かぜの科学―もっとも身近な病の生態

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制作 : 鍛原 多惠子 
  • 早川書房 (2011年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152091949

かぜの科学―もっとも身近な病の生態の感想・レビュー・書評

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  • イギリスのサイエンスライターが書いた非学術書。
    子供を育てる親としてにわかには受け入れ難いのが寒さとかぜのひきやすさには相関関係が無いという研究結果の紹介。
    研究者達がとにかく色々な実験をした結果、かぜ(特に鼻かぜ)をひく最も強力な経路はウイルス保持者との接触、または無機物に付着したウイルスが手に付き、それが鼻か目を通じて体内に侵入する事だった。
    しかしよく語られる寒さ、免疫力、疲れ等はかぜのひきやすさとは関係が認められなかったという。
    かぜのウイルスには膨大な種類があり、それを防ぐには一つ一つ抗体を作らなければならない。
    つまりかぜをひけばひく程、かぜにひきにくくなる。
    だから子供が大人よりかぜをひきやすいのは、大人よりもかぜにかかった回数が少ないからという身も蓋もない結論!

  • 無理に膨らませたような内容で読むべきところはあまりない。

    感冒症状を起こすウイルスは200種類以上もあり、全てに免疫を持つことは不可能。
    ライノウイルス自体は無害に近いウイルスだが、免疫反応が活性化されることで感冒症状が引き起こされる。免疫が弱いとかぜを引く、というのも迷信で、免疫賦活剤を服用するとかえって症状が悪化する。

    ・鼻水の色の変化も実は意味がない。子供がたれる、緑色の鼻汁は好中球の鉄含有酵素の色で、細菌感染症の証拠ではない。

    ・鼻づまりで飛行機に乗る時、子供の耳管通気法としては立った姿勢でおしゃぶりを口に含ませるかコップで何か飲ませるというのがよい。

    ・ライナス・ポーリングによってビタミンCの効果が喧伝されるようになったが、これまで一万人以上を対象に30を超える臨床試験が行われたが全く効果はない。マラソンランナーなどのように極端な状況下にある人で若干の効果が確かめられたのみ

  • 興味深く読んだ。
    ・風邪のウイルスが細菌と違うのは、細胞膜が無い事。そのため膜を溶かして細菌を破壊する抗生物質は効かない。
    ・基本空中拡散でなく、物に付いたウイルスが手→目か鼻から体内に入り、繁殖する。
    ・風邪の症状は免疫機構の過剰反応。
    ・口内にウイルスが見つかることは稀で、うがいの届かない咽喉の奥でウイルスは繁殖する。
    ・37度近い体内の温度ではウイルスは活性化しない。鼻の33度程度が適温。

  • 風邪についてはまだまだ分かっていないことがたくさんあるということが分かった。少なくとも200種の異なるウイルスが風邪の原因になることが分かっているものの、感染経路すらはっきりしないらしい。当然空気感染だと思っていたが、怪しいのは接触感染の方で、かぜの予防には手洗いが一番だそうだ。また、挨拶は、相手との接触が避けられない握手より、日本式のお辞儀の方を勧めると書いてあって、ちょっと笑ってしまった。かぜに効く薬はない。抗生物質は、ウイルスには効かないので、飲んでも害があるだけ。総合感冒薬は、薬効が確認されていないものも含めていろいろな成分が入っているので、持病があって別の薬を服用している人は、成分が重複して許容摂取量を超える危険がある。一番つらい症状に合わせて、単一成分の風邪薬を飲む方がよい。あとは、栄養のあるものを食べて、おとなしく寝ているのがよさそうだ。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:493.3||A
    資料ID:95110336

    「かぜ薬を発明するとノーベル賞だ」と聞いたことがあると思います。かぜとは何かを理解
    して、地域治療に貢献するとともに、かぜ薬の発明を目指しましょう。
    (公衆衛生学研究室 坂崎先生推薦)

