神よ、あの子を守りたまえ (トニ・モリスン・コレクション)

  • 早川書房
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本棚登録 : 62
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152096494

作品紹介・あらすじ

漆黒の肌を持って生まれたために母から拒絶された少女。成人した彼女は、去った恋人を追って旅に出て、様々な人々と出会う。ノーベル文学賞受賞作家が現代を舞台に描いた贖罪と生まれ直しの物語

感想・レビュー・書評

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  • 西加奈子が、絶賛していた作家だったように記憶している。
    うーむ。入り込めない。
    原書だと、人物を文体で分けてるのかな?わかりにくい。意図的なのか?

  • 一人の美しいキャリアウーマンの女性を軸に、親子、友情、トラウマ、児童虐待、人種差別を描いた作品。

    誰もが振り向く美しい容貌と真っ白な衣装を纏った真夜中のような肌の色を持つキャリアウーマンのブライド。容姿端麗な恋人ブッカーとの恋愛も上手くいき、全てを手に入れたように見えた。しかし彼女には、ルーラ・アンと呼ばれていた幼い頃についた嘘が原因で、無実の女性教諭ソフィアを児童虐待の罪で15年の実刑に追いやった過去があった。自分よりも肌の色が薄い実母スウィートネスの愛情を得る為についた嘘を精算するためにソフィアに会いに行こうとするブライド。それが彼女の全てを大きく変えてしまうことになる。

    ブライドと彼女に関わった人たちの視点から描かれるパートと、ストーリーのメインである地の文のパートから、何が起きたのかと何を思っていたのかが多角的に見えるようになっている。

    誰かにとっては愛情を持ってしたことも、相手からすれば呪いでしかない。理不尽な圧力から逃れる為に更に理不尽な圧力をかけてしまう悲劇がとても辛い。皆その痛みから逃れる為に、美しさや富、誰かの死、誰かの不幸に縋って生きている。しかしそれに気がついてしまった時、彼らはどうやって前に進むのか。この物語の続きが幸福なものになるのか、不幸なものになるのかは明示されていない。そしてその未来はこの本のタイトルの祈りに繋がっている。

    実に読み応えのある本だった。個人的にはストリートチルドレンのレインのパートが力強くて好き。

  • 面白くない

  • こういう作品を読むとどこまでをどう受け止めて良いのかで悩むのだなあ。

    母から子への呪詛の連鎖のようでもあり、そんな連鎖は愛があれば断ち切れるのだと示しているようでもあり。
    ブライドは本当にブライドになれたのか? ということを考えると、二人の未来は明るいものだと考えても良い気はするのだけど。

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著者プロフィール

1931-2019。アメリカ合衆国の作家。小説に、『青い眼がほしい』(1970)、『スーラ』(1973)、『ビラヴド』(1987)、『ジャズ』(1992)、『ホーム』(2012)など。彼女の長編小説はすべて日本語に翻訳されている。絵本に、スレイド・モリスンとの共著『子どもたちに自由を!』(1999、長田弘訳、みすず書房、2002)『どっちの勝ち?』(2007、鵜殿えりか・小泉泉訳、みすず書房、2020)、『いじわるな人たちの本』(2002)、『ピーナッツバター・ファッジ』(2009)、『小さい雲と風の女神』(2010)、『カメかウサギか』(2010)、『ほんをひらいて』(2014、さくまゆみこ訳、ほるぷ出版、2014)など。写真絵本『忘れないで――学校統合への道』(2004)はモリスンの単著。ノーベル文学賞(1993)のほかに、全米批評家協会賞、ピュリツァー賞、大統領自由勲章など数々の賞を受賞。プリンストン大学などで教鞭をとった。

「2020年 『どっちの勝ち?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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