ひかげ旅館へいらっしゃい

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著者 : 加藤元
  • 早川書房 (2014年6月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152094629

ひかげ旅館へいらっしゃいの感想・レビュー・書評

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  • 辛い時、悲しい時、いつも手紙で相談にのってくれたのは、別れた父。その父が亡くなり、主人公は父が経営していた旅館へ行ってみる事に。
    そして初めて知る。そこで父は女装し「おかみ」をしていたということを―。

    金色に黒の横縞の壁に、イルミネーションのコードが巻きついた手すり。極めつけにどこか卑猥な内風呂。外から見ても、中から見ても、下品で悪趣味なひかげ旅館。でもそのごちゃごちゃとした猥雑なところが、女装癖のあるおかみに合っているという気がしなくもない。

    父の死をきっかけに、その旅館の手伝いをする事になった主人公・なるみ。
    そこから見えてくる父であるおかみの姿。
    なるみやひかげ旅館の人達の悩みにうまい具合に寄り添うような言葉選びだとか、妙な例え話だとか。そういうのが説得力があるというよりは、胸にすとんと落ちてくるような感じ。なんか良い。
    なんだかんだで一風変わったおかみは、周囲から慕われてたんだよなぁ。

    ストーリー的には結構好み。何が良いって、もちろんおかみの魅力にかぎる。彼女(彼?)が話す拡大解釈された一寸法師の物語が、今の世を皮肉った感じでなかなか面白い。
    ただなるみの、父親が女装していたという事実を、割とすんなり受け入れてしまったのに違和感が。もっとこう娘として複雑な感情があったりするでしょうよ。天藤とか源五郎の人となりも、もっと掘り下げて欲しかったな。

    綺麗に終わったと見せかけて、これからなるみが最低な夫(読んでいて胸糞が悪い)とどう決着をつけるのか心配にもなる。

  • おかしな旅館で何となく人が流れ着くのが分かる。
    残した言葉の端々で皆の心を包んでいる、おかみさんの存在感が大きいです。
    個性豊かで味わい深い物語。

  • 「ひかげ旅館」
    名前からして、裏であるとか、世間から認められない、ほんのり不幸なにおいがする物の、その不幸でさえ、あまり華々しいものではなく物悲しい…
    そんな感じの旅館は、ヒロインの父親が営んでいた。
    夫婦仲が上手く行かなくて故郷に戻ってきたなるみは、なりゆきで、少しの間旅館を手伝う事になる。
    あまりお客は来ないのだが、たまにくればわけありな人たちばかり。

    悪くはないけど良くも無い…
    全体に、陽の当たらない路地のにおいがする。
    小学生の源五郎(おじいちゃんみたいな名前ですが)が、なかなか良い味を出している。
    全体的に人間の描き方も薄い感じがするが、
    なるみのダンナとの会話は、ああ、男ってこうだよね~!と、あるある過ぎて、そこはリアルだった。

  • 幼い頃に両親が離婚し、母親と暮らしていた主人公。
    父親との交流は文通。主人公の悩みに的確な、そしてユーモラスな言葉をくれた。
    大人になっても続いていた文通がある時、いくら待っても返事が来なくなった。
    そして暫くして届いた知らせは父親の訃報。

    そのとき初めて父親が旅館を営んでいたことを知った主人公は「ひかげ旅館」に行くことに。

    そこで父親が“おかみ”だったことを知る。ひかげ旅館を守るふたりも随分個性的で。
    不思議なひかげ旅館の魅力にやられる。

    夫の浮気に悩んでいた主人公はひかげ旅館に滞在することで自分の進むべき道を見つけてゆく。

  • 夫との諍いに疲れ、幼い頃に離別した父の遺した旅館を訪れたなるみ。
    そこには風変わりな従業員と風変わりな客が。
    面白い設定、魅力的なキャラ満載なのに
    上滑りなまま終わってしまった感。
    勿体ない。

    【図書館・初読・3/18読了】

  • 全体的に優しい話しだろうけど、もう少しといったところかな。
    2015.2.23

  • 図書館で見つけ、題名に惹かれて借りました。

    離婚した父と文通を続けていた主人公なるみ。
    夫との関係はギクシャク、母娘関係は悪くもないけど良くもない。
    そんなある日父が亡くなったことを知り、父が経営していた旅館へ行ってみることに。
    そこにいたのは、ちょっと変わった町の人と従業員、そして変わったお客さん。
    父のヒミツを知り、ちょっと変わった人たちと関わることでなるみの心もちょっとづつ変化が…。

    傷ついたぶんだけ、明日は幸せになれるかもしれないから…
    つらいことがあるのなら、いつでもここへいらっしゃい。

    人にはちょっと疲れたときに立ち寄る心の拠り所が必要。
    ひかげ旅館はそんな場所。
    そんな場所を私も見つけてみたい。

  • 母と別れた父が亡くなったとのしらせを聞いたなるみ。父が経営していた旅館を訪ねるが、そこにいたのは傷心も忘れてしまうほど個性的な従業員とお客で……どこか優しく温かい出逢いの旅館物語。
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    個性的な宿と従業員が印象的なヒューマン小説。
    主人公の傷心の具合がしみる内容だけれど
    あまりにも宿が個性的すぎて、なんとも。
    どうせ個性的なら、もっとエピソードも個性的な細かいものを盛りだくさんだと、破天荒で現実味なくなってよかったのかもしれない。

  • 【収録作品】第一話 花の間/第二話 月の間/第三話 雪の間/第四話 星の間

  • う〜ん…惜しい!というのが感想でしょうか。題材が面白そうで、心温まる癒し系小説を期待したけれど…。おかみさんのキャラは良いとして、ひかげ旅館の設定(変な外装やら内装)が突飛すぎる。登場人物の感情や人となりもあと一歩掘り下げて欲しかった。というか伝わってこなかった。
    ラストも、あれっここで終わり!?とビックリ。みんなどうなったんだろうか…。

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ひかげ旅館へいらっしゃいの作品紹介

母と別れた父が亡くなったとのしらせを聞いたなるみ。父が経営していた旅館を訪ねるが、そこにいたのは傷心も忘れてしまうほど個性的な従業員とお客で……どこか優しく温かい出逢いの旅館物語。

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