死神の精度

著者 : 伊坂幸太郎

• 文藝春秋 (2005年6月28日発売)

感想・レビュー・書評

[笹屋停さんの感想 · 2014年6月4日]

電車で読んでたら目的地に着いてもそのまま乗り過ごしそうになりました。久しぶりの感覚。短編集はすぐに読めちゃうのが逆に勿体無くて始めの方はゆっくり読み進めていたんですが、後半から特に私好みの展開の話が多くて一気読みしてしまいました。千葉さんはもちろんだけど、千葉さんの周りの人たちが面白すぎましたね…！森岡君が個人的に一番好きでした。皆それぞれ純粋だなぁ、と。

[青きうりさんの感想 · 2013年12月2日]

千葉さんの魅力は、短編でより輝く。



「死神の浮力」を読んでから、また千葉さんに会いたくなった。
そこで数年ぶりに再読。

はじめて読んだとき以上に良かった。長編もアリだけど短編の方がムダがなくてスピード感もあって、短い文章にそれ以上のものが凝縮されてるな、という印象。

人間に興味はなく“仕事”に余計な感情も挟まない千葉さん。担当する人間がいかに極悪人でも心優しい人間でも、ほとんど100％の確率で「可」を出す彼だが、それでも死ぬことになる人間と千葉さんの間には何か“絆のようなもの”（こんな大袈裟で俗っぽいものではないが...）が芽生えている気がする。
・・・こう言うと千葉さんには反論されそうだけど(笑)



「恋愛で死神」「死神対老女」がとりわけ秀逸。
前者は涙出そうになった。後者は、この作品自体の集大成といった感じ。非常に綺麗で美しいラストが胸を打つ。

[yhyby940さんの感想 · 2013年10月27日]

伊坂さんの本には、はずれがありませんね。最後には、なるほどなあと得心。面白かったです。

[天内有香さんの感想 · 2013年1月14日]

音楽が大好きな死神という設定が面白かった。

[ぽんさんの感想 · 2012年12月1日]

死神が人間の姿をして、生死の判決をするという短編だが、一つ一つの物語は、残酷さなど全くなく、 死神がターゲットとしている登場人物にとって、生きてきたことの意味を確認し、 静かに送り出しているような話が多い。人気作家の代表作なだけあって、オススメです。設定もユニークで面白いです。

[ルー子さんの感想 · 2012年11月1日]

〈内容〉ある時は恋愛小説風に、ある時はロード・ノベル風に…様々なスタイルで語られる、死神の見た6つの人間模様。

[happykyoさんの感想 · 2012年9月30日]

読んでみたかった伊坂幸太郎氏の作品。
人気度があり図書館で予約していたのか不明のまま手に取った一冊。
長編だと思ってたら短編集･･･。しかし、最後の「死神対老女」であ～繋がってると感心させられた。
そして、あれっTV映画かドラマで見たような？
主人公、千葉さんという名の死神が、感情に乏しいクールさが、最後では、ちょっと変わられていく姿が、人間味あり何とも可笑しかった。
何といっても 沢山の死を見送ってこられた老女だからこそ、最期が近い事も知っていても悔いなく精一杯生きることが大切と語れてるようでした。例のジャケットの持ち主が老女になったのね！

[shoko15さんの感想 · 2012年9月12日]

仕事にはそこそこ真面目で、音楽に一途な死神の千葉さんが、なんとなくかわいらしい。魅力的です。

[nonanano15さんの感想 · 2012年6月27日]

さっくり読めるけど、いい話だった～。
伊坂作品ってちょっとトリッキーっていうかスタイリッシュっていうか尖ってるっていうイメージがあったけど、これ読んで基本的に人間に対する視点がすごく優しいんだなあと思った。
死神だから出会う人たちが死んじゃう（ことが多い）のがせつないんだけど。
最後の美容師さんの話できれいにまとまってハッピーエンドでよかった。

[tokutokuさんの感想 · 2012年4月10日]

死神が死神らしく情に流されないのがいいね。
エッジの効いた文体が内容に合ってる。

最終章の「死神対老女」がすばらしい。

伊坂作品のこういうところは大好きです。

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。