ひとりぐらし

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著者 : 藤堂志津子
  • 文藝春秋 (1999年9月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163186405

ひとりぐらしの感想・レビュー・書評

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  • 短篇集。
    どれもそこそこの年齢の女性があれこれ考えながら自分の道を突き進んでいっている。
    自分がこうと決めたら、迷わず進めるっていいな。

  • ・初美
    初美(46)。夫とは若くして死別。娘は嫁ぎ、独り。たくさんの男とデートをし"つまみ食い"して生きている。行きつけの飲み屋の客、嫌な奴円香(52)の男を寝取り、したり顔。

    ・性欲
    柄美子(32)の兄・正樹(38)は職に就かず女に貢がせている。母トシ子も溺愛して甘やかす。柄美子は正樹に執心の照世(35)を説得しようとする。やがて金が続かなくなった照世は……。

    ・家路
    日菜子(22)。会社勤めのかたわら酒場でバイト。全ては家を買うため。持ち家にこだわるのは叔父夫婦に育てられた環境によるのかもしれない。いい物件を見つけて止まらなくなってしまう。ウソをついて金を集めて……。

    ・求婚
    伊沙路(39)は良平(36)にプロポーズされた。共通の知人から聞き取るに、良平は財産があって両親のいない女性が夢だとのこと。財産はないが伊沙路は両親を亡くしたばかり……。

    ハッピーにはなれないけれども、腹を括って図太く生きていかないといけない、ということか。

  •  ひとりぐらし、って「ひとり」ではできない。
     そこに「くらし」という言葉が付く以上、常に周囲に自分「ひとり」以外のものがある。友達、恋人、家族…さらにカネやモノが絡めば色々なコトが起きる。そんな色々なコトに巻き込まれながら、敢えて「ひとり」であることを選択する、選択せざるを得ないときってどういうものなんだろう。決して「ふたり」や「みんな」にはならない、なれないことを思い知らされるとき。
     
     様々な事情を抱えながら、ひとりぐらしをする女性主人公を描いた短編集。
     未だ経験したことのない“理想の家族像”みたいなものに憧れる主人公を描いた『家路』が面白かった。
     理想を追い求め、周囲の人間とも上手く付き合い、日々の暮らしが順調に進めば進むほど、逆に主人公の「女」であることの意味が本人の自覚とは無関係に大きくなっていく。ウブで悪気はないことが逆に様々な思惑や誤解を生み、結局は理想とはかけ離れた「ひとり」であることに収斂されていく。収められた物語のなかで唯一恋愛やセックスが描かれない分だけ、情愛や肉感が排除されてる分だけ、「ひとりぐらし」の風景が鮮明に描写されていると思う。読後に残るのは、悲しさや寂しさとも違う、乾いた空虚な気持ち。
     「ひとり」が「くらし」ていくこと、生きていくことは、そういう乾いた空虚さを積み上げていくことなのかもしれない。
     
     

  • 短編小説。恋人同士とは限らない恋話の割には、全然色っぽくないんだけど、幸せ度に比例するのかな? と考えさせられる。心の拠り所を得ようとする主人公達の、でも思い通りにならないさまに、やり方が違うと反発したり、もっといい方法があるのでは、と思わされたり。でも、周りを道をしてもいつか辿り着けそうな、心の根の優しい主人公達に、エールを送りたくなる。

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ひとりぐらしの作品紹介

愛娘に去られたせつなさに"男のつまみ食い"をくり返す初美、女たらしの兄と同居するのがいやで、実家をとび出した柄美子、念願のマイ・ホーム購入を決心し、夜のバイトに明け暮れる日菜子、四十歳を目前に憧れの男性からプロポーズされ、戸惑うひとりっ子の伊沙路。-このひとりぐらしは、通過点?それともゴール?「ひとり」を選びとる四人それぞれの心もよう。

ひとりぐらしはこんな本です

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