杖下に死す

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著者 : 北方謙三
  • 文藝春秋 (2003年10月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163223001

杖下に死すの感想・レビュー・書評

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  • 光武利之。僕にとっては一杯飲み屋の親父であるのだが、本作においては2本刺しの武士であった。本来ならこの作品を先に読み、その後「独り群せず」を読むのが普通なのだが安価で仕入れる僕に順番は関係なかった。それよりも逆転のパターンの方が面白くも感じられた。

    「杖下に死す」

    「独り群せず」ではあの土方歳三にもう二度とやりたくないと言わせた元旗本である。お庭番筆頭の村垣家の家に生まれた利之の大塩平八郎の息子格之介との友情を描いた作品。友を制することなく行かせてから自分が後始末的なところがあって少し?的な感覚になるのだが、やはり武士の世界とはこんなものなのかもしれない。

    それにこの作品がこんな展開でなければ、自作への繋がりが見えてこないから不思議である。それに自作の中で暗殺されてしまう内山彦次郎との関係も面白い。新選組の4人掛りに相対しながらも仇を討とうとする利之の気持ちもこれを読んで初めて理解できる。

    実は両作品とも読み直しをしているがやはり前後半を逆転していたほうが面白いかと!

  • 「林蔵の貌」とも微妙にリンクする、江戸中晩期モノ三部作の一つ。
    時期的に「楠木正成」等残照感溢れる、「武王の門」以来続いたアツ過ぎる歴史ハードボイルドに食傷気味だった時期に敢えて読まなかった一作なのだが、刊行当時に読まなかったのが非常に悔やまれた。

    国家権力に「ことば」と「正義」で立ち向かおうとする大塩平八郎、父の苛烈すぎる「知行合一」と漠然と拡がる現実と大阪の底深く沈む闇との間で苦悩する息子の格之助の相克、そして独りの男として、たった一人の友として、剣を通じて友を救いたい主人公・光武利之の揺れる想い。
    さらに、脇を固める内山彦次郎の利之や格之助に対する「悪党にも善人にもなれぬ屈折した想いと憧れ」、そして仙蔵やお勢や居酒屋・数田屋の親父との血の通った、形は違えども心の通った「繋がり」。

    そしてそんな想いや暖かさを嘲笑うかのように背後に見え隠れする「国家権力の闇」、そして捨て身の大塩親子の決起すら権力闘争の都合のいい道具にされ、そこに残ったやり場のない虚無感。
    後の刊行となる「水滸伝」にもテーマが繋がる、人の温かみのある「ハードボイルド」、そんな新機軸が滲み出た一作です。

  • 大塩平八郎の乱の話。
    珍しい題材に食いついてみれば、私が食われる勢い(あぁぁ
    利光が主人公というコレもまた珍しい主人公。(利光は村垣御庭番の外子との設定。
    すげぇぇぇ。頭からぱっくり。そして、どっぷりですよ(へへへ

  • 「男の死に様、すなわち如何に生きるか」を普遍的なテーマに幕末大阪、四年来の飢饉は世相を文体を暗くし、主人公と大塩らの与力の葛藤を描く。

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