リブラ時の秤 下

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163125800

作品紹介・あらすじ

「憎しみだけが、俺たちの強みなのさ」リー・オズワルド、ジャック・ルービー、CIA秘密工作員、亡命キューバ人…。逃れようもない渦に呑みこまれ、抗いきれない何かに突き動かされて、彼らはケネディを待った。狙撃者のつぶやき、そのわびしい汗の匂い、病んだ体熱。-鬼才ドン・デリーロの精緻な小説構造の中で、暗殺者が再び黒いロンドを踊る。

感想・レビュー・書評

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  • この本を読んでいるとリー・ハーヴェイ・オズワルドという男がとてつもなく愛おしく思えてしまう。オズワルドという男は夢想家であり、自分に都合良く未来を夢見て、それに向けて本人なりの努力もするのだけれど、そんな努力は現実の前にはほぼ無意味であり、それでも夢想し続け漂流し続けた結果ケネディ暗殺計画に絡め取られケネディ大統領暗殺犯として死んでいった。その滑稽なまでに悲しいオズワルドの人生の顛末が二十世紀最大のミステリーを私たちと同じ人間が織りなす愛おしい物語へと変えている。

  • どうにもデリーロだった。良い意味で。

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著者プロフィール

1936年、ニューヨークに生まれる。アメリカ合衆国を代表する小説家、劇作家の一人。1971年、『アメリカーナ』で小説家デビュー。代表作に、本書『ホワイトノイズ』(1985年)の他、『リブラ――時の秤』(1988年/邦訳=文藝春秋、1991年)、『マオⅡ』(1991年/邦訳=本の友社、2000年)、『アンダーワールド』(1997年/邦訳=新潮社、2002年)、『堕ちてゆく男』(2007年/邦訳=新潮社、2009年)、『ポイント・オメガ』(2010年/邦訳=水声社、2019年)、『ゼロ・K』(2016年)、『沈黙』(2020年/邦訳=水声社、2021年)などがある。

「2022年 『ホワイト・ノイズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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