- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163180700
作品紹介・あらすじ
人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜と倫理のはざまで揺れる日々。目指すは、僕の王国-世紀末の虚無の中、「神の子」は暴走する。第119回芥川賞受賞。
感想・レビュー・書評
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修道院兼教護院(少年院予備校?)における、甘さを剥がした青春&宗教の物語。過激なシーンの連続だが読み出すと止まらなくなる。主人公をはじめ登場人物の描写が秀逸。1998年上半期芥川賞。
花村さんは凄い作家です。25年も前の作品ですが、いま読んでも色褪せていません。ただ、過激なエロスとバイオレンスが苦手な方には非推奨です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
僕はその浅ましくも切実な動作に、灼かれる教子の裸体を見た。
教子は灼かれたいのだ。
罰されたい。
打ち据えられたい。
神の鞭で犯されたい。
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閏日。
その存在の定かでない
漠とした
ぼんやりとした。
在るのかないのか
居るのかいぬのか。
雪。
障子越
ほのかに。
春。 -
この本が芥川賞を取って話題になっていたので、手に取った本。
まだまだ読書スタートしたばかりに読んだ、駆け出しの読書好きにはテーマが重すぎた。ただただ難しい、読みにくいなぁという印象で、内容はうすら覚えしかない。
また機会があれば読んでみたい。
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とにかくえぐい。なんか触感とかニオイとかが伝わってくるような…
キリスト教をテーマにしてるけど、肯定的というよりは否定的。生々しいので物凄く好き嫌いの分かれる文体だと思います。 -
表紙がエグイ。
内容もエグイ。
嗚呼、でも読み進むのが少しも苦ではないのはどうして。
伝えたいことだの、本質だのよりも。
精液や糞尿や腐乱死体や、一切合切のものの匂いがしてきそう。
活字と活字の間から。
読んでいる自分の表情が歪むのがよくわかりました。
読むのを休むために、本を閉じると表紙の異形と目が合う。
と思ったら目がない。
ぎゃー。
痛い痛い痛い、やめてー、と心が叫びます。
とても。
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2022.12.20読了
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同じようなグロテスクをただひたすら繰り返すだけの、辟易さ。
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2022.04.14 図書館
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長大な物語となる『王国記』の始まり。汚物、死体、腐敗、暴力の描写が圧巻。我々は綺麗な物しか見ていないし読んでもいない。あらゆる物を通して神はその向こうに佇んでいるのだろうか。
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再読。エロスとタナトス、聖と俗、理性と本能、それぞれのコントラストがこれでもかというほどの露悪的な言葉で表現されている。今となってはやや定型化されているキライもあるが、最初に読んだときは衝撃だった。結局、ここから『王国記』にはまだ進んでいない。