星々の舟 Voyage Through Stars

著者 :
  • 文藝春秋
3.53
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本棚登録 : 2000
感想 : 362
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163216508

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めたら以前にも一度読んだことがあることに気付いた。一組の兄妹の話が背景となるが、その家族のそれぞれの生きていく上での思いが描かれる。辛いことが多いが、それを飲み込みながら人は生きていく。

  • 縁あって同じ舟に乗り合わせた家族の物語。

    各章ごとに主人公が代わり、それぞれが深い闇を持つに至る話が綴られています。

    血の繋がりを知らず、同じ舟に乗り合わせてしまったが故に、気持ちを通わせることを許されなかった兄妹の話は切ない。

    最後の、この家族の中で誰をも押さえ付けていた父の戦争の話には、考えさせられるものがあった。
    家族に対して父にどうしてもそうせざるを得なくさせた彼の体験、その恐ろしさ、それはやはり誰もが知っていなければならないことなのだと思う。

    どの話も、それぞれの話が明らかな結末を見ずに終わり、その先の章で、さらりとその結果が述べられているというその余韻の残り方が良かった。
    良い本でした。

  • ▶︎購入2016/08/22
    2016/08/28-
    雪虫:母親ってなんて悲しい生き物だろう。母親はこんなに多くのものを子供に与えることができるが、子供は何一つとして返すことができない。

  • 素晴らしい大作。

  • 連作短編。一家族の一人一人が一編の主人公。
    「雪虫」:次男が主人公。
    「子どもの神様」:次女が主人公。
    「ひとりしずか」:長女が主人公。
    「青葉闇」:長男が主人公。
    「雲の澪」:長男の娘が主人公。
    「名の木散る」:一家の主が主人公。
    複雑な家庭。痛々しい。

  • 何冊か読んで、村山由佳は自分には合わないんじゃないかなーと思って、しばらく遠ざかっていました。ふいに自分のなかで、「直木賞作品フェア」が開催され、久し振りに村山作品を手にする運びとなりました。

    おもろいやんけ。

    気だるげな空気感、卑近な暮らしが過去と絡み合いながら垂れ流される。生きるしかない人間の浅ましさとか、図々しさとか、キラキラしてないものが詰まった一冊。一雫の朝露みたいなキラキラも、ないではないよ?

  • 家族のそれぞれが抱える問題や心象がオムニバスで語られる形式で比較的読み易かった。

  • 父、母、養母、4人兄妹。
    兄妹の報われない想い、他人の男ばかり好きになる妹、幸せな家庭なのに息苦しい兄、父の戦時記憶。
    家族それぞれの葛藤と折り合い。

    もしかしたら数年後、ふと思い出す話がありそう。そしてその時はタイトルがわからなくてもどかしい思いをするだろう。そんな印象の本。

  • 空気が最高、心に響く悲しさ

  • 父重之の話しが泣ける
    前妻晴代と後妻志津子の章もあったら良かったのにと思った

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著者プロフィール

村山由佳
1964年、東京都生まれ。立教大学卒。93年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞。『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞受賞。著書多数。近著に『雪のなまえ』『星屑』がある。Twitter公式アカウント @yukamurayama710

「2022年 『ロマンチック・ポルノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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