- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152091901
作品紹介・あらすじ
鳥インフルエンザやエイズはやがて無害になる?ヒトゲノムはウイルスがつくった?ウイルス学のがん治療への応用とは?ミクロの微粒子が現代ダーウィニズムを書き換える。生命観を一変させる衝撃の書。
感想・レビュー・書評
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自分にとっては画期的な本。進化とは遺伝子の突然変異と自然淘汰によるもの、と思っていた無知を恥じる。
ウイルスが共生し遺伝子の組み換えや種を超えた伝搬が頻繁に起こっていること、そして遺伝子の発現の制御エピジェネティクスによって同一遺伝子でも個体が違ってくることが具体的な例を挙げて紹介されている。
これはタイトルで損をした本ではないか。
原題のVirolution は Virus + Evolution ということで、副題のウイルスが人を進化させたというのがそもそものタイトル。破壊する創造者、は内容をうまく表してはいるが煽り過ぎでトンデモ本の匂いがしてしまう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読む価値がある本ではあるが、内容が多岐に亘っており、ちょっとまとまりが悪い印象を持った。ウイルスの話がメインだが、あまり関係があるとは言い難いエピジェネティクスの話なども含まれており、話題の焦点が絞り切れてない感が否めない。このような内容であれば、むしろウイルスの話は、トピックスの一つと割り切って、進化の話にしてしまった方が、読み易い感じがある。ただし、内容は濃く、多くの情報が含まれている本であることは間違いない。ただ、翻訳本であることと相まって、読み通すには多少の根性が必要である。
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ウイルスの遺伝子がヒトの遺伝子に組み込まれたとか、ウイルスによる遺伝子の水平伝播という話はなんとなく知っていて、その辺を詳しく知りたいと思って読んだのだが、かえって混乱した。
現在進行形の研究だからなのかもしれないが、誰々からこういう話を聞いたとか、こういう論文が発表されたというエピソードの積み重ねで、ポイントがうまく理解できない。翻訳ものの科学書によくあるパターンで、厚い本なのでけっこうしんどかった。ポイントを絞った本を読みたいものだが・・・ -
人間はウイルスによって進化してきたという内容。関心させられたり驚かされたりで良書でした。「迷惑な進化」シャロン・モレアム著も合わせておすすめです
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ウイルスと人との共生、という話はどこかでも読んだ。
そういう流れが、出てきているのだろう。
私がそのとき読んだ本では、エボラのような、あっという間に人を殺してしまうウイルスは、そのときに体液などに他の人がふれて、爆発的に感染が広まる方がウイルスに有利だから。という説だったが、こちらは、まだウイルスと宿主が出会って間もないので、共生にいたっていないので。
という、時間の流れでとらえているのがおもしろかった。
上橋菜穂子の『鹿の王』は、これもイメージソースらしい。 -
共生と進化論の話だった。
ところどころ面白いエピソードがあるので何とか読みすすめられるが理解できたわけではない
特に後半になって「エピジェネティクス」の話になると混乱する。それだけまだわかっていない新しい分野なのだろう。 -
「鹿の王」の著者が参考にしたと解説に書いてあったので。
難しすぎた。
最初の用語解説からちゃんと読んだけど、
それでもわからなかった。
面白かったのは、
新たな動物とウイルスが出会い、
その動物をほとんどを殺してしまった後、
攻撃性を弱め生き残った動物と共存している状況で
よく似た別の動物と接触した場合、
別の動物へのウイルスの攻撃性は高く、
死に至らしめることのよってその動物を排除し、
元の動物に利益をもたらしているのではいか、という仮説。
大腸菌どうしが互いに遺伝子をやりとりしてるとか、
地衣類は菌類と藻類の共生生物だったとか、
「初期の現生人類とホモ・エレクトスの間に異種交配があった」という説があるとか、
知らないこともたくさんあったし、
とにかく私には難しすぎた。 -
タイトルの通り、遺伝子だけじゃなくてウィルスとの共生によってヒトは(生き物は)進化してますよと言う本。
はっきり言って、一度読んだところをもう一度読み返してもきずかないくらい理解してないけれど、単純に遺伝子だけで進化してるのではなく……生命と言うのは有機的につながっているのだなぁと面白く読めた。
たぶんあと5回くらい新鮮な気持ちで読める自信がある。