小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則 (ハヤカワ新書juice)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784153200111

作品紹介・あらすじ

会社は大きいほうがいいなんて幻想だ。今日では誰でも自分のアイデアをもとにビジネスを始められる。高価な広告枠、営業部隊、オフィス、いや、会議も事業計画もいらない。昼間の仕事をしながら、初めは週末の数時間を費やすだけで十分だ。小さな所帯で、シンプルに、迅速に、臨機応変に-それで僕らは成功している。二つの大陸に散らばった十数人のメンバーだけで数百万人のクライアントを抱えるソフトウェア会社37シグナルズは、その優れた製品だけでなく、常識破りな会社運営法でも、業界観測筋の目を釘付けにしている。その創業者とカリスマ開発者が、いまのビジネスに真に必要な考え方を示す。

感想・レビュー・書評

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  • 良書。仕事について真摯に考えるとこんなにムダのない結果になるのか、と驚かされる。「人を雇う」の章はみんなに読んでほしくなる。

  • 刺激的だった。

    書いたのは「Basecamp」などのWebアプリケーションや「Ruby on Rails」の開発で知られる「37signals」の創業者とプログラマーのコンビ。

    「第二稿から最終稿の間に半分のボリュームにした」と言うだけあって、無駄なく端的だが、彼らの姿勢や哲学がみっちりと詰まっている。

    全編にわたって付箋を貼ったくらいだけど、特にグッときたのは「自分が使いたいものを作る」「自身を製品やサービスの一部にする」「経理は部署だが、マーケティングはそうではない」「文化は作るものではなく、発達するもの」あたり。

    ところどころ翻訳が不自然なのは、ちょっと残念なところ。

  • 全ての会社がこんな風になればいいのに。
    逆に言うと、
    普通に働いてて違和感を感じるところを書き出したらこの内容になるって気もする。

  • 「世界が驚異の目で見つめる」、たった16人のメンバーからなるソフトウェア企業37シグナルズ。

    本拠地はシカゴにあるというが、メンバーの半分以上は、なんとスペイン、カナダ、アイダホ、その他5か所に分散しているから驚いた

    「やめたほうがいいものを考える」「ほかのなによりも最悪な邪魔者は会議である」「会議は会議を生み出す」「ワーカホリックは好きで働いているので、効率的な方法を探さない」そして、「外部の資金は最終手段」

    ・・・・etc。

    こうして考えると、まだまだ無駄なことをしているんだなぁと耳が痛くなるが、規模が大きくなり、経験値を積み、軌道に乗ってくると、ほんとうに大事なことや目的を忘れしまうのかも知れない。

    これまでの仕事の常識を次々と打ち破り、不可能を可能にし、大成功を収めた彼らから学べることは、複雑なことをシンプルにしてみることなのでしょう。

  • ■会議は有害
    ほかのなによりも最悪な邪魔者は会議である。 理由は以下のとおり。
    ・会議は実際のものではなく、言葉や抽象的な概念に関するものである。
    ・一分あたりごく少量の情報しか伝達しない。
    ・会議の主題は吹雪の中のシカゴのタクシーより容易に道からそれる。
    ・会議には緻密な準備が必要だが、いつも不十分だ。
    ・誰も目的をはっきりと知らないくらいあいまいな議題が用意されることが多い。
    ・会議にはしばしば全員の時間を無駄遣いするために必ず自分の番を得るバカが最低ひとりはいる。
    ・会議は会議を生み出す。ひとつの会議がもうひとつ別の会議につながり…

     会議が一般的にテレビ番組のようにスケジュールされるのも不幸なことである。会議を三〇分か一時間の枠でスケジュールに入れるのは、スケジュールソフトがそのように動くからだ(アウトルックで七分の会議をスケジュールする人を見たことはないだろう)。会議の目的を達成するのに七分しか必要なければ、あなたが使うべき時間はそれだけである。七分を三〇分に引き延ばしてはいけない。
     実際考えてみると、会議の本当のコストは信じ難いものだ。一時間かかる会議を設定し、参加者を一〇人招待したとしよう。これは実際には一時間の会議ではなく一〇時間の会議である。一時間の会議の時間と一〇時間の生産力を交換しているのだ。そしてそれは、自分が行っていることをやめ、会議に参加するため別の場所に移動し、それから会議の前に行っていたことを再開しようと頭を切り替える精神的負担を考えると、おそらく一五時間ぶんくらいになるだろう。
     果たして一時間の会議のために十数時間の生産力を犠牲にしていいものだろうか?時々はいいかもしれない。しかしこれはひどく高くつく。純粋に原価ベースで判断すると、このサイズの会議は資産ではなく瞬時に負債となる。あなたが実際に失っている時間を考えてみて、それだけの価値が本当にあるのかを自問してみよう。
     もし絶対に集まらなければいけないと決めたのであれば、次のような単純なルールを守ることで会議が生産的なものになるようにしよう。
    ・タイマーをセットする。タイマーが鳴ったら会議は終了。そこまで。
    ・可能なかぎり少ない人数しか呼ばない。
    ・常に明確な会議の議題を設定する。
    ・具体的な問題から始める。
    ・会議室のかわりに問題が起こっている場所で会う。実際の物を指差し、本質的な変更点を提案する。
    ・解決策を出して終了し、誰かにそれを実行する責任を負わせる。


