強制発想)、ケーススタディがあげられている(それぞれに関しての詳細は本書で)。


    そして最後に、つくってみる。

    アイデアの構想を完璧に仕上げるのではなく、ある程度固まってからつくってみるということが大切であると言う。一度アイデアを表現してみることによって、どこがまずいのか、何が問題なのかを早期に看破できるのである。また、その際にはステークホルダーの関係性を表現したり、シナリオを描くと言うことが大切になると指摘している。そして最終的に、事業計画書に落とし込むことが大切であると説く。どんなに優れたプロダクトやサービスを思い付いても、それを実現させ、運営させるための現実的手段がなければ世界は変わらない。その際、ティム・ブラウンの著書を引用して、アイデアの評価要素として『技術的実現性(feasibility)』『有用性(desirability)』『経済的実現性(viability)』を挙げている。



    これらのステップが、所謂「東大式 世界を変えるイノベーションのつくりかた」というわけである。このようなイノベーションプロセスには、それが起こりやすい場をつくるということも大事であると言い、例えばチーム全員が共有できるホワイトボードが最低一つは必要である、ポストイットを多く準備しよう、多様な人とチームを組もう、等々が紹介されている。

    イノベーションを扱う本は多数存在しており、著者も指摘するように本書の方法論が完成型と言うわけでは決してない。イノベーションの方法論にもこれからイノベーションは起こり得るだろうし、現時点での東大i.schoolの活動をまとめたものが本書である。


    最後に、推論の方法として演繹法と帰納法が用いられることが良くあるが、さらに本書ではアブダクションを紹介している。詳細は下記の通り。

    ・演繹法
    惑星は丸い。地球は惑星である。ということころから、地球は丸い、ということを導き出す。
    所謂、ソクラテスの三段論法。

    ・帰納法
    火星、金星、地球、木星はみな丸い。というところから、惑星は丸い、ということを導き出す。

    ・アブダクション(超越的仮説)
    ある仮説から、全く別の仮説を創出すること。
    ニュートンの万有引力の法則(引力の大きさは引き合う物体の質量の積に比例し、距離の二乗に反比例する)という仮説は、観察事実からは直接導き出せるものではない。因みに、ニュートンは、この仮説を導き出したプロセスをどこにも残していないという。

  • 東大にある、i.schoolという団体を説明している。

    i.schoolとは?
    →イノベーティブな人材を育てる場(イノベーティブの定義は下で記述)
    では具体的に何なのか?
    →スクールといっても、特定の校舎や学部や大学院でない。
    年に数回開かれる、数十時間の「ワークショップ」と「シンポジウム」がその全てである。

    では、「イノベーション」とは何か?
    i.schoolが掲げているのは「人間中心イノベーション」。それは何か。
    [背景]
    日本におけるイノベーション:技術革新という意味でしか捉えられていない。
    本来、技術革新は手段であるべき。
    日本は手段が目的になってしまっている。
    目的は価値の創造であるべきである。
    本来のイノベーションとは、人々の生活や価値観を深く洞察することで、新製品やサービス、ビジネスモデル、社会システムを生み出していくこと。
    これをi.schoolでは「人間中心のイノベーション」と呼ぶ。
    「人間中心のイノベーション」:人間にとって、画期的な価値の創出につながる新しい変化を生み出すこと

    ワークショップでの方法論が本書の大部分を占める。

  • 2度目読み。”場”づくりは深い

  • クリエィティブな面々と新しい企画を考えているので、今まで使ったことのない手法を使えるチャンスだ。いよいよ本棚からひっぱり出してくるべき時が来た!

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