半島

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著者 : 松浦寿輝
  • 文藝春秋 (2004年7月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163231105

半島の感想・レビュー・書評

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  • 地理的に隔離され、現実から浮きあがった不思議な世界。そして、そこに?生息?する人々。安部公房の『砂の女』を思い出した。手前の駅、川の向こう側、もしくは道路の向こう側でもいい。ちょっと足をのばすだけで我々も同じような体験ができるかもしれない。

  • 30代以降の中高年のための童話。詩人でもある著者らしく、時に妖しげに美しい描写がある。単行本の装丁は名品。近年にないでき。

  • 私の評価基準
    ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
    ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
    ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
    ☆☆ 普通 時間があれば
    ☆ つまらない もしくは趣味が合わない

    2012.9.2読了

    小説は、物語それ自身がおもしろいかどうかと、その小説ならではの雰囲気をもっているか、その世界を作り上げているかが大切だと、ミステリーのレビューでは、いつもそう書いているが、たぶん、ミステリーではないこの作品を読みながら、やはり同じことを思っていた。

    この小説では、物語のおもしろさは、何ほどのこともなく、作者自身もそのことは、あまり気にかけているわけでは無いのだろう。
    しかし、その小説世界を構築することにかけては、余程、注力されていて、そして、洗練されている。
    そのため、それほど読みやすい文体ではないが、しばらく読んでいるとスッとS市の半島の中に引き込まれ、その暗い道や通路を歩いていることに気付く。
    そして、その物理的な位置、それは町の中の位置や建物の中の位置、または時間軸上の位置をすごく巧みに操っていて、何時の間にか、妖の世界に足を踏み入れている。
    それは、あたかも作品の中に書かれているお化け屋敷の見世物小屋、それもうんと高級なやつに入って見たようだ。そこには、さすがに高級な仕掛けや上質な陳列物が置かれていて、かすかな酔いにも似た心地が味わえ、それなりに楽しめる

    しかし、読後には、やはりお化け屋敷を出た後と同じような感慨しか残らないのが、少し惜しまれる。

  • 夢の中みたいな。

  • 瀬戸内海に面する架空の街・S市の、南に突き出した小さな半島が舞台である。
    大学を退職し迫村がふと昔を思い出して訪れ、しばしの住処とするところから物語ははじまる。

    S市の中心部と繋がる橋を渡ってしまえば、半島はあるところから時間が止まったような佇まいをみせる。一見するとうらぶれた静か過ぎるほどの場所である。
    しかし知るほどに 混沌に迷いこんだような 不可思議な心持ちにさせられるのである。
    それは喩えて言うならば、遊園地のお化け屋敷のような平面では捉えられないような不思議さのようなものであろうか。

    この半島で迫村が経験したこと自体が、現実のことなのか それとも 人生の一時期――進むことも戻ることもできず、足もとが心もとなくなるような――の拠り所をどこに求めていいのか戸惑う不安定な心持ちが描き出した幻想なのか、それさえも判然としなくて 幾重にも不可思議さが重なったような一冊だった。

  • 日常と非日常。ここは主人公迫村にとって非日常だが、周囲の人間にとっては日常。話は淡々と進んでいく。なんとなく、境界の世界を感じさせる。遠く異国へ旅をしていたときに感じた感覚を思い出した。視点は現代小説ながら、一昔前の、純文学的でもある。

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