クリスマスの思い出
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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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その知らせは僕という人間のかけがえのない一部を切り落とし、糸の切れた凧のように空に放ってしまう。だからこそ僕はこの十二月のとくべつな日の朝に学校の校庭を歩き、空を見わたしているのだ。心臓のかたちに似たふたつの迷い凧が、足早に天国に向かう姿が見えるのではないかという気がして。
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僕らにとってのいちばんの友達はまったくの赤の他人だったり、あるいはほんのちょっとした縁しかない人たちだったりするみたいだけれど、それはたぶん、我が友が誰に対してもすごく人見知りをする性格であるにもかかわらず、赤の他人に対しては不思議に心を開くことができたせいだろうと思う。
― 37ページ -
「私が泣くのは大人になりすきたからだよ」
― 44ページ
みんなの感想・レビュー・書評
トルーマンと言うと、フィリップ・シーモア・ホフマンの顔が思い浮かぶ。それは置いといて。否応なく厳しい闇を生きてきた人(トルーマン)だからこそ、こういう思い出が美しさを際だたせて永久保存されていたのかも。何度読み返しても同じところで泣きマス。
クリスマスを近づくと読みたくなる。
心を込めたフルーツケーキの作り方がわかるしネ
暖かく切なく、カポーティを好きになる短編。
カポーティの作品の中でも、子供時代のイノセンスがぎゅっと詰まった一冊です。村上春樹氏の翻訳も素晴らしいと思います。
子供の世界をこんなにキラキラと紡げるなんて、カポーティはほんとに繊細ですね!
読むたびに、哀しく、でも暖かい幸せな気持ちになります。あの人のケーキにはレーズンを1カップ多く入れてあげようね、というところが大好きです。
体験をしたことがない生活なのにそれをありありと思い起こさせてくれる文章で美しくほろ苦い少年時代のクリスマスシーズンが書かれている。
7歳の少年と60歳を過ぎたおばあちゃんだけれどいとこと飼い犬の寂しいもの同士が片寄せあってひっそりと暮らす冬の清冽さ。
キンと澄んだ空気の音すら聞こえる気がした。
貯めたお金で作ったフルーツケーキを知人に送り、もみの木を刈り、飾りをつける。
一文一文から浮かんでくるイメージがあまりにも鮮明。
田舎育ちじゃなくても、かつて子供だった私たちならば、誰しも共感できるところがあるのではないでしょうか。
贅沢ができずにお互いに凧をプレゼントするところがすき。
カポーティと言えばティファニーや冷血の方が有名だけど,僕はこの短編がすごく気に入ってしまった。クリスマス前後にぜひ読んで欲しい作品。
僕は初めてこの作品を読んだときにラスト1ページのところでずっと泣いてしまい,なかなか最後まで到達しなかった。なんてことのないクリスマスの日常を描くことが,こんなふうに僕の心を揺り動かすことになるなんてまったく予想もしていなかったので。
ちなみにこの作品は別バージョンの翻訳として,「ティファニーで朝食を」や「誕生日の思い出」にも収録されている。
とても美しく悲しいお話。
翻訳をした村上春樹さんがあとがきでも書いているように、誰しもが成長していくに従って無くしていく「イノセンス」を、カポーティが大切に本に著したもの。村上氏曰く、この作品がカポーティのその種の作品の中の頂点であろうと。
主人公の少年と歳のうんと離れたおばあちゃんいとこのこのお話は、すっかり大人の能力を身につけてしまった者には、なんとも懐かしく物悲しく、何度も読み返したくなる秀作だ。
大好きな山本容子さんの銅版画も、丁寧に作品にそって描かれていて本当に美しく、一冊の本として、本当に素敵な作品だと思う。
山本さんの銅版画の裏が白紙で統一されていることも、この本を素晴らしくしている一つの要因かな。
手元に置きたくて購入。原文も読みたくて洋書版も購入。
ちょっと大人向けの、クリスマスをモチーフにした短編。
作者自身の失われたイノセンスを描いています。
美しすぎて胸が締め付けられるような感情を描かせたらカポーティの右に出る者はいません。
山本容子さんの見事な銅版画がそっと寄り添っています。
山本容子の版画と村上春樹の翻訳。目と心を潤す美本。
本書と対をなす先品「あるクリスマス」に、子供の残酷な一面があるとすると、こちらは率直な子供らしさに満ちた作品。「美しい」という表現が何度使われたか、どんなことに使われたか、よくよく気をつけて読んでみて。胸が詰まります。
家族のぬくもりや子ども時代の幸福、それから他人の幸せを思いやる心とか
そういうのを思い出すための1日は、絶対にあっていいと思います。
村上春樹の訳と、山本容子の挿絵もとても素敵です。
山本容子さんの挿絵が気に入って
ジャケ買いした本です。
が、その頃は村上春樹を読む気がせず
15年以上も積読生活を送っていました(不憫・・)
で、最近、読んだわけですが
心打たれる内容でした。
この手の純粋さを持ってる人に
私はとても弱いので、グッときました。
幼馴染みのことや
あとなぜかハックルベリーフィンを思い出しました。
無垢な7歳の少年バディーと、社会からは外れてしまった童女のような六十歳のスック、犬のクィーニーのクリスマス。
こういう、決して派手ではないし、裕福でもないかもしれないけれど、一日一日を大切にしている人のお話は結構好きだ。凧を揚げながら何か大切なものに気付くシーンが、とても印象的だった。
少年のひと冬の思い出です。苦しかったり、空しくなったり、心が弱ってしまった時に読みました。そのたびに、心が満たされました。私にとってかけがえのない作品です。
カポーティってあんまり。。。という人にもおすすめの一冊。
失われてしまったものをひっそり思い返している少年の語り。
村上春樹特有の文体と山本容子の味わい深い銅版画が、とてもせつない。






