夢幻紳士 新・怪奇篇 (夢幻紳士シリーズ)

著者 :
  • 早川書房
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本棚登録 : 202
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152093998

感想・レビュー・書評

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  • 夢幻魔実也の新たな怪奇譚。

    ・蝉
    ・猫ビル
    ・人形(ロボット)の恋
    ・ラプンツェル
    ・首
    ・ぐるぐる
    ・隠れ鬼
    ・鴉
    ・夜の悪魔
    ・変身
    ・夢遊病
    ・夜を往く
    の全12話を収録。

    ・蝉
    心中し損ねたり、妻と共に列車に跳ねられバラバラにされたり、浮気のトラブル解決を依頼したり、そして今回は妻殺しと魔実也の友人にロクな奴がいない。
    まあ、魔実也の意思とは関係なくそういう連中を引き寄せているんだろうけど。
    死体を蝉の幼虫に見立てるという発想が良い。

    ・猫ビル
    どことなくカートゥーンアニメの様な雰囲気を感じる。
    夢幻紳士版トムとジェリー?
    ラストの少女(猫の化身)と一緒に「ナァァ~オゥ」と鳴く魔実也に萌えた女性ファンは少なくない筈。
    でも、そういうのは青年 魔実也には似合わない(気がする)。
    少年 魔実也の方が合っているのではないか?

    ・ラプンツェル
    夢幻紳士では珍しいミスリード物。
    元ネタは同名のグリム童話と思われるがそれを怪奇物へと改変、仕立てるのは高橋葉介ならでは。
    お見事としか言い様がない。

    ・ぐるぐる
    個人的には逃げて・追いかけて行く男女が変貌していく様も含めてギャグ・コメディ(悪い意味ではなく)に感じてしまう。

    ・隠れ鬼、夢遊病
    これも怪奇物というよりはファンタジー物の様に見える。
    但し、夢遊病の方はラストが切ない。

    ・人形(ロボット)の恋、首、鴉、夜の悪魔、変身
    見方によってはそれぞれ、「怪奇篇」の半人形、首屋敷、蛇、吸血鬼、老夫婦のリメイクともとれる。

    特に変身での自分を蟲だと思い込む兄の為に妹が自分も蟲に変えてほしいと魔実也に頼むシーンは、老夫婦で小堀定市が婚約者の八重子と同じ暗示をかけてほしいと懇願するシーンに似ている。

    作者があとがきやその他のところで書いたり、言ったりしているわけではないので断言は出来ないが、もし自分の推測通りだとしたら これは「新・怪奇篇」あり、なおかつ「新・回帰篇」でもあると言えるかもしれない。

    因みに首のラストで魔実也が自分の首を「ひょい」と持ち上げるカットがあるのだが、これは何処かで見た事があるなあと思ったら「ライヤー教授の午後」で主人公のミリオンが自分の首をやはり「ヒョイ」と持ち上げるカットがある事を書いておこう。(但し、ミリオンは両手、魔実也は片手で)

    ・夜を往く
    これも何処かで見た事のある様なタイトル。
    調べてみたら「必殺仕事人Ⅴ旋風編・風雲龍虎編」での中村主水の殺しのBGMの曲名だった。(だから何だって話だが)
    これまでのストーリーからのネタをちりばめての小粋な最終話。
    第四の壁を壊したかの様なラストの魔実也の「またいつか」「どこかでお会いしましょう」の台詞に読んでいる此方は思わずニヤリとする。

    「回帰篇」に続く「新・怪奇篇」充分過ぎる程堪能した。

    嗚呼、次の単行本が待ち遠しい。(現在、ミステリーマガジンで「夢幻紳士 夢幻童話篇」を連載中)

    でも出来る事なら、一人を救う為 何百人もの死体の山を築き上げ、結局その一人も救えない 殺戮というサーカスを繰り広げるあのピエロの新作を読みたいのだけど。

  • 実は早川書房から出ている「怪奇篇」「迷宮篇」「回帰篇」どれも未読。。。

    早川書房のPR
    「著者の代表作中の代表作、夢幻魔実也の〈夢幻紳士〉シリーズ、新たなる怪奇夜話。
    蝉(せみ)は鳴き、猫ビルは佇む。人形(ロボット)は恋し、髪長姫(ラプンツェル)は閉じ籠る。首は飛び、男と女はぐるぐる追いかけ回り、少女たちは隠れんぼをする。鴉(からす)はあるものをくわえ、夜の悪魔は淫らに振る舞い、男は蟲(むし)に変身し、妻は夢遊病になってしまう。夢幻紳士があなたを複雑怪奇なストーリーへご案内します。」

    • darkavengersさん
      猫丸(nyancomaru)さん
      こんばんは。

      日曜にブックオフで「幻想篇」「逢魔篇」「迷宮篇」を見つけて衝動買いし、我慢できなく...
      猫丸(nyancomaru)さん
      こんばんは。

      日曜にブックオフで「幻想篇」「逢魔篇」「迷宮篇」を見つけて衝動買いし、我慢できなくて昨日ジュンク堂で「回帰篇」そして今日又「新怪奇篇」を買ってしまいました。
      ホント、遣い過ぎもいいところです。

      後は「冒険活劇篇」と「夢幻外伝篇」でコンプリートなのですがなかなか見つからないんですよね。
      2020/10/14
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      darkavengersさん
      うわー、、、猫は不貞寝します?
      darkavengersさん
      うわー、、、猫は不貞寝します?
      2020/10/14
  • 初版 帯

  • 女性の艶やかな表情がいい。
    変身とか融合とか、グロテスクな表現もこの画風のお陰でマイルドになっている気がする。
    回帰と怪奇ということか?
    繰り返しと言葉遊びも面白い。

  • 静謐なホラーに加え、青年魔実也の妖しい美しさを堪能。怪奇編シリーズはこれだからいい。見方を変えればスラップスティックな話もあるのは珍しいけど、ホラーとギャグは紙一重というやつでしょうか。

  • ぎくりとさせられる、にやりとする、葉介節。夢幻魔実也はこのシリーズでは輪郭や髪の質が女性的。けれど内容は色っぽい成分が多め。

  • ハヤカワミステリ連載の夢幻紳士シリーズ。ほとんど骨だけのストーリーに流麗なタッチの絵が肉をつけるような作風になっとる・・・

  • 夢幻君新刊。今回はいつにもましてエロい感じが・・・フフ(#^.^#)
    地元の本屋のうち一店舗のみ、しかも大抵一冊しか入荷しないので無事ゲットするために発売前後はその本屋に毎日のように通いました(笑)

  • やっぱり昔の怪奇編が好きとか言ってしまうのはもう自分の中で怪奇編や外伝が確固たる名作の地位を築きすぎてるので仕方がないものの、いまだに高橋先生が夢幻魔実也を描き続けてくれることはこの上なく嬉しい。

    今回いちばん気に入ったのは「変身」かな。

  • 2013 9/18読了。コミック高岡で購入。
    出たらつい買ってしまう高橋葉介の新刊。
    夢幻紳士の夢幻紳士っぽい短編集。
    最後の話で全部回収していく展開は最近の高橋葉介に多いけど、やっぱりいいなあと思ってしまうので悔しい。

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著者プロフィール

1956年、長野県生まれ。77年「江帆波博士の診療室」でデビュー。『夢幻紳士』『学校怪談』、『もののけ草紙』などのシリーズで人気に。独自の「怪奇幻想マンガ」を描き続ける。

「2023年 『魔実子さんが許さない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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