  • 風邪の移りやすさ、直し方の人体実験って・・・

  • 免疫力がある人ほど強い風邪症状反応がでていることに驚いた。
    学校の保健だよりに「風邪をひかないように免疫力を高めましょう」と書かれているのがこれから少し気になるかもしれない。
    風邪の症状が出ない人も実は感染しているらしい。

    風邪に効くものはないということがわかったし、免疫力や疲労は風邪のひきやすさとは関係ないということがわかっただけでもよし。
    ただし睡眠不足は風邪ひきやすくなる傾向にあるらしい。

    もしかしたら本文に書かれているジョークが翻訳によってより微妙なものになってるかもしれない…微妙なジョークが入り混じって読みにくかった。

  • かぜについての知識。
    多種のウィルスが原因となるためワクチンを作る経済的理由も能力も見込めない。
    風邪の症状が出ない人も何割かいるが、感染している。つまり免疫による反応の強い人が風邪で苦しんでいる。よって免疫力を鍛えるなどということは戯言にすぎない。
    あくまでウィルスの感染であり、寒いとなるわけでもない。感染経路は手から顔を触ることだと思われる。
    ウィルスは抗生物質では細胞壁がないため対抗できない。
    人間のDNAの2割弱くらいはウィルス由来だとされており、風邪のウィルスも共存の過程にあるかもしれない。

  • 最後の「風邪にかかった時ベッドで読む本」リストに「ボートの三人男」があったけれど解説が「川下り」となっていて原文がそうなのか翻訳がそうなのか気になった。「ボートの三人男」はロンドンからオックスフォードまで川を上って行くのんびりした旅の話なのだ!

    ライノウイルスがステンレス板の上のようなところで長時間生きていること、一個でヒトを感染させるに足りること、のどの軟口蓋についたらうがいをしても無駄なこ
    とがわかった。気道は洗えない、窒息してしまう。手洗いが重要で石鹸と水で詰めの仲間でよく洗い洗ったら顔に触らない。

  • サイエンスライターとしてナショナル・ジオグラフィックへの寄稿も行う著者が、幅広い取材により「かぜはどれほどうつりやすいか」というテーマに迫ったもの。

    病弱男子はみな、かぜについて根性論を語られる度その相手に殺意を抱いていることと思いますが、本書の知識が人生を少しは生きやすいものにしてくれます。


    ○風邪をひいた人の手には普通風邪ウイルスがくっついており(いちばん考えられるのは鼻をかむかふいたため)、短い接触でも他の人の手にウイルスを移すことが可能なのだ。…したがって風邪にかかった人が誰かと握手し、相手が鼻か眼に手をやれば、ウイルスは待ってましたとばかりにその人の体内に入る。

    ○風邪の病原菌を避ける最適な方法は実は簡単です。手を洗い、顔を触らなければいいんですから。…少なくとも手が清潔なら、眼や鼻にウイルスを移す危険性はかなり減る。

    ○適切な手洗いは頻度や時間の長さではなくテクニックの問題だ。普通の石鹸と水があれば事足りる。普通の石鹸では風邪のウイルスは不活性化しないが、ウイルスを手から引きはがしてはくれる。ただし皮膚からウイルスを引きはがすには、指の間や爪の中、アクセサリーまであらゆる物の表面を15から20秒、入念にこする必要がある。(けれども強くこすり過ぎるのも肌を痛め、ウイルスが成長するひび割れや微小な切れ目をつくるので禁物だ)

    ○私は病が癒えていく時期を好む。この時期があるからこそ病気もまた悪くないと思えるのだ。 ジョージ・バーナード・ショー

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かぜの科学―もっとも身近な病の生態の作品紹介

病には数あれど、かぜほど厄介なものはない。これだけ長く研究されていながら、ワクチンひとつないなんて…練達のサイエンスライターが、かぜとは何なのか、かかったらどうしたらいいのか、多数の研究者に最新の知見を取材し、山とある俗信や市販薬の効果のほどを見定めつつ、自らの身を挺する罹患実験に参加までして、かぜを観察。あくまで科学の視点に立ちながら、読者の興味をそらさない絶妙の読みやすさをもって綴る、「かぜの生態学」。

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