1985 猛虎がひとつになった年 (Sports Graphic Number PLUS)

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著者 : 鷲田康
  • 文藝春秋 (2015年9月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784160082144

1985 猛虎がひとつになった年 (Sports Graphic Number PLUS)の感想・レビュー・書評

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  • この年の阪神のことを、それはそれは詳しく書いてあります。当時小学生で大阪に住んでいた自分としては懐かしく、覚えていないこととか知らなかったこととかたくさん勉強になって楽しませてもらいました。

  • 虎党ではないので、何が特別なのか疑問だった。
    1984ではなく86でもなく、なぜ1985なのか?
    しかし読み終わると腑に落ちる。
    「あぁこれはすべての野球ファンにとっての1985なのだ」、と。

    本書によれば、「伝説のバックスクリーン三連発」も正確には「二連発」らしい。
    しかもこれが優勝の大きなポイントになったというわけではない。
    (ただし、いつもスロースターターなバースが開幕早々から爆発するきっかけにはなったし、抑えの二本立てが確立した試合でもあった。)

    監督の采配は「もう無茶苦茶で何が何だか分からない」とこぼされるほど我慢を知らない投手起用で、マウンドで交代を告げるときに明日の先発も託す吉田に、バースも「Oh、No」と天を仰ぐシーンは笑った。

    ともすれば短気で兄貴肌の吉田が、ベンチ内での采配批判にも寛容に構える親父的存在に成長する様は面白い。
    なかなか「優勝を目指せ」と口にしない吉田が、選手揃っての直訴を受け入れ、ミーティングでハッパをかけるシーンは感動的だ。

    ただ中でもすごいのは、シーズンわずか5本しかヒットを打たなかった川籐をベンチに置き続けたことだ。
    選手個々の実力は高いのに、あと1勝が勝てず、内紛に明け暮れ、やることが個々バラバラの阪神をひとつにする魔法の鍵は、首脳陣と選手をつなぐまとめ役を置くことだった。
    「選手の気持ちをひとつに」、とはよく言われるフレーズだが、選手の顔を、喧しいファンや不実なフロントではなく、個々の成績でもなく、まずはチームに向かせること。
    チームが勝つために、同じ方向を見る。
    そのために、まとめ役は不可欠で、川藤ほどの適任者はいなかった。

  • 伝説のバックスクリーン3連発が飛び出し、新たなクローザー中西清起が生まれた1985年。開幕4カード11試合が終わった時点で、1番真弓426、6ホーマー。3番バース381、7ホーマー。4番掛布293、6ホーマー。5番岡田447、3ホーマー。平田450。1試合平均約8点のチームは単独首位をひた走る。日本シリーズも、管理野球を見事に打ち砕き、球団史上初の日本一に輝く。大阪魂が萌えに燃えあがった1年であった。栄光の軌跡が幾多の感動とともに綴られている。終章は、一転、栄華から落剥していく暗黒時代が語られる。選手一人ひとりの辿った足取りが興味深い。明暗あわせたタイガースの真の姿をみることができる。

  • 【昭和60年、社会現象を巻き起こした阪神タイガース。21年ぶりにリーグ優勝、球団史上初の日本一に輝いたチームを追ったノンフィクション】昭和60年、自分が中学に入った年、興味が広がった多感な時期なのか実に印象深い年。おニャン子クラブ、チェッカーズ、日航機墜落などとともに忘れられない阪神タイガースの優勝。もっと書籍化されてもいいと思うがあまり見当たらない。本書は発売日に即買い。
    阪神の吉田監督第二次政権の1年目。前任の安藤監督のチーム作りも評価しているところが本書の素晴らしいところ。
    トップの真弓からバース、掛布、岡田の伝説のクリーンナップ。だが本書はキャッチャー木戸、ショート平田を軸とした守りの固さを指摘する。
    各選手のインタビュー、各選手がそれぞれの役割を果たしたことを勝因として挙げる。
    スター選手の仲が悪いのが阪神タイガース。掛布、真弓、岡田などを陰でまとめた川藤の努力も忘れてはならない。初代ミスタータイガースの藤村富美男の最晩年。川藤を誉めに面会に来るところはちょっと感動。
    阪神タイガースの活躍は1年で終わる。まさかバースも掛布もわずか2年後に対談するとは当時誰も思わなかっただろう。
    当時の各選手の成績を見て驚いたのは三振の少ないところ。バース、岡田、掛布、真弓いずれも60個未満。この年三振王の中日宇野でも二桁。こんなところにも時代を感じる。
    プロ野球がこれだけ盛り上がったのも珍しいことだろう。この年に匹敵するのは昭和50年の赤ヘル旋風ぐらいだろう。
    期待どおりに楽しめた一冊。改めてチーム成績を見るとホームランも多いが犠打もリーグ一位だったり監督の意図した守りこそ勝因だったのだと新たな発見もありました。

  • 阪神タイガースが21年ぶりにリーグ優勝し、日本一に輝いた1985年。その一年を選手、監督、ウグイス嬢やグランドキーパーなどの裏方のスタッフの方にまで入念に取材して振り返るノンフィクション。300ページを超える力作で、阪神ファンの方ならあの年で記憶に残る試合はバックスクリーン3連発をはじめとしていくつもあるはず。様々な立場の方が「あの時」を振り返ります。強打で打ちまくり、ダントツの強さで優勝したようなイメージが残っていますが、本書を読んで以外だったのは次の点でした。
    1)優勝したチームは実は前年まで監督をされた安藤氏がその骨子を整え、バース曰く「優勝したチームは安藤の作ったチームだった」
    2)9月に入るまで、前年優勝の広島とのデッドヒートを繰り返し、度々広島に引き離される危機を迎えての僅差の優勝だった
    3)打力のチームというよりは、堅実な守備を誇るチームという認識が選手の間に強かった
    4)スタメンだけではなく、脇役、チームをまとめるベテランなど、選手全員が自分の役割に徹したチームだった

    などです。なんか、どれも最近の阪神タイガースにないことばかりのような気が。6年連続で9月負け越し、そして今日の最終戦も小さなミスを繰り返す敗戦だったしなぁ。

  • 1985年球団初の日本一になった阪神タイガース。当時の監督、コーチ、主力選手の証言を元に激動の一年を振り返る。刻々と変化するチーム状況、随所に散りばめられた関係者の言葉に臨場感が伝わる。今のタイガースはここまで熱いのか?

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