伊藤計劃記録:第弐位相

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著者 : 伊藤計劃
制作 : 早川書房編集部 
  • 早川書房 (2011年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152092014

伊藤計劃記録:第弐位相の感想・レビュー・書評

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  • 伊藤計劃氏の書籍未収録作品を集めた記録集第2弾。小説2篇、散文2篇、原作漫画2篇に、「はてなブック」の記事を収録。

    「虐殺器官」、ノベライズ「メタルギアソリッド ガンズ・オブ・ザ・パトリオット」、「ハーモニー」。いずれの長編も、「わたし」という一人称で語られる。

    ただ、ここに収録された2つの短編はいずれも三人称。「フォックスの葬送」は「メタルギアソリッド」のその後の世界を描き、「Haevenscape」は「虐殺器官」の原型である。

    一人称の語りは、これらの習作を経て完成されたものなんだろう。

    どこで読んだかは忘れたが、伊藤氏は「どの物語も、誰かの物語である」というような趣旨のことを書いていた。

    その人の物語であるならば、一人称が一番書きやすいし、読者にとっても読みやすいはず。なるほど、筋がしっかり通っている。

    扉ページを開くと、こんなことが書いている。

    「これがわたし。 これがわたしというフィクション。 わたしはあなたの身体に宿りたい。 あなたの口によって更に他者に語り継がれたい」(伊藤計劃「人という物語」)

    記録集の中で半分以上を占めるのが「はでぶ」の記事。早書きとして知られたそうだが、ブログ記事量も半端ない。映画鑑賞の記録が多くを占めるが、時折、闘病や執筆状況などを伺うことができる内容がある。

    白血球の数値減少、抗がん剤の投与、肺の切除手術、がんの転移…。壮絶な闘病生活を送っていたことが分かる。しかし、弱音を吐くことはほとんどなく、クールに面白がったりもする(少なくとも表面上は)。

    そんな中、少しでも長く生きたいと願いながら、凄まじい量の映画や本をインプットして、3本の小説としてアウトプットしていった。

    この記録集は34才で命を散らした、伊藤計劃という作家の「物語」である。

  • 他の作品はみんなどこかで読んだものばかりだったけどブログが圧巻だった。これでも結構削ってるみたいだから読みたいけど、こういうのはなんとなく紙媒体で読みたかったなあ…。他と被ってる作品じゃなくてブログ全部載せて欲しかった…。

  • 2015.10再読。
    ブログが好きだったのでそれ目当てで買ったんだが、明らかにだいぶ削られている。しかも取捨選択の基準が不明。まあ、ウェブ上にまだ残っているからいいか。
    マンガはプロレベルではないと思われるが(絵柄は端正ですが)載せられてしまっていて、作者本人的にはどうなのだろうか。

  • 「ありがとう」と、彼に声が届くならそう言いたい。

  • 2013/01/30
    自宅

  • おもしろいが、つらい。つらいが、おもしろい。
    帯に書かれているし、誰かがこの本を読もうと決めた時点でネタバレもクソも無いが、この作者は既に鬼籍に入っている。

    入院でやることが無いということだけではなく、この人はかなりの映画通であり、この本の半分以上を占めるはてなダイアリーの日記はほとんど全てが小説か映画のレビューなので、映画に興味が無い自分にはほとんどが理解不能であり、そこは勿体ないと思う。
    そんな自分でも見ているリベリオンだとかバットマンダークナイトだとかそれらも網羅しているので、そこはよりおもしろく読めた、気がする。

    それでも、文体やこの人の考察などで面白く読まされ、映画も見てみたい、小説も読みたいと思ってしまう。特に何度も出てくるブレードランナーや、ディファレンス・エンジンなど。

    日記のエントリーが終わりに近づくにつれ、どんどんつらくなっていくけど、そこは我慢するしか無いので読む人はがんばってくださいとしか言えない。

    最初に載っている短編は、MGS3の後日談なのだが、最初に読んだ時にはまだMGS3をプレイしていなかったので、もう一度読みなおそうと思う。

  • 伊藤計劃記録:第弐位相 読了。小島秀夫を、そしてMGSを愛してるやまない男の物語。病床に伏してなお、映画、小説、アニメ、ゲームを軽快な文体で語られる日記は、亡くなる日に近づくにつれ途中から涙をこらえられなくなる。
    死ぬ直前まで完全なエンターテイナーってのは凄すぎる。屍者の帝国が楽しみでならない。

  • 亡くなる前まで病床で書いていたブログの掲載が半分ぐらいあったので手にとったのだけど、映画評がほとんどで、わたし的にはざんねん。
    男性だからかな。感傷的な文書はほとんどなく、この人強いな、それともただ文章で闘病を残さなかっただけかな、と。

    映画に興味がないから、文章にも興味がなく…私も映画好きだったら、このすごい文章力をもっとたのしめたのになー。

    抗がん剤でたたきながら、ひまさえあれば映画を観て文章を書くという生活、私もそうありたいなと。

  • 短い人生で、本当によく本を読み、映画を見た人だと思う。これだけのしっかりしたレビューを数多く残したのだから、映画評論家としても、さぞ活躍しだだろう。

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伊藤計劃記録:第弐位相の作品紹介

死の直前まで綴られたブログ原稿の抜粋を中心に同人短篇、エッセイ、コミックまでを集成。2年にも満たない短い執筆期間のなかでフィクションの枠組みそのものを変えた、稀有な作家の生の声を精選する。

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