リーマン・ショック・コンフィデンシャル(上) 追いつめられた金融エリートたち

  • 早川書房
4.01
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本棚登録 : 497
感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152091437

作品紹介・あらすじ

ニューヨーク・タイムズのトップ記者が鋭く切り込むリーマン・ショックのセンセーショナルな裏側。2009年800‐CEO‐READビジネス書大賞受賞、「フィナンシャル・タイムズ」「エコノミスト」両紙の2009年ベスト・ビジネスブック。

感想・レビュー・書評

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  • 「世界が明日、終わろうとしている」NY市長ブルームバーグはそう呟いた。2008年09月14日──その日の夜遅く、リーマン・ブラザーズの取締役会が破産法申請を決定した。

    それは前代未聞の発表だった。2007年08月にBNPパリバが傘下の3ファンドを一時的に凍結する、と発表したのだ。後に「パリバ・ショック」と呼ばれるこの発表がサブプライムローンの信用問題を表面化させ、それまで栄華を極めていた米国の5大投資銀行は一転、窮地に陥ることになる。この本は2008年09月15日のリーマン破綻、バンカメのメリルリンチ買収を頂点とした、金融危機の原点に迫るドキュメンタリ作品だ。

    著者はNYTimesの有名記者で、200人への500時間に及ぶインタビューから本書を構成したという。そのため、この本の記載は非常に緻密な記録となっている(日本語版で780ページと分量もかなり多い)。2008年09月14日~15日の記載はまさに会話やメールの内容が分刻みで記載されており、下手なフィクションよりもずっと面白い。リーマンの窮地を憂慮していた米国政府は直接救済しないと明言してた一方で、各銀行のCEOを集めて救済の話合いはさせていたし、現実的な救済案が合意されていたことが明らかにされてる。その救済策は米国国外の関係者からの支持拒絶により、あえなく白紙に戻り、リーマンは破産法を申請することになる。誰が救済案を拒絶したかは読んでのお楽しみ。

    リーマンをはじめとする投資銀行,AIG,FRB,財務省,NY連邦準備銀行、、、それぞれのトップが何を考え、誰と何を交渉したのか。特に新聞上に表れては消えていったリーマン救済相手とは何が話されていたのか?そもそも、何故、AIGや他の投資銀行は救済されて、リーマンだけ救済されなかったのか?当時は明らかにされていなかった舞台裏での人間ドラマを白日の下にさらしたこの本は、金融危機の記録として第一級の史料となるだろう。

    金融業界にいる人や投資家はもちろんのこと、あの夏の日、乱高下する株価を心配げに眺めていたような人は、是非読んで欲しい。僕たちは歴史の目撃者だったのだから。

  • 単にリーマン・ブラザーズの破綻を書いた本ではない。世界に名だたる企業、米政府の東奔西走ぶりが漠然とした鳥瞰図のように書かれている。
    人物が多すぎて、、相関図書くのも面倒だし、、。
    面白いのは、財務長官のポールソンの家族はブッシュが嫌いだとか、愛車はプリウスだとか、。逸話が多い。

  • はや10年経過して歴史の記録になってるんですね。
    当時ニュースに触れて米国金融はどうなるのだろうか、日本と同様長期の景気低迷になるのだろうか、日々新たになるネガティブなニュースに時代の終焉を感じたものでした。
    本書は関係者を網羅的に、メリハリをつけて深掘りしているため、非常に濃い内容になっています。登場人物も多く、何が起こるのかを既に知っている状態でも、追いかけるのは大変かもしれません。
    ポールソンやガイトナーの回顧録を読んでいたので、理解は助かりましたが、いきなり読むと圧倒的な情報量に驚くかもしれません。
    基本的にはBIGカンパニーの経営陣を中心に時系列を辿って行きますが、有利な立場を確保して交渉に臨もうとする、というより交渉の場で確実に勝つための地ならしをする、というしたたかさと、リチャード・ファルドの直情型な交渉失敗のギャップが、本書の魅力を高めているのかもしれません。
    後半が楽しみです。

  • 2019年10月17日読了

  • リーマンショックまでの状況が赤裸々に書かれていてすごい!
    確かに話題になるだけある。

  • 1

  • Library

  • 下手な小説よりもおもしろい。
    リーマンショックの内幕が詳細に述べられている。

  • 140426 中央図書館
    グレゴリーとエリン・キャランの関係は、笹井さんと小保方さんのようだな。

  • 最近(2014/03)文庫本も出ているが、とても面白いので、また買って読もうかな、と思ってしまう。
    この本は電子化して、いつでも楽しめるようにしよう!と自炊したのだが、HDDがぶっ壊れてデータが消失したのは痛かった・・・。読んだことがないなら、本当にオススメ。

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