蒼煌

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 69
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163233703

感想・レビュー・書評

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  • 日本芸術院会員選挙の票取り合戦のお話。

    選挙は京都画壇を代表する日本画家、室井と稲山の一騎打ちに。

    各画家の選挙参謀を務めるのが老舗画廊の殿村と、老舗デパート美術部の吉永。

    室井は強烈な出世欲を発揮するのに対し、稲山は温厚な人柄と相対する印象。

    本人の攻防もさることながら、選挙参謀や室井の女たらしの腰巾着画家・大村などが奔走し、票をとるための大金が舞う。

    日本画界の出世や、展覧会の口利きなど、絵が正当に評価されていることがないのかと思うほど、汚れた美術世界を描いている。

    芸術院会員の権威を得るために熾烈な選挙活動をする本人と取り巻きの心情を描いているところは秀逸です。

    また美術作品が政治に利用されていることも鋭く描いていると思います。

    結末もただで終わらせないところがまた渋い。

    「文福茶釜」に続く美術関連テーマの作品でした。

  •  

  • 2015.7.26

  • 日本画画壇の世界をもしかしたら、忠実に描いているのか、それとも全くの虚構で描いているのか判別がつかない。絵に関する知識も興味もないのがその原因と思うけど、ドロドロした世界に驚く。70歳はまだまだ若輩者と扱われるのにも、驚く。大家には長命な画家が多いのは、こうした激烈な権力争いを勝ち抜いたからかもしれない。

  • 2015.5.26
    書庫 913.6クロ

  • つまらなかった。
    他の作品の方が良い。

  • 日本美術界の裏側。いつも読む黒川作品とは多少毛色が違ってはいるものの、裏側のキナ臭さは変わらず健在。実際似たようなことが起こっているならば、、、文化勲章とか功労賞とかいろいろあるけれど、これから違った見方で見ていそう、、、。

  • 京都画壇の権力抗争物語。
    とにかくじいさんしか登場しないストーリーで、まったく華がない(笑)
    スパイスを効かせようと、若手の不倫話を盛り込んであるものの、その若手と言ったって47歳。
    47歳にしちゃ元気だけど所詮おじさん。
    お得意の派手な乱闘や博打も出てこず、珍しくとても地味な作品。
    ひたすら金をばらまき根回しに奔走するので、登場人物がやたら多い。
    しかも全部美術家なので、名前が難しくめちゃめちゃ読みにくかったです。

    ただ、ストーリーは美術界の「白い巨塔」といった趣で、
    男の世界の持ちつ持たれつ感を痛烈に表わしていて、地味な割に面白かった。
    画壇というのも案外生臭いものなんだなとよくわかります。

  • 芸術院会員の座を狙う画家たち。
    名誉を手中に収める為の手段とは・・・
    美術の綺麗なイメージとは裏腹な部分を書いた作品。
    どんな世界でも、陰ではこういうことが起こっているのだろうけれど・・・

  • こんな嫌な主人公達なのに、最後はどうなるのだろうか、気になって仕方がなくなるなんて。黒川博行恐るべし。

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著者プロフィール

黒川博行
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻科卒業後、会社員、府立高校の美術教師として勤務するが、83年「二度のお別れ」でサントリミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞を受賞、96年『カウント・プラン』で推理作家協会賞を、2014年『破門』で直木賞、20年ミステリー文学大賞を受賞した。

「2022年 『連鎖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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