- Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152095183
作品紹介・あらすじ
「生涯の失敗」が最新宇宙論により復権したアインシュタインのケースを初め、「間違っていた」「惜しかった」ケースさえ後世の参考になるビッグな科学者の「勇み足」を、多彩な図版を駆使して紹介
感想・レビュー・書評
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決して"失敗学"ではない世界を変えた超天才達の偉大なる失敗の原因とそこへ至る信念、そしてその失敗が産んだ発展。一級品の一冊。
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偉大な科学者達も自分のミスに気付かずに見過ごすことがあった。或いは当時の考え方(科学的常識)に合わせて修正したり、事実とは相容れない自説に固執したり、科学的な発見の裏にはミスや失敗もあった。この本で、著者は彼らの業績と共に失敗の事例を紹介する。取り上げた事例として、ダーウィンと遺伝学、ケルヴィンと地球の年齢、ポーリングとDNA、ホイルと定常宇宙、アインシュタインと定常宇宙など。
どれほど優秀な科学者でも間違いはあるということだが、彼らも充分検討した上での主張であって、後世の科学的視点で正誤を判断されるのは少し気の毒な感じもした。 -
大変読み応えのある内容。
宇宙物理学者である著者が、5人の偉大な科学者である、ダーウィン、ケルビン、ポーリング、ホイル、アインシュタインの偉業と、それぞれの偉業に伴って生じた彼らの「ミス」に着目し、その意義と貢献についてまとめた一冊。
彼らのミスは単純な誤りなどではなく、次の世代の研究にモチベーションとなるようなヒントを与えて、現代科学の進歩に大きく貢献してきたんだということがよくわかりました。
科学者どうしの当時の手紙のやりとりや、関係者への取材、著書や論文の内容など、著者がそれらを丁寧に調べてまとめており、事実関係をまとめるだけでも大変な手間がかかっている本でもあるなと思いました。
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逸話だけでおもしろいのですが、もう少し人間の認知バイアス等にからめてくれるとなおよかったかなという感じです。
あと、天才たちではなくふつうの研究者たちの間違いについても少しは触れて欲しかったところです。 -
サイエンス
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偉大な先達たちの失敗を通じて感じることのできる科学の進歩の話。アインシュタインの間違いながらも最終的には正しい結論に到達する。直感を大事にしているからだというくだりは、特に印象的だった。
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●偉大な科学者と言えども、考えられないミスをするということを解説した本。
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人によってはたいそう面白く読むのだろうが、私には素養が足りなかった。物理学や宇宙論の話が難しすぎた。
と同時に、生涯ビッグバンを認めなかったホイルなる学者の、理論よりも心持ちに関心が行くあたり、自分は根っから「真理」より「人間」を好むタイプなのだなとわかった。
2017/12/30〜2018/1/2読了 -
★科学道100 / めくるめく失敗
【所在・貸出状況を見る】
http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=11500283 -
チャールズ・ダーウィンやケルヴィン卿、ライナス・ポーリング、フレッド・ホイル、アルベルト・アインシュタイン。偉大な科学者が犯した失敗を偉業とともに紹介している。失敗といっても寝坊して学会に遅刻したとか、そんなレベルではない。あくまでも仕事(研究)での失敗だ。高度な失敗であるため、科学に疎い人は、何が失敗なのか分からないと思う。それでも、種の起源のダーウィンから相対性理論のアインシュタインまで、異なる分野の科学者だと思っていたが、どんどん繋がっていく様は意外性を感じられる。一般人が楽しみで読む本ではないが、科学史に興味がある人は読んでおいて損はない。