オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152093677

感想・レビュー・書評

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  • ここに書いてあることの全てが真実かどうか、僕には分からない。
    けれど、これが事実であると考えた方が、対戦後のアメリカの振る舞いが、あるいはアメリカに対する他国との反発が、あるいはロシアの西側諸国に対する言動が、説明しやすくなるような気がする。

    そういう意味で興味深い本だと思う。
    翻訳本ならではというか、そもそもの歴史的共通理解がないが故の読みにくさがあり、星4つ。

    アメリカが、いや、列強諸国が、他国民や平和のために、(ひとりひとりの自国民のためにさえ)政治的決断をすることなど無いことを、改めて思い知らされる。
    それは、列強諸国になろうとして列強諸国のまねをした、かつての日本を見ても明らかである。


    この本は、アメリカ人のアメリカ観を是正すべく、アメリカ人の手で書かれた本である。
    だから、この本を読んで、日本人がアメリカを非難するのは違うだろうと思う。

  • ・西洋が世界の勝利者になったのは、西洋の思想、価値観、宗教が優れていたからではなく、
    むしろ組織的な暴力をふるうことに優れていたからである。
    ・我が国の歴史の中で日本人ほど忌み嫌われた敵はいないだろう(ピュリッツァー賞受賞歴史学者アラン・ネヴィンス)
    ・原爆被爆者、峠三吉の詩「八月六日」 ”あの閃光が忘れえようか”
    ・原子爆弾の投下に「これは史上最大の出来事だ!」と喝采を叫んだトルーマンに対してある民主党党員が大統領宛に打った電報
     「無辜(むこ)の人を死に至らしめる兵器に歓喜するなど、かりそめにもアメリカ合衆国の大統領たるもののなすべきことではない。
      喜んだ理由が破壊ではなく、破壊に終止符を打ったことにあると明確にしていただきたい。」
    ・アイゼンハワー
     私は2つの理由で原爆使用は反対だと言った。
     第一に、日本は降伏する用意ができており、あのような恐ろしい兵器を使用する必要はなかった。
     第二に、私は自国があのような兵器を用いる最初の国になるのを見たくはなかった。

  • ウッドロー・ウィルソンのまさしくTPP条約ISD条項を彷彿させる発言。
    「門戸を閉ざしている国々には、その扉を叩き壊してでも開国させねばならない……。資本家たちによって獲得された利権は、たとえそれに反感を抱く国々の主権がその過程で蹂躙されようとも、我が国の使節によって保護されねばならない」
    これが1907年プリンストン大学総長時代の言葉であるとは。
    19世紀末の相次ぐ恐慌がアメリカをモンロー主義を放棄させ、太平洋へと向かわせる。様々な紆余曲折を経ながらも、自由主義国は小さな国々の主権やそこに暮らす人々の暮らしよりも、資本家の財産権を優先させてきた。グローバリゼーションの動きは、TWOからFTAへとさらに貿易の自由化を推し進めている。その先に何が待っているのだろうか。あと15年もすればその姿が見えてくるであろう。

  • 科学者の戦争 科学は平時には人類に属し、戦時には祖国に属する

    トルーマンの人種差別意識、皆殺しも辞さぬ反日感情

    原爆の使用は、壮大な見せ物、 ソ連への牽制

  • さすがオリバーストーン。米国の暗部に向ける視線は鋭い。とは言え、米国人以外が読むとわりとありそうな話ばかりとも言える。

著者プロフィール

1946年生まれ。アメリカの映画監督、脚本化、映画プロデューサー。『プラトーン』、『7月4日に生まれて』でアカデミー賞監督賞を二度受賞。著書『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』はベストセラー。

「2020年 『もうひとつの日米戦後史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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