壁と孔雀 (ハヤカワ・ミステリワールド)

著者 :
  • 早川書房
3.25
  • (8)
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  • (11)
  • (3)
本棚登録 : 316
感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152094780

作品紹介・あらすじ

警視庁SPの土壁は仕事中に負傷し、休暇をとって幼い頃別れたまま亡くなった母の実家を訪ねた。初めて会う異父弟はなぜか座敷牢に籠り、母殺しを告白する……クイーン的興趣溢れる本格ミステリ

感想・レビュー・書評

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  • 警視庁のSPである土壁英朗は大臣を警護した際、被弾し入院。退院後休養を兼ねて、2年前に亡くなった母親の墓参りのために北海道を訪れる。
    そこには、父親の違う歳の離れた弟がいた。
    その弟は、「母親を死に至らしめた」のは自分であるとお屋敷の座敷牢の中で暮らしていた。

    母親の実家である篠太家は明治維新後、東北地方の土地を追われ、北海道の奥地に追いやられ暮らし続けてきた。その地域に住む人たちの多くは篠太家と関係があるようで、また、突然現れた英朗に対して、警戒した様子を見せている。

    母親の死に噂される謎。弟の現在と将来に対する兄の想い。歴史的な背景を匂わせながらも、全体的に淡白な印象。

    小路さんの作品は、「東京バンドワゴン」シリーズしか読んだことがなく、地の文の季節感や言葉の豊かさ、それぞれの人物に対する愛情が溢れる文章を期待したのだが、それは満たされなかった。
    もちろん、作家さんもいろいろなアプローチの方法やストーリを試したり、あれこれ書きたいことが湧いてきたりするだろうからいつも同じテイストというのもなんだなとは思います。
    前半は話が動かず退屈気味ですが、後半は人もストーリーも動きだし気になるので、読ませてくれます。

    あ、そうか。
    今回私には東京バンドワゴンのように、感情移入してしまうほど共感できるや、魅力的でお気に入りになる人が見つからなかったせいかもしれない。
    くすっとつい笑みがもれるような、経験からくる言葉の中でじーんとさせてくれるような場面は見当たらなかったのもあるかなあ。

    とはいえ、注目している小路さんですので、みなさんのレビューを参考に次に読む本を探していきたいと思います。
    みなさん、おすすめありますか?

  • 装丁が素敵

  • 最後に明確な答えが欲しかったぁ、
    と言わせるためのストーリーか。
    そう思った時点で、小路さんの思う壺って気がする。

    真面目が取り柄みなたいな、いい男だ、土壁氏。
    こういう主人公には必ず、めっちゃいい奴が友達なんだ。
    それが相川氏。

    最後の明確な答えが、これから解き明かされる、という
    続編。。ないか。

    面白かった。
    私は動物だったら、何かしら・・

  • ふわふわしたまま終わるミステリー
    登場人物がなんかゆるい

  • 2022.3.8 読了


    SPの土壁は、仕事で足を負傷し
    仕事を休んでいる間に
    幼い頃に離婚して 亡くなった母の
    お墓参りに行く。

    そこで起こる出来事。

    なんか 拍子抜けなラスト。
    うーん、いいんだけど。。。


  • 面白い設定ではあったのだが、入り込めなかったのは、最終的に全てのピースがキレイに嵌め込まれすぎて、それが違和感として残ったからかな。
    「偶然」シーンが重なるうちに少しづつ冷めてしまった感じ。

  • うーん。お墓参りぐらいまでは本当に面白く感じて、そこからはどんな変化球が来るのだろうとミットを構えていたらド直球が来て。でも流石に次は変化球だよね、と身構えるけどまた直球が飛んでくるみたいな印象。
    個人的には毒素をもっと出してほしかったけれど、主人公が早めに蓋してくるので、緩いといえば緩い、優しい世界といえばそうなのかも。
    結末にむけてはおざなりさを感じるところもあって、それでエピローグも軽く感じたかも。

  • 怪我をした警察官が亡くなった母の故郷である北海道に帰省する話。いくつかの事件がつながっていく。優しい雰囲気が小路さんらしいと思ったら最後がらしいような、らしくないような…。
    2017/4/28

  • 04/16/2017 読了。

    図書館から。

    好きな話だった―

  • 良いヒューマンミステリ、だなんて硬く評価してみる。

    とても面白かったし、続編でもあれば間違いなく読むけれど。読み返すことはないだろう。それでいい。これはそういう、完結すべき物語だ。

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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