マルドゥック・スクランブル〈改訂新版〉

著者 :
  • 早川書房
3.96
  • (78)
  • (105)
  • (51)
  • (13)
  • (4)
本棚登録 : 738
感想 : 109
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152091536

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 戦わなければ生き残れない世界で、生き残るために戦わないことを選ぶということ。

  • 小説で読むSF?は久しぶり。面白かったけど、疲れたσ(^_^;)

  • 攻殻機動隊、銃夢を思わせるサイバーパンクというかSFが中盤まで、そこからなぜか長々と微細なカジノ攻略小説になって、最後にまたSFに戻った。
    色々な作品を思い出すが、類似というわけではなくきちんと新しい世界。

  • 改訂版にて再読。やっぱり無茶苦茶かっこいいです。改訂前との違いで一番衝撃を受けたのは、バロットの本当の苗字が公開されていたこと。彼女の存在の一面を表した苗字でした。他に気づいたのは序盤の説明と描写が丁寧になっていたり、楽園の描写が少しだけ省略されていたり。確かに読みやすくなっているかも。バンダースナッチ達の描写が追加されているという完全版も読みます。

  •  天地明察のうぶかたとうさんですが、雰囲気ががらっと違っててびっくりした。近未来SF。少女娼婦のバロットが殺されけて、超高性能の人間として復活、自分をつけ狙う相手を撃退しつつ、自分自身を見つけていくというようなストーリー。
     とても厚みのある本で、おなかいっぱいになりました。これは改訂版で三冊が一冊になったらしく、確かにそれだけのボリュームはあり、圧倒的な質量で世界に巻き込まれた。しかし、途中でカジノロワイヤルに突入するとは思わなかった。あれだけで一つの物語になるぐらい豪華。文体が翻訳のような雰囲気で言葉遊びが多く、リズムが独特で楽しい。戦闘シーンもかっこいいけどカジノのシーンが一番、ゾクゾクして好き。ウフコック超かっこいい。ドクターも素敵。グロシーンも多いけど、ものすごい満足しました。楽しかった。続編も読みたいな。SF好き、グロ大丈夫ならオススメ。

  • 面白かった。ちょっとカジノのくだりが長いような...。

  • 設定はおろしろいのだがカジノシーンはウフコックにカードの並びを全部表示されてばいいのでは?とかドクターが抜けたのにカードの並び操作できるん?とか疑問が残るシーンある

  • ハードボイルドなSF。最初、状況が把握しづらく投げ出しそうになってしまったけど、我慢して読み進めたらのめり込めた。僕はハードボイルドな表現とSFの組み合わせがちょっと肌に合わなかった。

  • その昔、文庫本の第一巻だけ読んだのだが、今回は3巻までまとめたハードカバーだ。作者が日経新聞の夕刊に読書のコラムを書いていたり、雑誌で「冲方丁」特集があったりして、再度読もうという気分になってきた。

    おもしろい、とくにウフコックというドラエモンのポケットのような機能を使って戦闘するところがユニークだ。「バンダースナッチ」というフェティッシュ・チームをやっつけるときは、相手が少々気持ち悪い系なので、アクション・ゲーム並みの爽快さだ。ここは二度繰り返して読んでしまった。

    カジノで百万ドルかせぐためのルーレットとブラックジャックの場面はかなり本格的である。SFというより、ギャンブル本という雰囲気となる。運ではなくて、数学と技術と心理戦という三つどもえの戦いである。

    いろいろと楽しませてくれるが、「永遠の仔」のようなところもあったりして、奥が深い。この作家は本当にすごいなと思わせる。

    英語で書いてそれを翻訳したような文体である。日本語で書いた小説が翻訳本のようんだというのも面白い。よっぽど語学のセンスがあるのだろう。最近はSF以外のものも書いているようなので読んでみたい。

    今後も、「伊藤計劃」亡き後のSF界をになうようなおもしろい作品を書いて欲しいものだ。

  • あの時点で残ってた二人の仲間、ラナとか……を、殺したのがボイルドかも知れないと、ドクターが不安がっていたとは……
    そういえばそうだった。ボイルドは、何も言わずに行ってしまったんだった。自分で勝手な解決をはかってしまったんだった……

    バロットの本名が出てきたから、通常版をちらっと読み返したら、なかった。こちらで追加したらしい。
    ファミリーネームがフェニックス嬢とは、ちとやりすぎ感は否めない。
    卵の中の雛を煮殺した雛料理=バロットが、車ごと爆殺されかかって全身大火傷。それが、フェニックスなのだから。
    でもこの話はみんなそういうネーミングだもんね。

    カジノシーンは、手札を脳内でカウントしながら読んでいてものすごい疲れたので、こちらでは読まず。


    ドクターが「銃には嫌な思い出ばかりだ」というところや、バロットのように電子繊維の皮膚を移植された人間のことを説明しているあたり。
    ウィスパーのことを思い出しているんだな……ウィスパーも、同じ金属繊維の皮膚にされてたのか。
    あのシーン、ウィスパーの「shoot」、それをくりかえす言葉……
    ドクターの回想は、切ない。


    ボイルドがウフコックを取り戻そうとして、そうして果たせないのも、悲しい。
    あんなにも取り戻そうとして、抜け殻の64口径の銃を抱きしめて。
    スクランブルより、ヴェロシティの方が好みだ。

全109件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

冲方丁の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有川 浩
高野 和明
湊 かなえ
池井戸 潤
有川 浩
有川 浩
有川 浩
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×