- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152093004
作品紹介・あらすじ
オレゴン州、エコー渓谷。そこは、高校教師ジャスティンとその父ポールにとって思い出深い場所だった。渓谷の開発を前にして、ポールは最後に泊まりがけで狩猟に行こうと誘ってくる。ジャスティンの息子、十二歳のグレアムも一緒に、と。そしてジャスティンは同意する。この旅が、長年衝突を繰り返してきた父と和解するきっかけになることを願って。しかし、穏やかだったはずの週末は、次第に違う様相を見せはじめる。他人の意見に耳を貸さない父。獰猛な本性を見せる森。周囲をうろつく熊の影…そしてそのころ、自宅に残ったジャスティンの妻カレンにも別の危機が迫っていた。自然の深層と人間に潜む野性を、切りつめた文章で描き上げた新鋭のデビュー長篇。
感想・レビュー・書評
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消化不良のまま終わる。
夫は、父親と息子と一緒に森に入ってサバイバル。
妻は、ギクシャクした夫がいなくなった隙に火遊びでもしようかしら。彼女のファンのストーカーが出てくるも、結局、妻サイドは特に何もなく終わる。
森組はまあまあ。
まとまってるんだか、まとまってないんだか。ちょっと残念。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
終盤に向かって緊迫したシーンが続くが、なかなか終わりが見えない。見えない何かに追われる様は不気味で手に汗握る。
ページが残りわずかというのに、どんなオチになるのか想像がつかず、モヤっとしたまま終わってしまったのが微妙だなぁ、と。 -
信頼の古屋美登里訳。1979年という作家の若さに驚くのはもう止めよう。アメリカには極めて「ワイルド」な物語を生む文化がある。ベンジャミン・パーシーは、尊敬する作家にマッカーシーを挙げているが、似た系譜といえるのだろう。近年の日本文学は無臭だが、本作からは野生や血の匂いがする。いざという時につながらない携帯電話など予定調和な部分もあるが、父子関係のもつれやイラク帰りの元兵士が熊の皮をかぶる異常性などの書き込みは生々しく、驚かされる。映画化予定とのこと、これは楽しみだ。