わらの人 (Sports Graphic Number PLUS(スポーツ・グラフィック ナンバープラス))

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 144
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163254807

感想・レビュー・書評

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  • 悩みがあったり会社や組織の体制に不服があった人が通りすがりに立ち寄った理容店。そこは話好きの女性店主が一人でやっている店で、まずはマッサージを受けて髪型を聞かれているうちに眠ってしまい、気がつくと突拍子もない髪型に。しかし、その髪型に隠れた人間性を見いだし、その後の生き方がいい方向に変わってしまう。やや強引な感じの女性店主だが、みんな幸せになっていくのだから良しとしよう。イメチェンが功を奏した。短編6編、それぞれおもしろかった。

  • 初めて入った理容店でバツイチで気さくな女性理容師さんにマッサージされている間にうとうとしてしまい、眼が覚めると思いがけない髪形や眉に。
    見た目の変化による自分の気持ちや、相手の反応の変化により大きく境遇も変わって行く人たちのお話し6編。

  • 最後まで「わらの人」というタイトルの意味がわからなかったが、それぞれさくさく読めて楽しめた。
    「花の巻」は心温まる話だったし、「犬の巻」は痛快だった。
    この方の作品を3つ続けて読んだので、また気が弱い人達の話か?と思ったが、それだけじゃなかったし。

    作者について何も知らないが、リストラ経験があるのかな…。

  • 偶然にも理髪店話二連発で読んでしまいました。こちらは理髪店の女主人のマッサージがとてもうまく、寝てしまった間にとんでもない髪型にされ、今までの自分が変わっていく、という話です。髪型ひとつで性格がかわるかな〜?と思っている人!意外とありですよ。

  • 読後、タイトルに今一歩惹かれませんでしたが、それなりに楽しめました。

  • 6つの短編作品。
    ふっと入った理容店で気持ちよさにうとうとして目を覚ましたら、びっくりなヘアスタイルになっている!
    え!から始まるそれまでとちょっと変わった毎日。

    それぞれ楽しく読めました。

    1話目の気弱な女性が見かけから変わっていくお話は痛快。
    退職したおじいちゃんが坊主頭になって作務衣を着るようになってからのお話は、ほのぼのであったかいお話。
    どれも短編なのでサクッと読めます。

  • 屈託を抱える人びと
    たまたまよったバツイチ女性がやってる理髪店でカットしたことがきっかけでか
    自ら切り開いて人生変えちゃう短編集
    自分を変えるのは自分!
    どうするかのとっかかり、出会いを生かすのも自分次第♪だなぁとo(^▽^)o

  • とある女性が主人の理髪店を利用した主人公達。椅子が起こされた瞬間、思いもしない自分の姿に驚くが、そこから始まる変化。そして、自分を取り戻し、自分らしく生き始めていく話が6話。

    タイトルの意味がいまだに分からない。

    1.眉の巻
    2.黒の巻
    3.花の巻
    4.道の巻
    5.犬の巻
    6.守の巻

  • 髪形を変える些細なことで自信が出て人生が変わる。どの話しも楽しめた。女理容師の能力はなんなんだ。
    2014.11.14

  • 女主人経営の理容店で、人生変わるかも と、言う変わった内容で、おもしろそうで、つい手に取ってしまった本である。

    連作の短編集で、著者は、『ALWAYS 三丁目の夕日』の山本甲士さんで、あるのに気が付いたのは、読み終わった後にほんのりとした本で、あったからかもしれない。

    6編からなり、
    『眉の巻』は、内向的な総務課の事務員が、初めて入った理容店で、夢うつつの間に、眉の形を変えられてから、人柄が、代わって、積極的になって勤務している学校法人の不正を指摘していく様が、書かれている。

    『黒の巻』は、記憶喪失になった男が、理容店に入り、髪型を変えられてしまうのだが、記憶喪失になった理由は、正当なことを言ったためのリストラであったことが、思い出されて、其の気の弱いサラリーマンから、強気のお兄さんとへ変貌していく様が、書かれている。 

    『花の巻』は、小学生高学年から見た、おじいちゃんの話である。
    孫娘から見ると、おばあちゃんと正反対で、仕事一途だったのか、趣味も何もないおじいちゃんが、理容店で、髪を坊主のように切られたので、誕生日に作務衣をプレゼントしてから、外出も増え、町内会への参加も多くなり、町を花ので、飾る話で、ある。

    『道の巻』は、就職探し、色々面接を受けている女性が、人生の裏側と言うか、不正ぎりぎりの商売の会社ばかりで、気分転換に入った理容店で、髪を金髪にされてしまう。
    そして、薄利多売のじぶんの父親のうどん屋を継ぎたくなると言う話である。

    『犬の巻』は、開発会社が、登山研修と言う名目で、社長の息子と、グループを一緒にする生真面目な社員が、理容店で、カメの甲羅模様の坊主にされてしまうのだが、登山は散々な目に遭い、無事に下山するが、社長に、出来の悪い息子を次期社長にするのか!と、言える男になっている。

    『守の巻』は、泥棒に入られた女性が、防犯のための道具を購入しても不安で、自分の外観を変えるために、理容店に入って、うたたねの間に男みたいに短い髪形にされてしまう。
    護身術も習い、暴行している男を退治して、就職も変わり、生き生きと生活する様が、書かれている。

    私は、『花の巻』が、好きである。
    ユウガオは、本当に、暗くなる時に、花を咲かせる。
    お爺さんも、年齢も遅くなったけど、仕事一途の企業戦士の鎧を脱ぎ、第2の生活の花を咲かせているような感じで、良い話だと思った。

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