響きの科楽

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制作 : John Powell  小野木 明恵 
  • 早川書房 (2011年6月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152092144

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響きの科楽の感想・レビュー・書評

  • 科学サイドからの音楽へのアプローチを、物理学者・音楽家の筆者が軽妙な語り口で解説する本。
    音楽に関する本ってなると、歴史だったり音楽理論だったりという印象。こういう切り口の本は自分には新鮮に感じました。

    楽器によって音が違う、同じ音を2台の楽器で鳴らしても音量は2倍にはならない(デシベル表記って、マグニチュードに似てるなぁ。。)、作曲にも勘所があること、などなど面白い情報が得られます。
    ちょっと専門的で長く感じる箇所もありましたが、著者のユーモアと図解である程度カバーされているかなと。

    本編最終章の「最後に」で書かれている文章も素敵で、新しい音楽の世界に飛び込んでみようと思わせてくれます。引用しますと…
    「音楽を聴くいつものパターンを少し変えて、新しいジャンルの音楽をまっさらな気持ちで試してみよう。(中略)鑑賞する音楽のジャンルを広げることは、人生の喜びの量を増やす簡単な方法のひとつなのだ。」
    たまには、読む音楽も良いものですね。久々にクラシックを流しながら思いました。

  • 2015/10/27

    調と気分の間に関連性はない ただの神話

  • ドレミファソラシドのはじめの「ド」の音は、いつ決まったのか?昔は地域や国によって違いがあった。現在私たちが耳にするモーツアルトの曲は、絶対音感を持っていたと言われる彼が当時聞いていたよりも半音高い。19世紀になってようやく、「ド」の音程は決められた。という事実から、楽器の鳴り方、鳴らし方、音を作ることまで、音について科学的な知識が得られる本。

  • 想像以上に面白くて内容のある本だった。音楽の仕組みや素朴な疑問、例えば、協和音と不協和音の違いは何か、ドレミファソラシドはどうやってできたか、調性の違いは意味があるかといったことについて、科学的に分かりやすく解説されている。しかも、長音階や短音階といった楽典の基本についても、かゆいところに手が届くように、知りたいところが書かれていて、とても役に立った。
    著者はかなりユーモア溢れる人のようで、そこかしこに軽いジョークが盛り込まれているのも本書の魅力。訳もすばらしい。

  • なぜ楽器によってあんなにも音色が違うのか?
    音楽と雑音の違いってなに?
    パイプオルガンやバイオリンはどのようにして音を出してるの?
    長調と短調ってそもそもなに?

    映画音楽で有名な音楽家でもあり,物理学者でもある著者が、音楽に詳しくない人にも分かりやすく、ユーモア溢れる説明で音楽の原理について語る。
    長年の音楽に対する素朴な疑問が一気に解決する。
    時折ジョークが挟まれてあって最後まで楽しく読めた。

    フルート歴ン年目。初めて自分の楽器が音楽を奏でる仕組みを知った…!楽器を吹くのがよりいっそう楽しくなりそう。

    そして原題も素敵。"How Music Works"。

  • この本は本当に読んでよかった。楽譜をまともに読めず、ヴァイオリンを習っているのですが、理系なので、波長から音とは何かを説明してくれて、本当によくわかりました。

  • 前半が好み。全全半とか久しぶりに見た。

  • 面白かった
    科学者であり音楽家であるユーモアあふれる著者に拍手を贈りたい
    長年の疑問も解けた
    多少難しかったところもあるが・・・

  • 感覚的に分かりやすく音楽理論が分かる。この本は音楽理論の本では全くないが、音と雑音の違い、和声と不協和音の違い、長調と短調、音階とは何かなど、「音楽とは何か」の説明が、結果的にとても分かりやすい音楽理論になっている。

    音は、大きさ、長さ、音色、音の高さで成り立っている。ただそれだけなのに、なんて奥深いのだろう。

    音の周波数やその重なり合いを科学的にイメージしたことで、自分の中で、響きというものへの意識が高まった気がする。とてもためになった。

  • 音楽の理論を非常に分かりやすく書いてある.解説に出てきた曲をyoutubeで聞いて確認できるのも良い.聞けば書いてあることが理解しやすくなり,今後はこのような形の出版が次々に現れる予感がする.

