- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163242101
作品紹介・あらすじ
昨日までの暮らしが、明日からも続くはずだった。それを不意に断ち切る、愛するひとの死-。生と死と、幸せの意味を見つめる最新連作短編集。
感想・レビュー・書評
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和美が亡くなる日を「その日」と呼ぶところが奥深いと思った。読む前はその日って何だろうと思ったけど「その日の前に」「その日」「その日あとで」に分かれている理由が呼んだら分かり、めっちゃ感動した。
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連作短編7篇。
「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」の3編は涙が止まらなかった。
「生きる意味や死ぬ意味というのは、わからなくても考えることが答え」という美代子の言葉には納得感があった。
自分や周りの人にとっての死がいつ訪れるのか分からないけど、だからこそ今の一瞬の輝きを大事にして毎日を生きたいと思える作品。 -
身近な人との永遠の別れ、そしてその後。自分がその立場になったときに、こんなふうにできるだろうかと考えてさせられました。
いろんな視点で描かれていてとてもよかった。
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大切な人との別れは突然にやって来る。
愛する人が消え去るなんてこと、普段は考えもしないだろう。
けれども、誰しもに訪れる死が唐突に突きつけられたとき、人はそこから逃げることはできない。
各々の立ち合い方、向き合い方が繊細に描かれている。
永遠の別れをしなければいけないのは、愛する家族や大切な友人といった他人だけだろうか。
他ならぬ自分とも、別れを告げなければならない。
余命を宣告され、死から目を背けることを許されなくなったその人が思うことは、余りにも心に突き刺さる。
若いからといって自分の命がいつまでも元気で続くなんて思い違いをしてはいけない。
大切な人たち、愛すべきこの世界に自分は何を与えていけるのかを、この命を遣っていったい何をすべきなのかを、今一度考えさせられる作品であった。 -
重松作品は、大好き。
またまた、号泣。
大切な人を残して逝く・・・・せつないなぁ。
なんて、せつないんだろう。
一編、一編がせつなくて、涙が止まらなかった。
今日の私より、明日はもっとやさしくなれる。-
ありがとうございます。
時々、号泣したくなるときありますよね。
泣いてすっきりしたらまた頑張れそうな気がします。
こちらこそよろしくお...ありがとうございます。
時々、号泣したくなるときありますよね。
泣いてすっきりしたらまた頑張れそうな気がします。
こちらこそよろしくお願いします^^
余談ですが・・・娘のニックネーム、まっき~なんですよ^^
2012/07/14
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わたしにも大切な家族にも、いつかその日がくる。その時その日とどう向き合えばいいのか、、、悲しくて辛くて考えたくないけど、自分と照らし合わせて読んだ。
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人として生きる意味について深く考えさせられました。
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感動した。やはり重松さんは最高だ。
言葉の旋律が美しい。言葉にしたくてもうまく伝えられないこと、深層心理にあるもの、そんなものをいとも簡単に、しかも美しく言葉に載せてくれる。
ノスタルジックな気分にたっぷり浸り、家族への愛情を傍らに抱きしめながら、読み続けることができた。涙が出ないわけがない。
大切な人の死とそれを受け入れ再出発することの美しさを刹那に感じられる良書だった。 -
やはり、短編集かなと思いきや、どれもが繋がっているお話でした。なかでも やはり、母子家庭、母親の癌のお話「ヒア・カムズ・ザ・サン」では、親子の心情に触れ、思いあまり涙腺が緩みました。
「その日のあとで」の看護師の言葉に「終末医療にかかわって、いつも思うんです。「その日」を見つめて最後の日々を過ごすひとは、じつは幸せなのかもしれない、って。自分の生きてきた意味や、死んでいく意味について、ちゃんと考えることができますよね。あとに残される人のほうも、そうじゃないですか?」の言葉に深く考えさせられた。
自分の両親も、若くして突然の死に中々、立ち直れなかったから。
そして、一日一日の時間の大切さをまた、感じさせられた。 -
昨日までの暮らしは、明日からも続くはずだった、それを不意に断ち切る、愛するひとの死-生と死と、幸せの意味を見つめる最新連作短編集(文藝春秋刊)。最近ちょと意に染まない作品が多かったけれど、久しぶりの重松ワールド、堪能できます。男と女が出会い、夫婦になり、家族をつくって、それで幸せな一生なのか?消えゆく命の前で、妻を静かに見送る父と子 (;O;)ガンに侵され、余命を告げられ、死に直面した人々の悲しくも、確実にやってくるその日まで、そしてその日のあと...主人公を微妙にずらしながら、表題作『その日のまえに』へと繋がり、溶け込み、そしてひとつの大きな物語になっていきます。死に逝く本人、看取る者の気持ちの両方が痛烈に心の琴線に触れ、思わず自分と重ねてしまう、死を受け入れるという事は、その瞬間だけでなく、その前にも、その後にも永遠に繋がっているのだという、厳然たる事実を痛感させられます。いずれはやってくる大切な人の、そして自分自身の『その日のまえに』、どう生き、何をしなければいけないのか?生きている事の素晴らしさ、命あることの尊さ、何が大切なのかを改めて問い直す、強いメッセージを持った本です。