終わらない週末

  • 早川書房
3.03
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784152101587

作品紹介・あらすじ

NY近郊の別荘を借りて休暇を過ごす4人家族。休みを楽しんでいたのに、別荘の持ち主という夫婦が現れ、中に入れて欲しいと懇願される。やがて起こる奇妙な現象の数々。世界では、何かが起こっている――? 外界と遮断された6人が、生き残るすべを探し始める。

感想・レビュー・書評

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  • 鳴響く謎のノイズ,サイバーテロ,電波障害の終末世界。貸別荘に家主が訪れ不穏な気配。暴走無人車や息子の体調の異変,得体の知れぬ恐怖が続く。明確なオチ無く幕切。異常事態に,娘の呑気さが皮肉で面白い。

  • ブラック・ファンタジー? ピンク・ホラー? といった言葉が頭に浮かぶ。何やら説明のつかない展開に、映画「カメラを止めるな」と似た雰囲気か、と落ち着いた。

    13歳の娘と16歳の息子のいる夫婦。ネットで予約した貸別荘で休暇を過ごしていると、ノックの音が・・ なんとこの家の持ち主の老夫婦でニューヨークが大停電なので泊めてくれという。えっ、とまず第1の不可思議な出来事。さらに夜何かの音が・・ 娘は窓の外にたくさんの鹿の群れを見、息子の歯が抜け・・

    文章がとても読みずらい。訳文が悪いというのではなく、描写が時と場所があちこち飛び、比喩も英語的。扉にオバマ元大統領が絶賛し映像化もされる予定とあったので我慢して読み終えた。が、終わってみると、白人一家は中流、訪ねてきた家主の老黒人夫婦はそれより金持ちらしい、とかアメリカ社会の様相をさりげなく描写していたり(きっとアメリカ人だったらより内容が理解できるのだろう)といった部分もある。展開していた不思議な出来事を頭の中で思い出すと、うん、けっこうおもしろいかも、という気がしてきた。映像向きかもしれない。でも不思議な出来事の理由は示されないので、だから何なんだ、という面持ちも。



    2020発表
    2022.8.25初版 図書館

  • これは、究極の人間シミュレーション。
    「何故そうなるか」は語られず、「その時どうするか」をわざと極所的に、それがそもそもの目的であるかのように描写され続ける。

    読者はいつものミステリーのように、俯瞰して理解できると思っていると、次第に苛立ち、遂には投げ捨ててしまうかもしれない。

    でも、現実的に人は物事を俯瞰して見ることはできない(全てを知っているかに誤解するのは、与えられる情報が万能であると信じ込んでいるから)。

    ドラマであれば、これは「プロローグ」であり、この後ローズ?の冒険物語が繰り広げられるかもしれない……。

    でも、これで完結するのも、また面白い。

  • “オバマ大統領も大絶賛!”
    “Netflixでジュリアロバーツ主演で実写化!”

    と謳われていたのでかなり期待して読んだけど、
    文章の書き方がとにかく合わなくてまったく集中できず途中で断念、、、
    そのまま図書館へ返却してしまいました…

    前回読んだ海外作品がとても読み易くて面白かったので、より馴染めなさが際立ってしまった。
    ただ、これを読んで良かったことは、海外作品は作者より翻訳している人との相性で読めるか読めないかが分かれるのかも、という事に気付けたのでその点は良かったかもしれない。

    ほんと、なんていうか、すごくまわりくどい文章の書き方というか、、英語をそのまま日本語に変換したのか?という感じで、登場人物たちの心の声の描き方がいちいちくどい。

    んー、でもこれがもっと読み進めていったら良い味を出したのかもしれないし、悪い事ではないのだろうけどとーっても読みづらかったです。笑


    ちょっと続きは気になるけど…もう読むことはないかなぁ。。
    残念。

  • コロナ禍を経験していなかったら、ずいぶんと受ける印象は違っていただろうと思う。
    世界はまだ終わっていないけれど、私たちは終末の手触りを知ってしまった。
    しかし、それは知らなかったのが幸運だっただけで、知っている人たちも大勢いたのだ。
    続いていく世界で終末を抱いたまま、どう生きていこう。

  • スッキリはしないけれど、現実的な恐怖が少しずつ重なって、下手なホラーより遥かに怖い話だった。昔住んでいたロングアイランドが舞台。後書きにあるようにそこに流れる差別感などがリアル。

  • 物語の展開とページ数を交互に気にしながら、『もしかしてこの手の話はこんな感じで終わる?』と思っていた予想が見事的中。だから、結末に不満はなかった。登場人物それぞれの思考が実際そうであるように時には秩序だって、また時には無秩序に展開される描写にリアリティを感じたし、その思考の中に透けて見えるエゴや選民意識(あとがきにもあった)、はたまた自分をどこか客観視して諦めているところは、恥ずかしながら共感できる部分も多かった。

    登場人物の置かれた状況で見えるものしか見せてもらえない、そんなもどかしさを想像力で補いながら、場の臨場感を楽しむ、という読み方でいいのかも、と思う。

  • 一気読みだった。

    終始漂う不穏な空気。
    白黒はっきりしない終わり方に、
    評価が分かれるのもわかる気がする。

    オバマ推薦図書ということで手に取ったけど、
    地味に本人が出てるのに笑った。
    あの登場の仕方だけど、気にせず選書リストに入れるところはさすがにシャレが効いてるな。

  • はじめの方形容する文がおおくて読むのに時間がかかるな〜と思ったが、場面を思い浮かべやすくてたのしかった。アメリカの人が原文読んだらするする入ってくるんだろうなと思った。
    登場人物の自尊心?のようなものが強いことを示す文みたいなのがそれぞれいくつかあって、この家族たちがとくべつそういう性格なのか、それとも国柄的なスタンダードなのかどっちなんだろうと思っていたけど、性格とかそういうものはたぶんこの話の展開上まったく影響しなかっただろうなと読後に思った。主人公がいて話が展開していくというよりは淡々と撮った密着ホームビデオを見せられている感覚がした。
    最終的になにを読ましたかったんだ?とは思った。非常事態で自分中心になりそうなところ、他人がいた場合どれだけ自我を保てるか?とか災害にそなえて扉の開閉の自由でない乗り物に乗るべきではないとか?それとも状況に適応して生き残れるのはやっぱり子ども とか? あとがきで結末や種明かしがないから自由に読める!とか書いてあったがそういうことなのか?なにもかも腐っていくことしか想像できないけれどな…

  • 私は面白くないと思った。

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