  • 1939年に標準化されるまで「ドレミファソラシド」は、世界各国で微妙に違っていた。なので、たとえばモーツァルトの曲を正しく再現するためには、半音下げて演奏しなければならない。なんて話は初耳だった。「音楽」と「雑音」はどう違うか?。バイオリン10台の音量はなぜ2台分にしか聞こえないか?。9章以降の記述がまだるっこしいが、8章までは興味深いトリビア満載で読み飽きない。音楽に関する無知を思い知らされました。

  • 「音楽を聴くこと」を科学的にとらえた本。めちゃ面白い。絶対音感の話から、音階・音量・リズム・コード・ハーモニーなんかの話を科学的に解説した本。僕みたいな音楽理論の素人が普通に読んでも面白いけど、やはりある程度音楽とか勉強してた人が読むとなおいっそう面白いんだろうな。

  • 楽典プラスαをやわらかく、いま風に、イギリス人的なアイロニーを交えながら。

  • 音楽全般を科学的な視点から解説した本、個人的には楽器と音色の話やデシベルの話が面白かった。著者のユーモア溢れる文章ですいすい読める。良書。

  • まず、子供でなくいい大人だとしても、練習時間さえ確保すれば、一定のレベルの演奏家になることができるという言葉に勇気をもらった。現在躊躇しているけれど、40過ぎてピアノやギターを始めたいと思っている人はいっぱいいるし、一流になるのでなければ、それは大した事ではないと教えてもらったよ。
    また、時代によって音の基準が異なっていたこと。それによって、調性に意味なんてないということ。すべて相対的なんだということは、新しい視点だった。
    これから、音楽を聴く際、音楽を演奏する際に、新たな足がかりとなる本です。

  • 音楽について知りたいと思っていたこと。

    ・なんで人間は音楽が好きなのか。
    ・音楽とそうでない音の違いは何か
    ・なんで長調は楽しく、短調は悲しげに聞こえるのか
    ・和音ってどうして和音なの

    全部の答えが書いてあるわけじゃない。でも今まで読んだ中では一番近い。知らないことを知るのは楽しい。洒脱な文章も好み。

  • 音楽経験の無い人には、新鮮な驚き。
    少し経験のある人には、なんとなくスルーしていた知識をわかりやすく。
    かなり勉強した人は、人に教えるにはこうしたら良いという方法論。
    全ての、音楽に興味がある人におすすめできる、良書。

  • 味覚に関する分析は確立されているが音楽はあまり見たことがない(一般向け)後半は退屈だが、面白いテーマ。

  • 半分くらい読んだ。
    音楽の理論的な部分を「わかりやすい言葉」で知りたい人にはおすすめ!
    著者は物理学者。音楽理論や表現などに関する理論書の大半が「わかりにくい」「難しい」言葉で書かれているのに業を煮やして書いたもの・・・だそうだ。
    実際、読んでみたが倍音とか音色などの説明が無茶苦茶わかりやすい!

    しかも、著者はクラシックギター大好き!らしく、ギターがやたらに出てくる。ヴィブラートの好例として「ジョン・ウィリアムスかブリームが弾くヴィラ=ロボスの前奏曲4番を聞くとよい!」と書いていて、ぶったまげた。。。

    しかも、ヴィブラートを「弦の張力がすこし変わり、音のピッチが1秒間に数回だけ上下する」と定義・・・うう、物理学者だ!しかし、わかりやすい。。。

    僕らにとって、ヴィブラートはヴィブラートだからなあ・・・実にわかりやすく、音楽の諸現象を「わかりやすい」「物理学者のことば」で説明してくれている。

    もちろん、文中にはギター以外もでてくる。ペニー・ホイッスルやヴァイオリンも。なので、すべての楽器の人、だれが読んでも理解できる。

    でも、クラシックギターに対する深い愛情を感じる本。いままで読んだ音楽理論に関する本で、もっとも「クラシックギターを馬鹿にしていない本」であると言える。

  • 今、この瞬間、いったいどのような音に囲まれているかを考えてみてほしい。物音一つしない部屋にいると感じたとしても、耳をすませば遠くからは冷蔵庫のモーターの音が聞こえているかもしれないし、しばらくすると自動車の走行音が聞こえてくるかもしれない。また、人によっては音楽を聴きながら、楽しいひと時をすごしているのかもしれない。

