- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163208909
感想・レビュー・書評
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初めてカポーティを読んだ。
少年時代の無垢で純粋で傷つきやすい心情が見事に描かれている。全体的に物悲しいけど、ミススックといううんと年上の親友とクリスマスの準備をしたり、凧を贈り合う場面は幸福に満ちていて温かい気持ちになった。
カポーティはアルコールや薬に溺れて生活は荒れていたようだけど、この様な小説を書けるのは、少年の頃の気持ちがずっと自分の一部として強く残っていたからだろうか。
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何この日常系のネタは。という、勝手に想像するアメリカ人の普通っぽい暮らしを描写しているだけ、って気もするのにいや嫌いじゃないな。要はどういうふうに表現して伝えるかがポイントで、無闇矢鱈に面白ければ良いってわけじゃないんやなー、って、勉強になるじゃないか。
スックさんのお話とかだからどうしたっていうのか、みたいな話なのに、でも好きだわ。逆に微妙に不可思議系に持っていったヴィンセントさんの話はイマイチだったなー。まぁ偉そうに言うわけだけど。 -
カポーティの、あたたかいタイプの作品が多く収められていた。
過去を懐かしむような、純粋で無垢な人物が出てくる作品。
他の訳者で読んでいた作品もあったが、村上春樹訳は読み易いと感じた。
「おじいさんの思い出」は切ない。
誰も悪くない。
過ぎた過去は戻らない。
悲しい。 -
せつない。
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20151105
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名作
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ちょうどクリスマスの頃に読んでいて、タイムリーだった。70歳の遠い従姉妹の親友がいる少年三部作みたいのが心温まりました。
ただちょっとカポーティの作風は、自分は苦手だ。特に誕生日の子供たちはそんな終わり方?みたいな。終わりきれないから殺したようにしか思えなかった。文章がすばらしいからその力だけだよなあと思ったり‥‥物語性というか、全体のバランスが不安定な感じがして、苦手です。 -
村上さんが付けた訳の言葉がどれも洗練されていて素敵
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表題作を含む短編集。最後の「おじいさんの思い出」だけは、カポーティの真筆かどうか疑問の声があがることも納得できる程、他の5編の比べて質が劣る。
他の5編については、思い出を淡々と述べているようでいて、心にがつんとくる台詞や場面に、次第に物語りを築き上げていく手腕は、本当に見事で美しい。