ドラママチ

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163249704

感想・レビュー・書評

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  • 欲しいもの…子ども、周りの称賛、やる気、私の人生を変えるドラマチックな何か。
    でも現実に私の目の前にあるのは、単調な生活に、どうしようもない男、中途半端な仕事…。
    高円寺、荻窪、吉祥寺、東京・中央線沿線の「街」を舞台に、
    ほんの少しの変化を待ち望む女たちの姿を描いた、心揺さぶる八つの短篇

    ・コドモマチ
    ・ヤルキマチ
    ・ワタシマチ
    ・ツウカマチ
    ・ゴールマチ
    ・ドラママチ
    ・ワカレマチ
    ・ショウカマチ


    ○○マチ…漠然と未来を待っている女性の8編の短編集。
    傍から見ると平凡で幸せに暮らしているかのように見える人々。
    そんな人々もやはり色んな思いを抱えて生きている。
    どのお話も何だかどんよりしている。
    読み始めのコドモマチが強烈で、んーーー気持ち悪かった。
    その気持ちを引きずって読んだのがいけなかったのか…。
    女性ならではの閉塞感・焦燥感・虚無感…色濃く描かれている。
    女性目線だなぁ。
    何か新しい生活を求めながら、何か変化が起こる事をのぞみながらも、
    動く事が出来ず、変える事も出来ない。
    それもわかっているのが切ないね。
    女性のモヤモヤとした感情がヒシヒシと伝わってきました。
    どのお話もあまり共感は出来なかった。
    全てのお話が幸せなお話とは言えなかったので、
    やるせない気持ちになりました。

    中ではドラママチが印象に残りました。

  • いろいろなことを待っている30代の女性達の短編集。

    前半の4つは、少し痛々しい女性が主人公。
    終わりもすっきりしないままではあったけど、その余韻を楽しみました。

    後半4つは、ちょっとグッとくる話。
    表題作のドラママチが良かったです。
    軽度のアルツハイマーを患った義母との話ワカレマチ、離れて暮らす義母と会った帰りに読んだので、切なくなりました。

    どのストーリーも、男性陣が煮え切らない感じ。
    ハッキリしなさい!と喝を入れたくなりました。

    自分を振り返り、私は幸せなんだろうなと今しみじみしています。

  • 角田作品の変化の過渡期に描かれた一冊だなと、6年振りに再読して改めて感じた。
    実は、この本を購入して読んだときは、ちょっとピンとこなかったんだよね。登場人物らの中途半端さが印象に残らなくって。
    最近角田作品の再読にハマっているもので、今回読み返し、ツボに入りまくりだった。
    各短編に登場するのは、虚ろに日々を消化する、30代の女たち。自分の生き方に焦りを感じているのに、積極的に抜け出そうとしない。何かがずれたまま、まあいいかとやり過ごしながらも、その今を変えてくれる「何か」を待っている。
    ある時期、よく角田さんが描いていた「ちゃんとできない」登場人物達の感情描写を、懐かしいなと思った。そこにまた、中央線沿線の光景がよく似合う。そして、各話に登場する、古めかしくて重々しい雰囲気の喫茶店。この「喫茶店」が、ストーリーの鍵としてうまく絡めてある。
    中央線沿いの、荻窪や高円寺や中野、阿佐ヶ谷が大好きだ。そして、それらの地に必ずある、昭和な喫茶店もまた大好きだ。そんな大好きな場所を舞台に描かれる物語は決して美しくなく、むしろ濁った思いが渦巻いているのに、それもひっくるめて、惹かれている。角田さんが作り出す、作品世界に。
    また5年後位に再読したら、自分は何を感じるだろうか。

  • コドモマチ、ヤルキマチ、ワタシマチ、ツウカマチ、ゴールマチ、ドラママチ、ワカレマチ、ショウカマチ

    女はいつでも「待って」いる。

    中央線を舞台にした30代の女たちの短編集。
    うん、みんな何かを待ってるんだよね

  • 人間が誰でも持っている他人には知られたくない一面が描かれているので居心地の悪さを感じたのかもしれません。人によって感じ方が分かれる作品なのではないかな、と思います。

  • 荻窪、西荻、吉祥寺の喫茶店やレストランが色々出てきて、一度行ってみたくなった。小説を読んでいて、短編のドラマを見ている感覚になる。作者と世代が近いせいだろうか?出てくる女性がみんな自意識過剰で負けず嫌いで、早稲田の女性が書きそうな小説だなぁと笑ってしまった。

  • 途中で疲れてやめました。
    また機会があれば読みます。

  • 所々共感できた。
    みんな何かを誰かを待っている。

  • 色んなタイプのお話の短編集。30代のやり場のないというか、消化がなかなかできない感情を思い出した。時間が経って思うけど、自分の考え方を変えて、何かしら一歩踏み出したら、動き出したような気がする。変わる勇気とその場から踏み出す勇気があれば、結構無敵だと思うな、30代って。

  • 女の怨念? 執念?
    重い気分で読み始めた
    そうでもない でも ハッピーエンドでもない
    ありそうでなさそうでありそうな
    女性心理かなぁ
    意外と 引き込まれて読み終えました。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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