その日のまえに

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著者 : 重松清
  • 文藝春秋 (2005年8月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163242101

その日のまえにの感想・レビュー・書評

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  • 大切な人との別れは突然にやって来る。
    愛する人が消え去るなんてこと、普段は考えもしないだろう。
    けれども、誰しもに訪れる死が唐突に突きつけられたとき、人はそこから逃げることはできない。
    各々の立ち合い方、向き合い方が繊細に描かれている。

    永遠の別れをしなければいけないのは、愛する家族や大切な友人といった他人だけだろうか。
    他ならぬ自分とも、別れを告げなければならない。
    余命を宣告され、死から目を背けることを許されなくなったその人が思うことは、余りにも心に突き刺さる。

    若いからといって自分の命がいつまでも元気で続くなんて思い違いをしてはいけない。
    大切な人たち、愛すべきこの世界に自分は何を与えていけるのかを、この命を遣っていったい何をすべきなのかを、今一度考えさせられる作品であった。

  • 重松作品は、大好き。
    またまた、号泣。
    大切な人を残して逝く・・・・せつないなぁ。
    なんて、せつないんだろう。
    一編、一編がせつなくて、涙が止まらなかった。
    今日の私より、明日はもっとやさしくなれる。

  • 感動した。やはり重松さんは最高だ。
    言葉の旋律が美しい。言葉にしたくてもうまく伝えられないこと、深層心理にあるもの、そんなものをいとも簡単に、しかも美しく言葉に載せてくれる。
    ノスタルジックな気分にたっぷり浸り、家族への愛情を傍らに抱きしめながら、読み続けることができた。涙が出ないわけがない。
    大切な人の死とそれを受け入れ再出発することの美しさを刹那に感じられる良書だった。

  • やはり、短編集かなと思いきや、どれもが繋がっているお話でした。なかでも やはり、母子家庭、母親の癌のお話「ヒア・カムズ・ザ・サン」では、親子の心情に触れ、思いあまり涙腺が緩みました。
     
    「その日のあとで」の看護師の言葉に「終末医療にかかわって、いつも思うんです。「その日」を見つめて最後の日々を過ごすひとは、じつは幸せなのかもしれない、って。自分の生きてきた意味や、死んでいく意味について、ちゃんと考えることができますよね。あとに残される人のほうも、そうじゃないですか?」の言葉に深く考えさせられた。
    自分の両親も、若くして突然の死に中々、立ち直れなかったから。

    そして、一日一日の時間の大切さをまた、感じさせられた。

  • 昨日までの暮らしは、明日からも続くはずだった、それを不意に断ち切る、愛するひとの死-生と死と、幸せの意味を見つめる最新連作短編集(文藝春秋刊)。最近ちょと意に染まない作品が多かったけれど、久しぶりの重松ワールド、堪能できます。男と女が出会い、夫婦になり、家族をつくって、それで幸せな一生なのか?消えゆく命の前で、妻を静かに見送る父と子 (;O;)ガンに侵され、余命を告げられ、死に直面した人々の悲しくも、確実にやってくるその日まで、そしてその日のあと...主人公を微妙にずらしながら、表題作『その日のまえに』へと繋がり、溶け込み、そしてひとつの大きな物語になっていきます。死に逝く本人、看取る者の気持ちの両方が痛烈に心の琴線に触れ、思わず自分と重ねてしまう、死を受け入れるという事は、その瞬間だけでなく、その前にも、その後にも永遠に繋がっているのだという、厳然たる事実を痛感させられます。いずれはやってくる大切な人の、そして自分自身の『その日のまえに』、どう生き、何をしなければいけないのか?生きている事の素晴らしさ、命あることの尊さ、何が大切なのかを改めて問い直す、強いメッセージを持った本です。

  • 誰もが持つ人間の迷い、葛藤など、心のひだを丁寧に描くので、主人公一人一人の気持ちに添いながら読んでいける。だから泣ける。自分のことのように泣けてしまう。重松さんは本当にやさしい方なのだなあと思う。

  • 苦手だった同級生。久しぶりに会った友人。母親。夫。妻。
    距離の遠い近いはあるけれど、どれも人の「死」を集めた短編集。

    いつかやってきて、誰もが迎える「その日」。
    来てほしくない、でも受け入れなければならない、大切な人の死。それが身近になった時、人はどんなことを思い、何を願うのか。

    個人的な事情もあり、悲しくて寂しくて感動した。何度も感情がシンクロして泣いた。
    ずっと避けたくて逃げたかった日。実際に迎えたら、想像しなかった感情がたくさん出てきた日。
    これからの人生で、いろんな人の死を感じることが増えるだろうけれど、その時その時で思うことが違うはず。
    繰り返して読みたい一冊だった。

  • 自分の生きてきた意味、死んでいく意味をちゃんと考えること

    何日、何年かけても答えは出ないかもしれないけれど

    それをちゃんと考えることが、答え

    という文章に共感

    校正的にも最初と最後がきちんとつながってる
    私的には好みの構成で
    深く感動した作品

  • 近く必ず訪れる死を覚悟し、「その日」が来るまで残された時間を待つなんて。
    妻の今後を子供たちに伝えるシーンがとてもリアルで、心が苦しくなった。
    あと、自分の死後に残るよういたずらをして夫に怒られる妻の姿が、なんだかいじらしくて胸がきゅっと痛んだ。
     
    この本の全てのストーリーが繋がっていることで、話を読む視点が私自身のみならず登場人物の視点も見られておもしろかった。

  • バスの中で泣きましたよ。
    この辺のテーマは重松さんの得意分野ですね。

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