うらなり

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 110
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163249506

感想・レビュー・書評

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  • オマージュ作品。
    マドンナをめぐる戦いに敗れた
    一人の男の物語です。

    無鉄砲野郎はかの作品の主人公です。
    結構なことをやらかしたんですなぁ。
    でも、情に厚いやつではあったようで。
    (B級ヒーローだけどね)

    彼はどこか世渡りはへたくそな英語教師だったけど
    ある程度気にかけてくれる人はいました。
    けれども、彼にとっては愛する妻を
    失ったのは痛手だったようで…

    しかしながら、坊ちゃんよぉ、
    暴れ過ぎではないか、
    卵投擲(相当数)やらかしたのは
    すごいものね。

    終わりは切ないです、
    ただただ、切ないです。

  • 「坊っちゃん」で赤シャツの陰謀により延岡に飛ばされたうらなり君はその後どうなったのか?脇役目線で語られるもう一つの物語。

    漱石非公認!勝手にスピンオフ作品「うらなり」。面白いぞなもし。

  • 『坊っちゃん』で、マドンナへの思いを残しながら新任地へと赴いた「うらなり」。個性豊かな教師たちのなかで、比較的影の薄い登場人物であった彼の視点で語った『坊っちゃん』の後日談。

  • 視点を変えたんですね。

  • 坊ちゃん、愛すべきB型ヒーロー。

  • あの「坊ちゃん」のスピンオフって一体何だ…と思ったが、意外に面白かった。
    確かに、本編では赤シャツややまあらしが目立つが
    一番ごちゃごちゃ考えてそうなくせに表に出さず、
    つまりスピンオフ的にやりやすそうなのは「うらなり」な気がする。

  • 坊つちやんに出てくる「うらなり」(時期遅れで蔓にぶら下がった瓜の意味)から見たお話。松山で坊つちやん達と同じ学校で教師をやっていた頃から約30年の時を経て、銀座で、山嵐に再会する。そこから、過去に戻り、うらなりが松山にいた頃と、延岡に追いやられて以降の話が続く。坊つちやんを多少忘れていても読める。そして、読んだあとに坊つちやんを読みたくなった。
    うらなりの心境描写が面白い。うらなりから見た坊つちやん、赤シャツ、野太鼓の印象の描写、特に坊つちやんのうらなりへの親近感とのギャップが丁寧に描かれていて面白い。

  • うらなりくんの物語

  • うらなりの視点から語られる「坊っちゃん」のもうひとつのお話。 うらなりや山嵐、マドンナのその後の人生が淡々と、でも丹念に記され、平凡な人生の妙味を感じさせられる。 とにかく着想が素晴らしい。 本歌の雰囲気や構造を壊すことなく、著者ならではの諦観をにじませ、仕掛けを施す手腕はさすが! うまいです。 まるで漱石が書いたみたいな。 この作品自体が、正義の敗北の物語であり異邦人との遭遇物語という「坊っちゃん」を裏側から透かし読む、作品論にもなっている、という・・・。すげえ。 原作の奥深さも味わえる、古くて新しい小説でした。

  • 2007.9.17 了/
    もう一ひねりあってもいいかと思った.
    原作の部分以外はすべて平凡.

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著者プロフィール

小林信彦 昭和7(1932)年、東京生れ。早稲田大学文学部英文科卒業。翻訳雑誌編集長から作家になる。昭和48(1973)年、「日本の喜劇人」で芸術選奨新人賞受賞。平成18(2006)年、「うらなり」で第54回菊池寛賞受賞。

「2019年 『大統領の密使/大統領の晩餐』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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