しらない町

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著者 : 鏑木蓮
  • 早川書房 (2011年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152092533

しらない町の感想・レビュー・書評

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  • 亡くなった老人の帯屋史朗の遺品を整理していた誠一は
    史朗が若い頃撮った8ミリフィルムを見つける。

    映写してみると、どこかの田舎である。
    田舎の道を40代くらいの可愛い女性がリヤカーを
    引いている。

    史朗はなぜ隠すようにしてこのフイルムを持っていたのか。

    誠一は史朗が撮ったこの女性に会ってみたいと思った。

    誰だって、自分の人生は自分が主人公である。
    誰だって、一番輝いていた時がある。

    人と人との感動の絆です。
    心に残る一冊となりました。

  • 読んでいる途中から身体中に何かががざわざわと逆流していくのを感じた。
    それは今、ここに生きている自分自身を自覚せよ、という声無き声のようで。
     60数年前の日本と、今の日本と、全く別の世界のような二つの「今」は、
    紛れも無く一本の線でつながっているのだということを改めて認識した。
     少しずつ解き明かされていく真実は、今生きている人の心の中にあるもので。
    だから本当の意味での真実は誰にも分からない…
     ある一定の年齢の多くの方が死ぬまで心の奥底にしまいこまなければならない
    闇の行き着く先が孤独死でしかないのならば、今の日本ほど不幸な社会は
    無いのかもしれない。
     この小説は色んな問いを私たちに投げかけてくる。
     その問いの一つ一つに真摯に向き合うこと、それが今生きている私たちの
    使命なのかも知れない、そう思った。

  • 孤独死をした老人の残した8ミリビデオ。
    それを見たところから主人公の謎解きが始まる。
    死体も殺人もないソフトミステリー。
    少し物足りない感があるし、ちょっとこじつけ感もあったのが残念。
    でも、別の作品も読んでみたいという気にもなった。

  • 重い話だ。私にとっては孤独死よりも
    戦争の話がきつかった。いつも、きっちり避けていたのに
    たまたま読んでしまった。
    やっぱりつらかった。最後はよかったのだけれど。
    戦争の話は苦手。

  • 「絵」でも
    「書物」でも
    「映画」でも
    戦争というテーマを中心に据えて書かれたものには
    つい手をだしてしまう

    たいがいのことは「想像」する力を発揮する中で
    自分の中に落とし込んだり、自分の中で思考したりしていくのだけれど

    この「戦争」というものは
    そんななまやしい「想像力」では及びもつかないものであるような気がしている
    でも その実体はそれなりに把握したい
    もちろん「体験」など絶対にしない方がいい

    それだからこそ
    きな臭く感じることの多い今だからこそ
    それなりに自分の中で考え続けておきたいものだ

  • 鏑木蓮作品初読み。
    自分も孤独死の可能性高いよなとか冷静に考えてしまったわ(笑)
    文体とか考えたらもっとほんわかした作品書いて欲しいなと思う作家さんかな。。。

  • 過酷な戦争を体験した老人の死後、
    その老人がいったいどんな人物だったのか
    戦争を知らない若い世代の人間が老人の人生を
    掘り起こしていくという構成が
    百田尚樹『永遠の0』との類似性を感じさせますが、
    読中受ける印象や雰囲気はかなり違いますね。

    こちらのほうが柔らかいというか自然体な感じを受けます。

    『永遠の0』の方は物語として優れているけど
    『しらない町』はドキュメンタリーチックな
    飾らない感じがするというか。

    その分じわっと心に染みるような読後感を持ちました。

    なんというか久々に静かな感動を味わったような気がします。

    多くの人に読んでほしいと強く思う、
    いろんな人にオススメしたい作品です。

    ※表紙の、女性と背景の雰囲気がすごく作品にマッチしていますね。

  • しらない町、消えた村。
    そこに行ってみたい。

  • 映画監督志望の青年が主人公のお話です。
    アパート管理のバイトをしていた彼が出会うある老人の孤独死から物語が始まります。
    ミステリーの様な展開(実際作者はミステリーも執筆してるようだ)から人生のあり方や人との繋がり方について進んでいき途中ホロリとする場面も。
    戦争(第2次大戦)についても語られていますが、やっぱりあれはいけないよね。世界平和を切に願いたくなりました。
    この話の中に主人公も含め映画好きが3人出てきます。
    ぼかぁ映画ってそれほど感銘を受けないのでその点だけが感情移入できなかったかなぁ。
    でも読んで損はないです。

  • 素晴らしい作品で、心に「ガツン」と響きました!
    話の序盤は、人付き合いが苦手な若者と孤独死がメインだったので
    重いかなと思いましたが、途中からの展開は素晴らしいの一言です。
    読み終わって、とても考えさせられるテーマでしたが、重々しい気分にはならず清々しい気分になりました。
    ぜひ皆さんにお勧めしたい一冊です。

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しらない町の作品紹介

故郷の島根を離れ、映画監督を夢見る青年、門川誠一。今は大阪でアパート管理のバイトで生活をしていた。ある日、亡くなった独り暮らしの老人、帯屋史朗の遺品を整理していた時、誠一は部屋で8ミリフィルムを見つける。映っていたのは-行商のため重いリヤカーで集落へと向かいながら、優しくほほ笑む女性の姿だった。帯屋老人はなぜこのフィルムを大切に保管していたのだろう。誠一はドキュメントを撮ることを決め、映像が撮られた場所とゆかりの人たちを訪ねてゆく…。独居老人の遺品の8ミリフィルムに導かれた青年がめぐりあう、戦争という時代、ありし日の故郷、人と人との絆の物語。

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