    ■顧客をあなたよりも) 成長させよう
     このようなシナリオを聞いたことがあるかもしれない。ある会社に多額の支払いをしている顧客がいる。その会社は可能なかぎりの手段でその顧客を喜ばせようとしている。そこでこのひとりの顧客の要望のために製品に手を加え、変更したために、その製品の本来の顧客基盤が離れていってしまう。
     それから、ある日この得意先が去ることになり、この会社には問題だけが残される。その問題とは、そこにはもはや存在しない人のための製品である。そしていまやこの製品は他の誰にも適合していない。
     既存の顧客にこだわり続けていると、新たな顧客から自社を切り離してしまう。 あなたの製 品やサービスは既存の顧客にあまりにも最適化されており、新たな顧客には魅力的ではなくなってしまう。このようにしてあなたの会社は傾き始めるのだ。
     僕たちの最初の製品が出回った後しばらくして、最初から僕らと一緒だった顧客たちから批判がいくつか届き始めた。彼らが成長したことでそのアプリケーションが合わなくなってきていると言うのだ。彼らのビジネスは変化しており、新たな複雑さや要件を反映させるために製品の仕様を変えてほしいと彼らは望んでいた。
     僕らは「ノー」と答えた。その理由は、そもそも顧客が僕らの製品をモノにできないよりも、むしろ顧客には僕らの製品を追い抜いてほしいと考えていた。何人かを満足させるために上級者向け機能を加えることは、まだ慣れていない人たちを怖気付かせてしまう。新規顧客を恐れさせて遠ざけてしまうことは、昔からの顧客を失うことより悪いと僕らは考える。
     顧客があなたを追い抜けるようにすると、ほとんどの場合、基本的な製品に行き着くだろう。それで構わない。小さくて、シンプルで、基本的なものへのニーズは不変だ。まさにそれを必要としている顧客の供給は際限なくある。
     そして常に、あなたの製品を使っている人よりも使っていない人のほうが多く存在する。 こうした人たちが使い始めることができるように簡単になっていることを確かめよう。そこに絶え間ない成長のカギが眠っている。
     人も状況も変化するため、全員に対してすべてを提供することはできない。あなたの会社はニーズがころころ変わる特定の個人よりも、あるタイプの顧客に忠実である必要がある。

  • 少ない労力で最大限の効果を発揮する。小さくビジネスを始めてみようと思えるエッセンスが多数。

  •  小さなビジネスを目指すことに不安を抱かなくていい。
     持続的で、利益のでるビジネスを行っていれば、それが大きかろうと小さかろうと誇るべきことなのだ。

     あなたはひとりきりモードに入らなければならない。
     ひとりだけの長い人続きの時間にこそ生産性はもっとも高くなる。

     解決策はそこそこのものでかまわない。

  • 十数人の社員で数百万人のクライアントを抱える
    ソフトウエア企業「37 signals」のメンバーが
    書いた一冊。

    大企業への皮肉とも取れる内容も散見される
    けれども、書かれてある内容は極めて正論。
    働く者が持つべき姿勢や心意気を、意識的に
    とんがった表現で記している。

    起業しようという人にとって参考になるのは言う
    までもないけれど、この本をそれにとどめておく
    にはあまりにももったいない。既にできあがった
    組織の中で働く人にもビンビン響いてくる。

    こんな環境で働いていたら、モチベーションの持ち
    方はのっけから『モチベーション3.0』(ダニエル・
    ピンク著)なんだろう。もうそれ以外のモチベー
    ションを持ちようがない。


    ところで、この本の翻訳は秀逸。
    37signalsさながらに、場所が離れた複数のスタッフ
    がチームを組んで翻訳を進めたとのこと。本書に
    記されたような姿勢や心意気を持って、この翻訳
    プロジェクトにのぞんだことは想像に難くない。

  • 【読書ノート】
    ・ニーモシネ1-4

    ・ToDoリストの優先順位付けはナンセンス!一番上からやる、つまり、No.1だけあって、それだけ

    (アテネで購入)

  • ビジネス

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