約束の冬(上)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 215
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163218205

作品紹介・あらすじ

「十年後、僕は結婚を申し込みます」。見知らぬ少年の手紙にはそうあった。出会いと別れ、運命の転変、人が生きる拠り所とは何か?生きる勇気を与えてくれる傑作長篇小説。

感想・レビュー・書評

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  • 面白いです。宮本輝さんの博識さに感じ入りました。何故か読んでいて、心が穏やかになるのを感じます。下巻での展開が非常に楽しみです。

  • 10年前、主人公の女性は見知らぬ少年にラブレターを渡される。
    10年間忘れ去られていたそのラブレターには、
    「10年後の12月5日、蜘蛛が空を飛ぶ場所であなたにプロポーズします」
    と書かれていた。
    実はその少年は、主人公が長年空家にしていた家の向いの住人だった。

    物語は主人公と彼女の向かいの家に住む少年の父親と2人の視点から描かれている。
    この話を読んで思ったのは、こんな「大人」に囲まれて日々生活できたらどんなに幸せだろうという事。

    大病を克服して強く生きる友人。
    品位と教養のある初老の男性。誠実な青年。
    生きがいある仕事に打ち込む弟。

    淡々と結末の出ないまま終わった話だけどいいなーと思った。

  • 平成30年3月

    読書から離れて、久しぶりに本を読み、これで、二週間で3冊目。

    主人公が…。だれ??
    っていうくらいいろんな人の話が複雑に絡みあいそうな。
    たぶん、主人公だと思う留美子さん。その子が22歳の時に、15歳の初めて会う少年からラブレターをもらう。10年後にまた会いましょう。結婚しましょうって、のが始まりですが、それ以外のことが多くてなんて感想を書いたらいいのかな~
    その少年の父親の話から、その父親と留美子さんが出会い…。さーて、どーなる。

    「つまらない男と結婚して、それによって生じる多くのつまらなさを我慢して生きることくらい女にとっての不幸はないんだぞ」
    本当ですよ~~。男女差別するわけではないけど、やっぱり女の人は、男に尽くす。男に頼る。だけど、それに値する男でなければ、もったいないです。不幸です。

    「未来はためらいつつ近づき、現在は矢のように早く飛び去り、過去は永久に立っている。」
    シラーの言葉みたいなんだけど、確かにって思うよね。なんか心の残ります。未来ってすぐそこでもなかなか来ないよね。それが嬉しいことでも、悲しいことでもね。そして、過去って、そのままなの。立ってるだけなの。だもんで、その過去が後悔しない過去にしないとね。

    「徒然草の一句から、『よくせざらんほどは、…。』自分は今修行中で半人前だから、もっとうまくなってから、お客様にお出しできるものを作ろうなんて考えているやつは、いつまでたっても一人前にはなれない。恥をかいて、叱られて、それでもめげずに舌の肥えたお客様に料理を作り続けたやつだけが、あるときぱっと一皮も二皮もむけるってことみたいたい。」
    なるほど~。確かにね、やっぱり自分たちの仕事でもそーです。恥をかかないと、叱られないと。。一人前になれない。たしかに~~

    さーてと、留美子さんとその彼の父親とそしてその人たちを囲むそれぞれの人たちと下巻でどーなるのかな~~。
    蜘蛛が空を飛ぶ。飛行蜘蛛。どーなるのかな~~。

    • ma05072001さん
      女性のみんながみんな、尽くすわけではないですけどね。よくわかってるとおもいますけど。
      こんどは、しっかり怒ってあげることが、あなたの役割で...
      女性のみんながみんな、尽くすわけではないですけどね。よくわかってるとおもいますけど。
      こんどは、しっかり怒ってあげることが、あなたの役割ですよ!
      お仕事がんばってください。
      2018/03/23
  • あぁ~。良いねえ。良質の小説を読んだ感じがあるねぇ。
    ゆっくりゆっくり、味わいながら読んでます。

  • 留美子と俊国はどうなるの?
    鮎子さんは調子悪そうだけど大丈夫?
    桂二郎さんは?
    小巻は?

    下巻の予想がつきそうだけど、裏切ってくれそう。
    宮本さんの本を今回初めて読むので、よりいっそうどんな終わりがあるのかわからない~。

  • 感想は 下にて

  • 芥川賞とか純文学といった言葉は宮本輝さんのためにあるような気がします。読み応えがあって、読後に深い余韻が残ります。もっとも最近の宮本文学はすっかり変質してわけがわかりませんけど・・・。

  • 宮本輝の小説には良く魅力的な男女が登場する。つい、自分と比べてしまいう。つらい。

  • 宮本輝の作品に出てくる女性はみんな素敵。

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著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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