北緯四十三度の神話

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163244907

作品紹介・あらすじ

雪深い町で育った桜庭菜穂子、和貴子姉妹。姉の菜穂子は地元の大学に進学し、そのまま大学の助手を、妹・和貴子は東京の大学を卒業後、故郷に戻り、ラジオ局でDJをしている。姉が中学時代に淡い想いを抱いていたクラスメート・樫村と和貴子が婚約したことを発端に二人の心の溝は広がっていったが-。雪国を舞台に姉妹の心の成長と和解を描いた感動の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 祖父母と暮らす、大学で助手を務める二十八歳の菜穂子とラジオDJをしている二十七歳の和貴子姉妹の、中学時代に菜穂子に淡い想いを寄せていた初恋の同級生と和貴子が秘密で恋仲になり婚約した事を発端にした表層には表れない溝。亡き婚約者から離れての和解が温かい。間に挟まれるラジオトークも全体にリズムを生んでいた。

  • 雪国で育った姉妹のそれぞれの人生。
    姉の菜穂子は地元の大学を卒業してそのまま大学の助手をし、
    妹の和貴子は東京の大学を卒業後、故郷でラジオ局のDJに。

    両親は姉妹が小学生の頃に交通事故で死亡し、
    以来祖父母のもとで育てられ、
    それなりにお互いに助け合っていたはずなのに、
    成長とともにいつのまにか、姉妹の気持ちに深い溝ができ・・・。

    坦々と過ぎる日常生活に
    菜穂子の回想も交えて、ストーリーはゆっくりと展開します。
    ラジオDJの和貴子の流す音楽もそれに加わり
    テレビドラマを見ているような感じでした。

    題名の「北緯四十三度・・・」
    北緯四十三度の町って、札幌の事だったのですね。
    これは一つ勉強になりました。

    ストーリー的には平たんすぎ、
    少し盛り上がりに欠けたのがちょっと残念な作品でした。

  • 2013/10/10
    移動中

  • ものすごく感動する、というのではないのだけど、なんだかが残って、しばらくするとまた読み返したくなる読後感。静かにポジティブな終わり方で良かった!

  • 悲しい設定なのに、最後は希望を持てる話。
    心のこと、言葉のこと
    人と人を繋げる。
    そんなことが伝わってくる。

  • たったひとつしか違わなくても姉は姉だからって菜穂子が頑張っていたのも、その所為で和貴子が菜穂子に距離を感じてしまったのも仕方ないことなんだろうな。

    初めての嫉妬や憎しみは近い人にしか向けられないから、姉を憎しみの練習台にしてたっていうのはわかる。
    兄弟姉妹のいる人なら、わかるんじゃないかな。

    所々に挿入される菜穂子の回想と和貴子のラジオが良かった。
    ラジオでかけられる曲聴いてみたい。

    「雪の夜話」の夏子と雪子ちゃんが出てきたのが嬉しい。

  • 中学生の頃に両親を亡くした中学生姉妹がおとなになって、同じ人を好きになったと思ったらその人まで死んでしまい、思い違いやすれ違いでどろどろになる、が、昔のように仲良くなるため修復を試みようとするお話。背景的に、冬〜春に読むべき本。タイトルの北緯43度は最期にやっとわかった。

  • うーん…。
    姉妹の空気感はよくでていた。

  • 初めて浅倉さんの作品を読みました。
    読み終えて「四日間の奇蹟」の作者だと知りました。

    読みやすく,さっぱりした感じがしました。
    でも内容はとても深いと思います。
    姉妹の物語です。

    何かの本にもありました。
    思い出っていうものは時が経てば経つほど,
    きれいなものになっていくものだと。
    特に遠くへ逝ってしまった人との思い出は,
    楽しかったことばかりが残っていく。

    妹がラジオのパーソナリティで毎回音楽を紹介していて,
    その曲を実際に聴きながら読みたいと思いました。

    あと,遺伝子の話も興味深かった。

  • 全編通して涙目で読んでしまった本。それぞれ一生懸命生きてて、いろんなことを感じて、考えて、前に進もうと頑張っている。
    人は皆同じ空のしたでつながっている。

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著者プロフィール

作家・翻訳家。東京大学文学部卒。レコード会社洋楽部ディレクター等を経て作家に。
著書に『四日間の奇蹟』、『君の名残を』(以上宝島社)、『黄蝶舞う』(PHP研究所)ほか、訳書に『安アパートのディスコクイーン─トレイシー・ソーン自伝』、『フェイス・イット─デボラ・ハリー自伝』(以上ele-king books)、マット・ヘイグ『ミッドナイト・ライブラリー』(ハーパーコリンズ・ジャパン)、テイラー・ジェンキンス・リード『デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃』(左右社)など多数。

「2022年 『ボクのクソリプ奮闘記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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