- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152092038
作品紹介・あらすじ
「合理的無知」「説得産業による印象操作」に支配された現行の世論調査では真の民意は諮れない。本書は、熟議にもとづく民主主義理論を展開し、また熟議の質を高める条件を提起する。著者は世論調査と熟議に基づく討論フォーラムを結びつけた「討論型世論調査=DP」のシステムを考案。アメリカ、EU、中国を含む世界の15以上の国・地域で、40回以上の実証実験をおこなった。理論と実践が結びついたDPの実際をあますところなく紹介する一冊。
感想・レビュー・書評
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[出典]
経営リーダーのための社会システム論
宮台 真司, 野田 智義
P.271詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前提知識が必要かもしれず。若干難解。内容(「BOOK」データベースより)「合理的無知」「説得産業による印象操作」に支配された現行の世論調査では真の民意は諮れない。本書は、熟議にもとづく民主主義理論を展開し、また熟議の質を高める条件を提起する。著者は世論調査と熟議に基づく討論フォーラムを結びつけた「討論型世論調査=DP」のシステムを考案。
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社会
政治 -
著者:James S. Fishkin(1948-)
原書:When the People Speak: deliberative democracy and public consultation, 2009.
翻訳:岩木貴子
監修:曽根泰教
【商品詳細】
ISBN : 9784152092038
刊行日: 2011/04/21
ISBN 9784152092038
「合理的無知」「説得産業による印象操作」に支配された現行の世論調査では真の民意は諮れない。本書は、熟議にもとづく民主主義理論を展開し、また熟議の質を高める条件を提起する。著者は世論調査と熟議に基づく討論フォーラムを結びつけた「討論型世論調査=DP」のシステムを考案。アメリカ、EU、中国を含む世界の15以上の国・地域で、40回以上の実証実験をおこなった。理論と実践が結びついたDPの実際をあますところなく紹介する一冊。 116258
<http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/116258.html>
【目次】
目次 [003-005]
日本語版への序文(二〇一一年二月 ジェイムズ・S.フィシュキン) [007-010]
1.民主主義の理想 011
イントロダクション 011
古代アテネから現代アテネへ 024
公衆の意見聴取 030
濾過と鏡 034
「熟議民主主義」対「大衆民主主義」――揺籃期の小競り合い 038
公衆の意見を聞くための八つの手法 041
2.民主的改革のトリレンマ 057
どのように市民の政治関与をはかるか 057
熟議 060
政治的平等 074
政治的参加 077
三つの対立する選択肢 079
大衆民主主義 080
動員された人々による熟議 088
熟議的な小社会 091
多数者の専制を避ける 099
3.対立するビジョン 106
四つの民主主義理論 106
競争的民主主義 108
エリートによる熟議 113
参加民主主義 122
熟議民主主義 128
「熟議」対「集計」? 136
民主主義の規模と形態 141
4.熟議民主主義を実践的に 150
公共圏に息を吹き込む――四つの問題 150
どれだけ関与するか 153
どれだけ熟考されたか 155
「ゆがみ」の回避――支配の問題 157
「ゆがみ」の回避――分極化と集団思考 159
どれだけ有効か 160
どんな条件か 164
5.熟議で結果を出す 166
中国の例 166
代表性 173
人々の顔をした意見調査を評価する――熟考 186
議論が支配される危険性 200
極端に走る危険性 204
どのような効果が得られるのか 207
政策に走る態度の変化 208
投票意思の変化 210
市民としての能力の変化 217
集合的一貫性の変化 223
公の対話における変化 227
政策の変化 233
6.困難な状況下での熟議 246
意見聴取の限界に挑戦する 246
分断された社会――隔たりを越えて 250
バーチャルな民主主義 262
欧州全体に広がる公共圏の問題 271
欧州をひとつの部屋に集める 283
民主的理想を実践する 292
最後に――民主主義、正義、その他のトリレンマなど 295
付録――なぜ民主主義は四理論だけで事足りるか [303-308]
謝辞 [309-315]
監修者あとがき(二〇一一年三月 曽根泰教) [316-322]
注 [324-352]
索引 [353-358] -
読みやすいしシンプルだが、提案は非常に興味深い。
東浩紀の一般意志2.0が、現状を補強する提案であるように、フィシュキンのこれもラディカルな改革案というよりは、現状の補強と言うべきものだろう。
しかし、それは「些細な」補強以上のものだと思う。
監訳者あとがきから読み、日本語版の序文、本文と進むのがよい。
副読本は、イーライ・パリサーの『閉じこもるインターネット』、キャス・サンスティーンの『熟議が壊れるとき』、東浩紀の『一般意志2.0』、西田亮介の『ネット選挙とデジタル・デモクラシー』辺だろうか。
好著! ぜひ読むべき!