    雑音のようなものでも、名曲と言われるような音楽においても、物理現象としては空気の振動が鼓膜に届いているにすぎない、それなら、ただの雑音と音楽を分け隔てているものは何なのか?本書はその決定的要因である”響き”について、科学的に考察した一冊である。

    ◆本書の目次
     1章 音楽とはいったい何なのか?
     2章 絶対音感とは何か?わたしにもある?
     3章 音と雑音
     4章 木琴とサクセフォーン
     5章 楽器の話
     6章 どれくらい大きいと大きいのか?
     7章 和声と不協和音
     8章 音階の比較考察
     9章 自身にあふれた長調と情緒的な短調
    10章 リズム
    11章 音楽を作る
    12章 音楽を聴く

    音楽の調べに没頭していると全く気がつかないような、奇妙な現象のオンパレードである。たとえば、我々が音楽を聴いている時のこと。どの楽器が鳴っているかについての情報の多くは、音そのものよりも、それぞれの音が始まる直前に楽器が立てる雑音から得られているという。このような「過渡現象」とも呼ばれる、立ち上がりの雑音を認識する能力は、弓矢のビューンという音を素早く察知しなければならないサバイバル環境の中で培われてきたのだ。

    また、周波数にまつわる話も興味深い。110Hz、220Hz、330Hz、440Hz・・・という、110Hzの倍数の音色を同時に鳴らしても、私たちの脳は全体的な周波数を110Hzとして認識する。さらにここから110Hzの音色を消したとしても、220Hz以降の周波数を重ね合わせた音色は、基本周波数の110Hzの音として聞こえる。振動は複雑になるのだが、一サイクルの間隔は変わらないからなのである。この「失われた基本周波数の」原理は、スピーカーなどにも利用されているという。例えば、90Hz以下には有効ではないスピーカーでも、110Hz、165Hz、220Hz、275Hzを送り込むことで55Hzの音を送り出すことができるのだ。

    著者はこれらの一つ一つを、数式や複雑なグラフを使うことなく説明している。また、ところどころに見られるイギリス人特有の小ネタも、実にアクセントが利いている。なにせ、邦題のタイトルも「科学」ではなく「科楽」となっているくらいだ。

    そのほか、本書を読み進めることで分かるようになることは、具体的には以下のようなことである。

    ・音楽の音と雑音のちがいは何なのか。
    ・短調とは何なのか。なぜ短調は悲しげに聞こえるのか。
    ・なぜバイオリン一〇台の大きさが、一台の音の二倍しかないのか。
    ・なぜクラリネットの音はフルートの音とちがうのか。
    ・なぜ西洋の楽器は同一の音に調律されているのか。
    ・ハーモニーとは何であり、どのように作用するのか。

    また、著者の説明における例え話として多用されていることからも分かるように、音の響きについて考えることは、人間の組織論を考えることにも役に立つ。例えば音階の中で連続した音が同時に鳴るとぶつかり合ってしまうが、ひとつおきの三つの音があれば、もっとも心地のよい組み合わせになる。さらにここに衝突する一つの音を付け加えると、適度な緊張感が生まれる。ここから得られる響きの効果は、おそらく人間関係においても同様と言えるだろう。

    驚かされるのは、音楽という人の情動を動かすものが、いかに科学の積み重ねによって成立しているかということにある。日頃は感性で受け止めている音楽、たまには「なぜ?」という理性で受け止めてみると、より一層面白くなること請け合いだ。

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響きの科楽の作品紹介

音楽を耳にすると、どうして踊ったり泣いたりしたくなるのだろう?楽器が奏でられると、どんな現象が起きるのか?そもそも、音楽とはいったい何なのだろう?ミュージシャンとして作曲と演奏をこよなく愛する物理学者が、科学とユーモアを駆使して妙なる音色の秘密に迫る。音と楽器のしくみから、絶対音感の正体、クラシックとポップスの作曲技法のちがい、ベートーベン「月光」とレッド・ツェッペリン「天国への階段」の共通点、初心者もバッチリの楽器習得法まで、クラシックもヘビーメタルも映画音楽も俎上にのせて語り尽くす。楽譜が苦手なファンからプロの音楽家まで誰もが楽しめ、音楽の喜びがぐんと深まる名講義。

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