Sports Graphic Number PLUS 完全保存版 中山雅史と日本サッカーの20年
- 文藝春秋 (2013年2月14日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (104ページ)
- / ISBN・EAN: 9784160081819
感想・レビュー・書評
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「Number」に今まで掲載された記事の再録や今回の第一線を退く(決して引退とは言わない!)との発表後に受けたゴンちゃんのインタビュー、一緒にプレーしてきた仲間のインタビューなどを合わせて発行された完全保存版。
彼は進学先、在籍したチームで自分の期待される仕事は何なのか、相手を生かすにはどうしたらよいかを常に考えていて、「パートナーの能力を引き出してくれた。」と名波さんは言っている。
また、身近に武田修宏という天才がいて、彼を意識してプレーしてきた。ライバルたちの存在も大きかっただろう。
私はサッカーに詳しい訳ではなく、せいぜいニュースのスポーツコーナーで見聞きする程度である。今はスター選手が大勢いて、ニュースのネタにも事欠かないから、メディアに取り上げられることは以前にも増して多くなっていると思う。
そんな私がゴンちゃんを知ったのは、「ドーハの悲劇」で有名なワールドカップ予選あたりだったんじゃないかな。
試合前のおちゃらけた姿とは異なり、試合での一切手を抜かない、泥臭いプレースタイル。
最後までボールを追い、得点をあげた時の喜びよう。
なのに、手にしたと思われたワールドカップへの切符が、ロスタイムに手中からすり抜け、ピッチの中の選手たちが肩を落としても、決してあきらめず、まだ終わってはいないと絶叫する姿。
時間切れで、目の前にあった道が閉ざされた瞬間、
呆然となってしまう。
彼のサッカーに対する真摯な人柄にファンとなって、動向を追ってきた。
「下手だからもっと上、もっと上と頑張ることができた」(P99)
これを初めて知った時(かなり前に言っていた)、私自身の生活に重ね合わせて強い印象が残り、今でも忘れられない言葉となっている。私は趣味のスキーでも、仕事でもだんだん頭打ちになっていくのがわかって、先に諦めとか妥協とかをして、自分が傷つかないようにしてしまうところがある。けれど、ゴンちゃんほどの才能に溢れた人でも謙虚に自分より上の人たちを認め、少しでも追いつこう追い越そうと努力を続けていることを知って、いつも心に留めてきた。うさぎとかめの話じゃないけれど、まさに「継続は力なり」なんだよね。
オリンピックの時などによく聞かれる、スポーツ選手に向かって「感動をありがとう」というお手軽さがなんだかずるい感じがして少しばかり苦手なんだけれど、今回だけは言わせて。
中山選手、長い間お疲れさまでした。
あなたのおかげで、サッカーを楽しむようになり、
あなたの言動を注目してきました。
しばらく休養した後には、きっと次のステージでまた、何かをやらかしてくれることでしょう。
そのときを楽しみに待っています。
今でも尊敬しています。ありがとう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
悔しいけど、涙が止まらない
徹夜で並んでとったW杯予選のチケット。絶叫してうたって踊ったGONゴール
忘れられないだろうなぁ。こういう人が本当にかっこいいと思う
いつまでも胸に刻んでおきたい人だ -
談話からだけでも感じるサッカーへの情熱、凄まじい執念。
身近で見てたら相当なものを感じただろうな。
ゴン魂を見習って、私も当たり前のことを当たり前にできる人間になりたい。頑張らなきゃ。 -
いい表紙だ。
中山みたいな選手は、今後日本サッカー界に出てくるのだろうか。
ジョーカーじゃなくて、ムードメーカー。
絶対に、ぶれないムードメーカー。
最近の、調子乗り世代っていわれてるメンバーも、ムードメーカーだけど、けっこう呑まれてしまう感じなんだよね。ノリはいいし、盛り上げよう、エンタテイメントしよう、ってのはわかるんだけど。逆境で、モラルアップできるかっていう点だと、彼以外はいないんじゃないかなぁ。
しかし、いい表紙だ。
今は、とりあえずお疲れ様、ですかね。
今後、様々なところで活躍するでしょうけど、案外サッカーの話は、笑いなしだからね。おもしろキャラじゃないのよね、解説とかさ。
お疲れ様でした。 -
ゴンちゃんの熱い想いが伝わる巻頭インタビューに涙が止まりませんでした。これだけ、サッカーに賭けて来たからこそ、たくさんの人が、ゴンちゃんに魅せられているんですよね。
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2013/2/22 Amazonより届く。
2013/3/3~3/7
Jリーグ黎明期からずっとサッカー界を駆け抜けてきて、先日第一線から退くことを表明したゴンこと、中山雅史選手へのオマージュ。ほぼ同世代の私にはこの20年の日本サッカー界の変遷は、一観戦者としても凄いものがあるが、選手として活躍しつづけた中山選手から見ても凄い大きなものであっただろう。でも、その変遷が大きかったことの間違いなく大きな部分を中山選手の活躍が占めていることが良くわかる。98年フランスワールドカップ、ナントでのクロアチア戦、記事にもあったが、ヒデからのクロスをトラップし、シュートしたシーン。あのとき、ヒデがボールを持ち上がり、ルックアップして走り込む中山にぴたりとあわせ、これまた凄いトラップを、そのゴール裏から観たシーンは今でもありありと眼に浮かぶ(残念ながら、シュートシーンはゴールポストの陰で見えなかった。キーパーに触られたあとすり抜けたところでがっかりしたのを思い出す)。大好きなことにたゆまず努力し、飽くなき向上心をもって取り組む。当たり前といえば、当たり前ではあるが、当たり前を続けることの難しさ、素晴らしさを中山雅史という選手は体現しつづけてくれていた。今後も、是非日本サッカー界のために貢献しつづけて欲しい。 -
いつも読ませていただいているプログ「みんみんのプログ」 で紹介されていて
Amazonですぐに注文しました。
昨日届いたので、午後から自室にこもってじっくり読みました。
もう本当に至福のひとときγ(▽´ )ツヾ( `▽)ゞ
過去のNumberに掲載された中山選手の記事が多かったですが
中山選手がこの20年のJリーグの歴史を牽引してきた選手だということを
あらためて実感しました。
ジュビロサポーターならたまらない藤田さん、名波さん、福西さんによる
中山選手を語る対談や
かつてのコンビ、スキラッチ選手の中山評などもあり
これはまさに永久保存版。
胸がめっちゃ熱くなる1冊です。 -
偉大なプレイヤーの足跡を胸に刻む。色んなことを思い出したし、ああそうだったのかと今だから納得できることもあった。涙腺が決壊したのはP.100-101の写真。前にも見たことがあるしこれが選手生活の終わりという訳でもないのに。ただ、やっぱり自分の中ではここで一区切りがついたのだ、と今でも思う。トルシエが言うように、磐田に中山の銅像を建てたらどうかと真剣に思うんだがどうか。
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最高の選手の20年の歴史であります。ジュビロの黄金の中盤の対談もカズのコメントもその他も全てグッとくる。泣ける。