FLY

著者 :
  • 文藝春秋
3.21
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本棚登録 : 62
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163227702

作品紹介・あらすじ

恋人を目の前で殺された男が犯人を執念で捜し続ける。15年の歳月の果てに判明する衝撃の真相!気鋭の乱歩賞作家が、心の絆の強さを問う、長篇ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 欲張りすぎた? 未消化

  • 転校間近に動き出した恋。気持ちを確かめあった二人を引き裂いたのは、ある男の凶行だった。
    事件から十五年が経過しても消えない復讐心を持ち続ける男と、巧妙に逃げ続ける男…。

    当事者よりも周りの人間目線から進んでいくので、読む前に想像していたのとは少し違う流れでした。
    面白くなかったわけじゃないんだけど、もうちょっと意外性があったら良かったかな。
    劇的な展開や驚愕の秘密を期待していましたが、わりにすんなりと終わりました。

  • 約10年間の時間の流れ。、殺人依頼・密告・レイプ…恋人が目の前で殺されたボクシング部の高校生を中心に物語が展開。一番悪いのは、同級生の記者

  • ひたむき、という言葉の存在を思い起こさせられた。
    物語が最初の展開を迎えるまでに結構長いのだが、それは苦にならない。何かが起こるのではないかというざわめきは飽きず、田舎の高校生活風景はそのざわめきに対比するように意外と瑞々しかったりする。
    大事件が起き、主人公である向井が復讐の鬼と化す時、敢えて、物語の進行は向井と全く関係のない青年を中心とする。
    人々の因果関係や事件の真相が徐々に見えてくる感じはまさにミステリーを読んでいるという実感を与えてくれた。
    物語の真相は少し押しが弱いと思う方もいるかもしれないが、なるほど、とは思った。そして珍しく、切ない愛だな、と。
    向井にとって、きっと読めたよね、読めたよね、と希望にすがりたくなるような結末。しかしすがれる希望がある結末。
    そして俊介というあの青年は、おそらくこれから希望に向かっていくであろうと予測できる結末。
    少々ネタバレ風になってしまったかもしれないが、物語の具体的なことには一切触れていないので大丈夫かな……?
    ぜひ!

  • 高校生の向井広幸の母が亡くなった。
    離婚していた母、祖父と二人になるが、父の元で暮らすことになった最後の夏休みに広幸の人生を狂わす出来事が起こる。

    好きな女の子、その女の子を好きな男子学生、そして指名手配中の男、戸浦と歌の練習をしていた女の子。
    それから、慌ただしく東京へ引っ越していった。
    そして、広幸の目の前で好きな女の子が戸浦に殺された。
    指名手配中の戸浦に復讐を開始・・・。

    視点が向井広幸に興味を持つ藤代俊介になる。
    どんな関係があるのか、何があったのかとどんどん読み進む。


    藤代の興味の持ち方が希薄だったり、向井の執念が異常なのか、正常なのかも希薄さを感じる。登場人物たち全体に中途半端さが漂っている。
    これでもかと言うほど、不幸になっていく登場人物たち、気分を下げたい人にはよいかもしれません。
    動機や行動には違和感が否めないが、良しとしよう。
    上下二段の長編ではあったが、長さを感じさせない作品でした。

  • 復讐劇。
    かと思いきや、3人の自己中による殺人劇。
    吸い込まれるような登場人物がいないためか、あまり引き込まれなかったなぁ。
    前半は北九州の若松が舞台で、とっても懐かしかったです。
    船で学校に通っている友達がいたなぁと。。
    北九州弁も活字でみるとかわいい!改めてうれしく思いました。
    ノスタルジーで星3つ。。。
    北九州出身の方、お読み下さ〜い。

  • 15年前に起きた、殺人事件を発端に、執拗に何かを追い求めてきた、向井が最終的に掴めたものは何だったのだろうか。そして、何を犠牲にしてまでも、自分の夢を追い求めてきた美咲が得られたものとは?それぞれが、永いこと背負い続けてきたものは、あまりにも、重すぎたのではないだろうか?

  • 殺人犯への恨みは怖いなと感じた。
    目の前で恋人を殺されるなんてヤダ。

  • 読みやすい文章で、引き込まれるところもあるのだけれど、あまり強い印象のない作品でした。

  • 題名をなぜ"FLY"にしたのか...謎。なんか話とたいして関係していないよな気がして、どうにも引っかかる...。作中の歌のタイトルものだとは分かるけど、作品の内容とは不釣り合いだと思う..。

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著者プロフィール

しんの・たけし。1965年東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。旅行会社勤務を経て、99年『八月のマルクス』で第45回江戸川乱歩賞を受賞。直木賞候補となった『あぽやん』は、その続編『恋する空港 あぽやん2』とともに、テレビドラマ化され話題に。同シリーズは『あぽわずらい あぽやん3』で完結。著書は他に、『中野トリップスター』『カクメイ』など。

「2022年 『明日はきっと お仕事小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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