- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784152500267
感想・レビュー・書評
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とんでもない!とんでもなく面白かった!
ファンタジーが織り込まれた現実というのはこういうものかもしれない。
冤罪を背負って犬の姿に変えられ地球に送り込まれた光官シリウスが、ゾイという謎の物質を探すという話だが、本当に幻想的でありながら暖かさを光の煌めきを存分に味わうことができた。
個人的にはバジルが大変少年らしくて好きだった。意地悪で優しい少年よ。己の興味の赴くままに邁進せよ!
また、読みすすめるうちに脳裏にいきいきとした情景が溢れてきた。この高揚を手を動かして色を塗って絵に表現できないだろうかと何度も考えた。美しい地球像に辟易としていた私であったが、やはり自然は美しいものなのだ。今晩は空を眺めて眠りたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うちの犬も・・・なんてね。
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「星々の世界の住人シリウスは、無実の罪で犬に姿を変えられ、地球へ追放となった。星空へもどるには、失われた魔法の道具ゾイを見つけるしかない。飼い主となった孤独な少女キャスリーンと心を通わせるいっぽうで、シリウスは危険な冒険に乗りだしてゆく!ファンタジイの女王ジョーンズの若き日の傑作。」
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今まで読んだダイアナ・ウィン・ジョーンズの中では個人的に一番面白かった。
話のなかでも象徴的に描かれているように、犬って目で感情がわかる。
人間と会話できないだけに。
と思う。
昔飼っていた犬も、多分考えていたことがわかった。
なんて言って全然違ってたりして(笑)。
しかしダイアナ・ウィン・ジョーンズ、星人って発想はどこから・・・。
正直、人知を越えた発想のように思う。
彼女こそ星人か。
多分彼女にしか書けない物語。 -
デイルマークの時にも感じた、途方もない喪失感、身を切るような切なさ。それが犬なんですよ!しかも星なんですよ!だからこそなんですよ。何を言っているかわからないかもしれないが、とにかく読んで感じてほしい。
文章の底に静かに流れるその感覚にぞくぞくでした。
子犬の場面では、動物を殺す奴が死ねや、的な意味合いで泣け、最後にはその喪失感に泣けてしまいました。本当、大人になってからもこんな感覚を味合わせてくれる作者はすごいや。
礼儀正しいソルと、ハードボイルドなシリウス、天真な地球、冷静沈着な伴星、彼らのやりとりが中々もえ。
字面だけ見ると宮沢賢治のようでもありました。 -
犬、SFファンタジー、現代という個人的に好きなキーワードが見事に揃っていて感動しました。しかも主人公犬視点。
そして今も話題に上るイギリスとアイルランドの社会的問題も取り入れられていて、海外児童書ならではの時代背景にも興味を持つきっかけになればいいな、と思います。
ダイアナ氏初期の作品とだけあってか他作品と比べると伏線のシンプルさに物足りなさを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、生き物の多様性を宇宙規模で描かれた素晴らしい作品だと思います。 -
わくわくするような冒険もあったけど、ちょっと切ない後味。
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主人公が星で犬なんです。子犬として生まれたときからの描写が、物語がこれですすむのかって心配するくらい、きちんと現実的に書かれています。だから、読み終わった後新鮮な感覚でした。
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ハウルの動く城を書いた人。
ジブリハウルと原作ハウルは全くの別物ですからね!!
発想がどこから来たのっていうとんでもない奇抜な設定。
序盤の流れはまだ、まだついていけるんですが後半マジか、マジかそうくるのか、と段々何が何だか……
最後もね!
最後とってつけたように幸せになりましたけど、私はシリウスのことを思うとやりきれないですね!
読み終わるまで普通に読んでいたんですが、ストーリーを人に説明したらとんでもなく面白いストーリーだということがわかりました。
う、うん。話のタネになります。