深紅の碑文 (下) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)

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著者 : 上田早夕里
  • 早川書房 (2013年12月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152094247

深紅の碑文 (下) (ハヤカワSFシリーズJコレクション)の感想・レビュー・書評

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  • 「夢と希望の物語だ」と言ったら言い過ぎだろうか。
    リ・クリティシャスという人類滅亡の危機に積極的な遺伝子操作の受け入れという手段で生き延びた人類に訪れる再びの人類滅亡の危機。
    「その時」を受け入れるのか逃げるのか、それぞれの登場人物たちは誇りにかけて信念のままに生きる。
    正しいか正しくないかは「その後の歴史が決める」とはよく言うが、この物語では恐らく、その後の歴史すらがその成否を決めることは出来ないだろう

  • SF。小説で☆5は初めて付けるかも。
    前作(時系列が少し前で同じ舞台)の「華竜の宮」もそうだったのだけれど、組織や社会とそこで動く人と個人との距離感が抜群で、組織の非情さ/融通の利かなさ/影響の大きさ、を外から見たときの描写に現実社会と比べても全く違和感を感じない。ファンタジーは所詮個人の創作した物語、という見方は存在すると思うのだけれど、歴史、伝記などとこの、素晴らしいファンタジーを描写で同列に比較できるということは、史実であっても結局人が構成し直した物語となるのであって、文章で表現できること、表現しようと思う事は、結局著者の視点や考え以上には広がらないということなのだ。つまり、リアリティがあって、とても面白いという事です。。
    あと、文章が、激情と抑制の間の揺らぎだけを写し取ったようで、好きです。
    <大異変>後のお話も、続けて欲しいなあ。

    ・世間は…何かをやろうとする者に対して、いつも減点法でしかものを言わない。これはだめだ、それは間違っている。失敗したらどうするのか、もっといい方法があるはずだ、なぜ、こちらのほうを選ばなかったのか、どうしておれたちが言う通りにしないのか、そっちへ行っても何もないぞ―と。
    でも。
    人間は、減点されるために生きているわけじゃない。誉められるために、生きているわけでもないのだ。

    ・人類は夜空を見上げたときから、いつか、あそこへ行ってみせると決めたのです。

    ・でも、私たちはこのまま進みます。ザフィールも、きっとそれを一番喜びます。誤解があっても、それを解く必要などまったくないというのがあの人の口癖です。行動がすべてを物語るのだから、世の中の人々が許さないのであれば、自分たちは潔く消えていこうと…。

    ・「機械を仲間だと思っているだろう?はみ出しているという意味では他の連中と同じだ。」
    「人間を愛する能力がなくても?」
    「それは人間にとって絶対に必要な条件じゃない。

    ・私は―核エネルギーというものは、使わずに済むならそのほうがずっといいと思っています。本当はあの技術は地球外―つまり、宇宙開発用に限定したほうがいい。
    …人類が宇宙へ出る理由―そこには科学の研究、産業の発展、社会や生活圏の拡大…様々なものがありましょうが、技術発展の問題とは、実は、その一番の理由となるべきものではないでしょうか。地球でやれないことを宇宙でやる―地球上では害悪にしかならない技術、社会を壊しかねない技術も、宇宙での生活なら役に立つかもしれません。

    ・「…海上民にとってアキーリ計画がどういう意味を持つのか―私は、ほとんど考えてきませんでした。海も陸も同じ人類だからと、一括りにしていたのは私のほうですね。海上民にとって、アキーリ計画は何の意味も持たない。陸で反対している人たちと同じく。そんな状況下で、私たちはアキーリ号を出発させる…」
    「…パンディオンの救援活動に対してもね、何の意味も認めていない海上民は多いよ。陸からの干渉は必要ない、何もしないでくれと」

  • 青澄の生涯、オリジナルとコピーそれぞれのマキ、泣かされてしまった。
    SFという形ではあるが、人間くさい大河ドラマ(という言い方もどうかとは思うが…)です。

  • 壮大なスケールのSF大作でした。スパンが長いこと。読み物的には華竜の宮の方が、グイグイ引き込まれて面白かったが。人類はどうなるんだろうと言うまま終わってしまった。私の中ではマキはやはり男性なので再登場してくれて嬉しかった。彼の青澄に対する感情めいたものが心に残った。そして青澄にも人らしい感情があって良かった。

  • 前作を読んでいなかったので、最後まで魚舟とは何なのか、それを知りたくて読み続けた。
    そのため、とうとう物語に集中できないまま終わってしまった。
    海上民と陸上民とは民族の違いくらいに思って、対立の根深さを理解したのも相当後半となった。

    初めて読んだ者にもう少し説明が欲しい。

    設定は予想外で魅力的だし、言葉も美しくて素晴らしいと思ったが、人物の内面を理解できるような表現が少なかったように思う。

  • ちょっとがっかり。何をかきたいのかぼやけたきがする。青澄とマキの終わり方はよかった。

  • 私には長すぎた

  •  武器売買の利権に絡む紛争幇助の動きなど、きな臭さを増す下巻。

     自分の生き方は自分で決める、自分の手綱は決して他人に預けない…そんな姿勢を貫き、交渉の席に着くことを拒み続けたザフィールの意固地さに苛立ちを覚えてしまった。
     制御化獣舟などの陸上民のやり方からも分かる通り、ラブカたちの不信感は当然のものとはいえ、どうして闘争以外の道に向かえなかったのか。
     未来を度外視するような生き方が、他の登場人物とは対照的だった。

     休戦に誰より尽力した青澄とマキが、安らかなひと時を過ごすラストの場面は、尊くも切なくてたまらなかった。

     ちょっと気になったのは、裏の政財界ネットワークの存在と扱いが、そこだけご都合っぽくみえたこと。

  • この世界に行けるなら
    海がいいな

  • 確定された闇に向かってそれでも踊り続ける人間のしたたかさ。こんなに暗いのに光まみれだ。

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