機龍警察 自爆条項〔完全版〕 (ハヤカワ・ミステリワールド)

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著者 : 月村了衛
  • 早川書房 (2016年5月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152096173

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機龍警察 自爆条項〔完全版〕 (ハヤカワ・ミステリワールド)の感想・レビュー・書評

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  • 「機龍警察」シリーズ2作目の完全版。
    機甲兵装同士の戦闘シーンの迫力も、特捜部部長・沖津とテロ組織や闇社会との諜報戦も1作目より遥かにスケールアップ。
    さらに今作の主役・ライザの少女時代から「死神」と呼ばれたIRF時代の壮絶な過去も丹念に描かれており、かなり濃い読み応えのある一冊に仕上がっている。
    特にクライマックスの首都高上でのバトル、ライザをテロの世界に導いた〈詩人〉キリアン・クインとの対峙はヒリヒリする臨場感。
    ストーリー展開の上手さと非現実的なのにどこかリアリティのある設定、登場人物の心理描写も洗練されていてラノベ好きにも警察小説好きにもオススメできる作品。

  • 10月31日午後、横浜港大黒埠頭の一角で起きた大量殺人。同時に発覚する、軍用有人兵・機甲兵装の密輸事案と北アイルランドのテロ組織IRFによる英国高官の暗殺計画。
    沖津旬一郎率いる警視庁特捜部が捜査に乗り出すが、すぐに中止命令が下る。
    日本政府の沽券にもかかわるこの事件には、日本国の警察庁だけでなく、首相官邸、外務省、経済産業省、北アイルランド、イギリス、果ては中華民国国家公安部、その黒社会まで、あらゆる国家と組織の複雑な駆け引きと暗闘が絡んでいた。
    そして一連の事件のシナリオを描き出すIRFの立役者キリアン・クイン。国際指名手配のテロリスト。彼もまた日本に密入国し、かつての同志、今は特捜部付警部補竜機兵〈バンシー〉の登場要因である裏切り者、ライザ・ラードナーの前に現れる。
    汚名を負ったひとりの少女をテロリストに成らしめたもの。繰り返される惨劇、その過程で喪われてゆく友人や父親たち。そして一線を越えた妹の死。
    ライザの壮絶な過去に寄せて淡々と紡がれる謀略の終焉は――。

    いつもそうだった。頭の中でジャムの感触。悪運が人生の流れを堰き止める。無残な形で爪痕を残す。
    自分の人生は際限のないジャムの連続なのだ――

    人生の排莢を運命が嚙み潰す。そしていつも、大切なものを喪う。止まない雨に打たれながら、深い闇の底のヒースの原を彷徨い続ける人生。約束した、けれど永遠にやって来ることのない水曜日を、諦めながら忘れられない人生。
    ――ライザような壮絶なものでなくとも、誰もみな、人生の流れが不意に止まってしまった、歪められたと思う一瞬を感じた経験はあるだろう。
    それが自分の人生に常に付きまとう悪運だとして、みな、どのようにその後の人生を過ごしていくだろう。自分はどうだったろうか。そんなことを考えながら読んだ一冊。
    シリーズ二作目だが、第一作の機龍警察すっとばしていきなり今作から読んでしまった。Production I.Gかサンライズ制作、ノイタミナ枠でいけそうな内容と世界観。パトレイバーやガサラキを思い出した。

  • 月村了衛、2016年発表の小説。2011年発表作品に加筆したもの。

    近未来警察小説シリーズの第2作。「龍機兵」と呼ばれる近接戦闘兵器を擁する警視庁特捜部の活躍を描いた群像劇風の作品。面白いけれど、官僚機構としての警察の抱える問題とか、北アイルランドのテロリストの物語りとか、何処かで読んだことのあるようなストーリーで、陳腐かつ冗長。特にテロリストの過去の物語りは不要と感じました。

  • ライザの物語。元本よりライザについての背景が書き込まれている(ような気がする)。北アイルランドのテロ組織,黒社会,中国諜報組織が入り乱れての大活劇。ストーリーはほぼ同じなのにページを繰る手が止まらない。「詩人」の真の目的は?

  • 「機龍警察」シリーズの第2作の完全版です。

    本シリーズは、現在までに、
    長編4編、短編集1編が上梓されていますが、

    このうち、第1~3作は、
    「龍機兵」の3人のパイロットについて、
    それぞれ一人ずつ、物語の主軸に据えて、
    それぞれの過去と現在を交錯させながら、
    警視庁特捜部(架空)での任務が、
    リアルテイストで描かれています。

    第2作となる本作品では、
    「龍機兵」唯一の女性パイロットとなる、
    ライザ・ラードナーの物語となります。

    ライザの設定は、
    10代で、北アイルランドのテロリストとなり、
    ある事件を転機としてテログループを離脱し、
    警視庁特捜部に入隊した、といぅ設定ですが、

    本作品では、
    第1章 現在:序
    第2章 過去:生立ち~テロリストになるまで
    第3章 現在:破
    第4章 過去:テロ活動~転機となるある事件
    第5章 現在:急
    の5章構成で、ライザの半生を描いています。

    この後、シリーズ第4作『未亡旅団』では、
    女性だけのテロ集団との攻防となりますが、
    その中で見せた、冷徹なライザの「苦悩」の、
    その理由が、本作品で明らかにされています。

    また、正反対の生立ちと、同様の転機を経て、
    「龍機兵」のメイン・メカニックとなった、
    カウンターパートとなる鈴石主任との関係も、
    今後の展開の中で、注目ですね。

    本シリーズは、
    安定感のある設定と作風も相まって、
    作品の世界観にもグッと引き込まれ、
    また、考えさせられる部分もあって、
    エンターテインメント小説としては、
    抜群に面白いシリーズだと思いますが…、
    特に、本作品は、シリーズ中で、最も哀しく、
    そして、一縷の救いと不安とともに終幕した、
    物語かもしれません。

  • 厚みと重みが好み。

    重層的に綴られるエピソード。
    ライザと緑ちゃんの関係がたまらんなー。
    ライザ妹ちゃんと緑ちゃんの名前が!
    それすらうまいこと使うとこが好き!

  • 初版、文庫化に続いて三度目の読書。
    同じ作品を三度読んだのは、前作を除くと「鷲は舞い降りた」ぐらいだと思う。最近翻訳がまったくないジャック・ヒギンズを読みたくなった。

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機龍警察 自爆条項〔完全版〕 (ハヤカワ・ミステリワールド)の作品紹介

英政府高官を狙うかつての古巣からの刺客が、特捜部の契約する〈傭兵〉ライザ・ラードナー警部の凄絶な過去を呼び覚ます。人気の高いシリーズ第二作が大幅加筆と特別付録収録の完全版として登場

機龍警察 自爆条項〔完全版〕 (ハヤカワ・ミステリワールド)はこんな本です

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