作品紹介・あらすじ
でたらめに描かれた地図、持ち主を失った香水、虚空に流れる音楽──美学探偵「黒猫」の講義で解き明かされるのは、六つの謎に秘められた人々の時間だった。第一回アガサ・クリスティー賞受賞作
感想・レビュー・書評
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美学!
難しくて分からないことが多かったけれどポオの解釈にしても、日常の中での謎についても美しい学問って意味で。
キャラが際立って私好みでした。冷たくもあり、ひねた優しさもあり。
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黒猫シリーズ第1弾。本格的に読む本がなくなってきて、友人に勧められて、読み始めたシリーズ。ポーの短編集に沿って、描かれた短編集だが、最初は独特な雰囲気に慣れず、そもそもの作品のあらすじを2,3回読まないと理解出来ない部分も…文体にもくせがあり、違和感もあるが1冊読めば、結構慣れる。推理も独特なので、続編も読んでいこうと思う。
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猫!しかも、黒猫!!
ということで、すぐに借りて読んでみることに…。
しかし、期待は外れてしまった。
美学理論を駆使する24歳という若さで大学教授になった、通称「黒猫」とその「付き人」を務めるポオの研究者。
そんな不思議?な二人が出会った6つの事件物語なのだが、何とも分かりにくい!
大学の講義を受けているみたい…。
ポオとはエドガー・アラン・ポーのことなのだと。
一話、一話進むごとにポーの作品が書いてある。
それを題材にして書かれたのだろう。
中々読みにくかったが、密かな「黒猫」と「付き人」の恋心。
この先どうなるのかな?とわくわくさせられました。
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「ジャケ買い」なんて言葉がありますが、美しい装丁や言葉のリズムに惹かれて手に取る作品というものがあります。
今日、手に取った一冊はそんな一冊。
早川書房が主催する第1回アガサ・クリスティー賞受賞作。
24歳にして教授職につく通称「黒猫」と、同じく24歳でエドガー・アラン・ポオの研究者「付き人」が出会う6つの事件を通じた物語。
殺人事件と名探偵といった狭義のミステリではない、いわゆる「日常の謎」系の短編小説。
かなりクセの強い小説。ミステリよりも、黒猫と付き人、各編に登場する人々の幻想のような淡く浮かぶ恋物語を感じる小説、だと思う。
そういう意味で、英国アガサ・クリステイー社の許諾を得て募集した第1回のアガサ・クリスティー賞がこれでいいの? という気持ちで揺れてしまいます。
「黒猫」も「付き人」も研究者であるが故に、会話も高尚すぎてついて行けない点が多数。焼き鶏屋で、「焼き鳥というのも死のアレゴリーになったりはしないのかしら?」「んん、普遍性がまだ足りないね」なんてやり取りをされると、もうね……。
選者の一人の北上次郎さんは「謎解きではあるけれど、そこに人間のぎりぎりの営みがあるという点で素晴らしい。」と評価されていますが、この点は同感。
人を想う、生きる、死ぬが全編とも書き込まれており、その一つ一つを「理解」できなくても「感じる」ことが出来、読み終えたあとに何か小さなものが読者の心に張り付きます。
美学講義に囚われると、難解でつまらない作品になりますし、それに囚われずに作品全体を音楽のように流して感じることが出来れば……個人的にはあまりはまれない作品ではあります。
選者にも指摘されていましたが、エドガー・アラン・ポオの作品をモチーフにしながら、ネタばらしをしている点はちょっとマナー違反な気がします。
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別の本からこの作者を知り、手に取ってみたのだが、登場人物が講釈垂れる系のミステリーは好きなので、かなり楽しめた。美学で謎を解き明かしながら愛を語るのが憎らしい。ポーの作品は実はあまり読んでいないが、それでも面白く思えたので、読んでいればもっといろいろ感じることができただろう。メイン二人の今後の関係も気になるところだし……というか、何だ最終章のあの種明かしは。やばすぎる(笑)。
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表紙が可愛らしすぎて気恥ずかしく手に取るのを迷った(最近こういう本が多い)
アガサ・クリスティー賞受賞とのことで思い直して読んだ。
ズッシリと読みでがある内容なのに、主人公の二人がいいのか、さらさらと読めておもしろい。
ただ一つ、女の子の「んん」の表現だけは受け入れ難く…だんだん気になって仕方なくなってきた頃「んんん」まで登場してまいった。
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2016.5.3 読了
黒猫が ほぼほぼ 何を言ってるのか
わからなかった。。。(˃̶᷄︿๏)
何度も 読むのやめようかと挫折しかかりましたが、
2人のほんわかした感じ(もはや本編じゃない。。。)いい感じになるのか??とか
本編以外のところ(私の心情とか)が
かわいらしく、気になって頑張って読みました。
なかなか 独特で、
一応 1話完結で とりあえずスッキリ
終わってくれるのが 救いです。。。
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「僕のすきな眺めがここにある」
黒猫教授とその付き人による推理物。連作短編。
黒猫にもその推理にも艶があって、なんか詩的でよかった。ふたりの関係もいい感じ。
特に第一話の月まで、がすごくぐっときた。惹かれた。
ただ内容はけっこう右から左かもしれない。黒猫先生の講義は難しい。
表紙絵も素敵でじっくり眺めてしまった。
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ポーの作品を絡ませながら、謎を解いていく。
その作品たちを読んでいたら、さらに面白さも増すのかも。
読みやすく、どんどん引き込まれていくが、私はそこまで魅力を感じなかった。
メインキャラの二人は魅力的だった。
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知人の作で、受賞をニュースで知って年末に買ってあったのだけれどようやく時間が出来て読めた。
ポーと美学が絡んでいるのだけれど、多分ポーを知って読むと解釈が新鮮なのだろうと思う。京極夏彦が事件を妖魅に擬すようにポーの美学解釈をもって事件を解いている。
6編のショートが連作されているのだが、その内の2編で事件の中心人物が、自分と他者を同一視している事が謎の中心のワイダニットのキーとなっているのが、興味深かった。事件の中心人物の視点で事件を解く事を「美学的」解決と呼び客観的に起きた事をただ並べる解決と対照しているように思う。
探偵役の黒猫が勿論美学を天才的に収めているのだけれど、美へこだわりを持っているというより他者の視点を自らの物とする事へのこだわりを持っているように見える。作中で、黒猫が小さい時から「美しいものにしか興味ないでチュー」と言っていそうだという表現が出てくる。個人的には美と美学には違いがあって、例えばダリの絵を彼がどういう感覚で美しいものと思ったのかダリの感覚にダリの背景から迫ったからと言って、ダリの作を美しいと感じる事が出来る訳では無いような気がする。だけどそれをしないと美とは何か、には迫れないのかもしれない。ただ、美学を追求するに当たって、自分の中に何か、美への確信なのか、仮説なのか、分からないけれど、何か解きたいものがあるものなのではないかな、と思う。つまり自分の中の美的センスからダリは美ではないと思い、それを証明するために美とは何かを系統だてるか、それともダリを自分の美的センスから美しいと思い、またはそれに衝撃を受け、これは何か探ろうとする、とか他者に説明したいと思うかしたいと思うのでは無いか。
黒猫が美学を求めて収めているのは分かるのだけど、言葉の端々に自らの美的センスが何を美しいと思っているのか、を美学講義から感じなかった。それで少し衒学的な作に感じる。
最後の老学者の骨笛の話しは美しいと感じた。でもそれは、作者の美的センスであって、黒猫の美的センスではないからね。。
著者プロフィール
1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。
「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」
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「ひねた優しさもあり」
コレ良いですね!
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