- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163243108
作品紹介・あらすじ
マッチョだが気が弱い神島は、就職先の養護施設で「バケツ」というあだ名の少年と出会う。やや知的障害と盗癖があり、親兄弟にも見放された彼と同居を始めた神島は、生活費を稼ぐため、日焼けサロンや無認可保育園を立ち上げるが-。
感想・レビュー・書評
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2013.5.28 読了
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仕事に関してはごちゃごちゃした部分もあったけれど、本筋はなかなか力強い小説でした。思ったよりもだいぶ楽しめました。
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知的障害のある少年とのやりとりが、雑やけど面白く表現されていて、
話の展開もテンポよくて、
ドラマを見る感覚で、読んでいくと
いい感じ!
かなり悲劇的な苦労話に、なりそうなテーマも、主人公たちの、単純で、
ストレートな言動が、コミカルなものになってる。 -
親に捨てられ、知的障害を持ち、ブリキのバケツを鞄の代わりにして養護施設にやってきた少年(あだ名はバケツ)との交流を軸に人の輪が広がってくいいお話。養護施設、無認可保育園、老人介護、難しいテーマを優しい眼差しで書かれています。
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装丁買いした本。
涙しながら読了。
しばらくこれを超えるモノが出てこない。
珍しくことある事に、いろんな人に薦めるが、
みんな読んでくれてるのかなー?
ちなみに「泣けました」と報告してくれる人は
まだいない。 -
バケツと呼ばれる知的障害ギリギリの少年と、マッチョで気弱な青年の話。
とにかく優しい気持ちになれる話でした。
一人前になってほしいという気持ちと、もっと自分を頼ってほしいという気持ちの中で、それでもバケツの純粋さに救われる。
何だかほんわかでありながらシビアな一面も見せる、純粋に「読んでよかった」と思わせる作品でした。 -
脱糞から始まるこの小説、ラストがとても幸福感に満ちていて素敵だった。そしてバケツの成長に思わず涙しそうになった。
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マッチョなくせに気が弱い神島
知的障害者「バケツ」と出会う
優しさも
寂しさも
怒りも
辛さも
とってもストレートな思いを感じた -
養護施設の教員である神島は、ストレス性の下痢という病気を持ち「脱糞恐怖症」に悩まされている。
この小説は、「脱糞」のシーンという非常にセンセーショナルな書き出しからはじまる^_^;
「バケツ」という小説のタイトルは、知的障害のある少年のあだ名である。
施設に来たときに、カバン代わりにバケツに衣服をつめ、それだけを持ってやってきたからである。
この神島とバケツが出会い、やがて2人で暮らし、社会生活を営むことになる。
勿論、そんなに世の中は甘いものではなく、様々な試練やトラブルが起こるのだ。
「格差社会」と言われる現代の象徴というか、弱者が生きにくい世の中が描かれ、あたかもノンフィクションのようだ。
しかしバケツの天性の明るさには、何だか救われた気がする。
特に第三話においては、新聞配達という職業に責任感が芽生え、神島を頼らず自分で問題を解決するバケツの姿が描かれる。
思わずこのシーンには、泣けた・・。
思いがけず手に取った文庫ではあったが、かなり面白い小説だった。