家族芝居

著者 :
  • 文藝春秋
3.50
  • (4)
  • (5)
  • (9)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 49
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163237602

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 北大の青テント!
    自分の中に向こうのストーリーが出来上がり過ぎていて、こちら側との関係をつかむのに苦労した。
    やっぱり続きが読みたくなる、魅力的な登場人物たち。

  • NPOとして老人介護施設の八方園を営む、昔はアングラ劇団のスター俳優だった善男と、そこで暮らす婆様達の家族芝居。ゆるゆると話が進んでいきあっと言う間に終わってしまった。事件らしいこともあるけれど、善男のテンションが高いのでいつもの様に見えてしまう。でもやっぱり家族芝居。それにしても、メインの人物たちのスペックが高すぎる。

  • 8月下旬に朝日新聞に掲載されたコラム「著者に会いたい」で、近著『おれのおばさん』が取り上げられていた。その中で、2005年に発表されたこの『家族芝居』が、実は『おれのおばさん』の前編にあたると聞いて読んでみた。『おれのおばさん』も感銘を受けた作品だったが、この『家族芝居』もなかなか良い。おれのおばさん(恵子)の別れた夫(善男)が中心に据えられた話は、プロローグとエピローグにはさまれた3編の物語と短い挿話で構成されている。どの時点からこの物語群を読むのかで印象が変わるかもしれないのだが、個人的には『おれのおばさん』を読んでからで良かったと思う。たくさんの登場人物に、それなりにきちんとしたキャラクターと歴史が与えられているので、どの人物からでも物語が書きおこすことが出来そうだ。綿密な計算があるのかもしれないが、今後とも色々なサブストーリーが飛び出しそうな展開で楽しみ。佐川さんはこの作品中の「弔いのあと」を含めて、もう何度も芥川賞の候補作品を書いているのだが、これだけ着実なストーリー展開と巧みな人物描写の技術を持っているので、そろそろ受賞してもおかしくないのではないだろうか。

  • 善男さんは、どうして役者への道を断念して婆さんたちの世話をしているんだろう?医者志望のアキラ君は上京して浪人生活を始めるべく、新宿区上落合の「八方園」を訪れた―――――久々にミステリのない小説を読みました。ミステリ小説は「仕掛け」という餌に釣られて、間がどんなに楽しくなくてもイヤデモ読み進めることができるんですが、そうでない小説はノレなかったらオシマイという、偏った個人的考えを持っていたのですが、この小説は"アタリ"でした!もう"アタリ"本を引けばこっちのもので、こうなるとこの手の小説は前編通してホワホワ暖かくて読んでて心地が良かったです。登場人物が賑やかでユーモラスでいいし、やっぱり一番は善男と八人の婆さんたちのやり取りです。善男さんの科白毒舌過ぎです(笑)→「天にまします我らが父よ。今宵もわれら八方園の婆ぁどもに、この地上においてはもはやなにひとつ役に立つこのない八方ふさがりの婆ぁどもにさらなる不毛な一日をお恵みくださりましたことを感謝いたします。願わくは、ここにおります婆ぁどもを一秒でも早く、そしてまた一人でも多く、あなたのお側に召されませんことを、アーメン!」

  • この作家さん好きです。
    もっと評価されてもいいとおもうんだけどなー。

  • 2007年3月7日(水)、読了。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

1965年、東京生まれ・茅ヶ崎育ち。北海道大学法学部出身。在学中は恵迪寮で生活し、現在は埼玉県志木市で暮らす。2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞。2002年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞受賞。2011年『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞受賞。

「2021年 『満天の花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐川光晴の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×