- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163239804
感想・レビュー・書評
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「CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。」
再読。
『死神の浮力』を読む前にもう一回と思って。
伊坂小説の中でも屈指の読みやすさを誇るのがこれだと思うのだけれど、その理由が今回わかった気がする。
たぶん、この作品って、実写映画じゃなくて、連続ドラマかアニメにすればすごく良かったんじゃないかなあ。表題作に始まって、死神対老女でおわる、6編からなる連作短編集なのだけど、これ、作りがテレビドラマとかみたいだなーって…。
死神対老女なんて、「なんて素晴らしい最終回だったのかしら…!」って感じちゃったもんなー今回。
あと、「精度」という言葉のチョイスが素晴らしくて、恐れ入りました。
仕事をするときは必ず雨が降る。渋滞が嫌いで、ミュージックが好き。感情を持たず、淡々と「見届ける」だけの死神、っていう主人公の設定も大変にドラマ向きよな…。
続編も楽しみ。 -
主人公が死神の短編集。
従って現実感はないが、ミステリーとして読める。面白かった。
伊坂幸太郎、読んでみようかな?(「重力ピエロ」はkoboに落としたっけ?) -
死神の千葉さんが、「可」「見送り」を決めるために対象者に近づき人生に少し影響する話。短編だが、後で少しつながっている場面に気付き嬉しい。
千葉さんがミュージックが大好きで、淡々しと仕事をこなしながら時々音楽に影響されているのがおもしろい。
雨男の千葉さんですが、最後青空を見ることができたのは感動しました。 -
2016.7.24読了。
死神を創造したお話。短編集で繋がりがないのかと思わせておきながら、そこは伊坂さん。やっぱり最後は有りましたねって感じで嬉しくなり、またとても感動した。いつも思うけど、あっ!って自分で気付きたいから、これこらはもっと注意して読もう。
それぞれ最後がスーって終わっていく感じも心地良かったりした。 -
おもしろかった
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1つ1つが独立した出来事と見せかけて、最後に繋げてくるところが気持ちいい!!
死神がターゲットとする人間ドラマは濃ゆいのに、死神の淡々とした語り口なので、全体的にさっぱりしている印象。映像化したものも奇麗で好きだったけれど、こっちはこっちで好きかも。全ての話に明確な結末が書かれていないので、はっきりしないのが嫌な人は、もどかしい思いを抱えるかも。
特に『旅路を死神』のターゲットの背景は徐々に明かされていくので、目が離せなかった。『恋愛で死神』は、結末が救われず、悲しかった。 -
淡々と,しかし忠実に「仕事」をこなし,対象にとりたてて愛情を持つわけでなく,ちょうど科学者が自然現象をただ興味深く観察しているかのごとく,そのままの存在として捉えようとしている所が,とても心地よかった。またその中で,人間の強さや弱さ,哀しさ,滑稽さ,不可解さなどが浮き彫りになっていて,流れがよく一気に読み終えてしまった。人は必ず死ぬ,当たり前でわかりきってることだが,生と死は隣り合わせ。生き様は,死に様。忌むべきこととして無意識に避けてしまうが,だから精一杯生きてみようと,おおげさだが思いたい。
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72
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評判通り、面白かった。ところどころ繫がっているのがいい。細かい設定は気にせず、一気読みするのがいい小説