モノレールねこ

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著者 : 加納朋子
  • 文藝春秋 (2006年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163255101

モノレールねこの感想・レビュー・書評

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  • 短編集。
    どの話にも「死」が関係してるのに重くない。

    ずいぶん前に薦めてもらったのにずっと読んでなかった
    からもっと早く読めばよかったと後悔してる。



    バルタンかっこよかったなぁ

  • 表題作ほか7作品が収録されている短編集です。表紙がとても可愛かったので読むことにしました。


    モノレールねこ
    我が家でも猫を飼っています。このお話とは正反対で、人間の一存で家族になりました。それに、エサはあげてますが、健康を考えてるし、よく暴れるしで、痩せ型です(苦笑)。さて、我が家の猫は置いておいて、感想を。この本の出だしとしては、とても読みやすいお話でした。後半、少しショッキングなシーンがあるにも関わらず、ラストの仕掛けのおかげで爽やかな後味になってます。

    パズルの中の犬
    私もパズル大好きです。この話の主人公のように2000ピースに嵌った時もありました。でも、組み立てにも飾るにも場所を取られるので、そこがちょっとね(苦笑)。この夫婦の家は広いみたいなので、とても羨ましいです。さて、本の感想(笑)。だんだんこれ以降のお話から不思議だったり、ちょっと気味が悪い印象が強くなっていきます。でも、なんでか後味は変わらず爽やかです。それに、ほんのり心が温まります。このお話では主人公とその母親の口論のシーン(というか、一方的に母親が怒る)がありますが、それは長い年月を経て、やっとお互いの心の壁が解消されていく様子が描かれていました。女性が書く女性というのは少し陰湿な面もありますが、同性である私としては、かえってこれでスッキリするのかな~とも感じて、共感できました。男性の作家さんも同じような場面は書けるでしょうけど、やっぱりシーンの雰囲気が女性らしくて、私は好きですね、こういうシーンは。

    マイ・フーリッシュ・アンクル
    最初にタイトルを読んだ時「アンクル」って何だっけ?と思いました(笑)。英語はあまり得意じゃないですが、カタカナになると余計わかんないですね。このお話は、実にフィクションらしい展開です。こんなの有り得ないでしょっていう感じです。でも、その中にフーリッシュな叔父さんがいて、主人公を心底心配している…ますますフィクションっぽいですが、この叔父さんが妙に未練たらしくて人間らしいんですよ。30にもなってこの「らしさ」はすごいなと逆に感心してしまうほどです。このお話が一番ほのぼのしてて好きです。

    シンデレラのお城
    このお話って「世にも奇妙な物語」に出ててもおかしくないと思います。ホラーってほどではないですが、やっぱりちょっと不気味…。でも、描写の感じが丁寧だったりアッサリしていたりで、読みやすいし、少し心が温まる印象もあります。この作家さんだからできる絶妙な雰囲気のバランスなんじゃないかと思います。あ~、でもやっぱりラストの終り方は、その先を想像すると怖いんですよね(苦笑)。

    セイムタイム・ネクストイヤー
    「同じ時間の来年に」という意味でしょうか。間違ってたらすみません(汗)。このお話も「世にも~」に出てきそうなお話です。後半に種明かしされるシーンは、ああやっぱり…と思っていると、さらなる種が!ちょっとびっくりしました。それで、このラスト後の展開を想像してしまいました。今度は旦那さんが来るんじゃ…?と。そして、このホテルがそんな客ばっかりだったら、ちょっと気味が悪いな~とも思いました(苦笑)。

    ちょうちょう
    このお話はわりとベタな展開じゃないかと思います。他の作品が個性的だから、印象も薄いです。でも、このお話がクッションになって、また雰囲気がちょっと和らぎます。主人公の失恋とかピンチとか、無茶苦茶ベタすぎ(笑)。漫画だってもう見なくなったタイプじゃないかと。主人公とランちゃんのその後が気になりますねぇ。

    ポトスの樹
    この主人公、唯一口が悪いです(笑)。女性作家が書いてるとは思えないくらい悪い。父親と主人公の関係の悪さも凄いです。でも、ちゃんとハッピーに収めるあたりがこの本の作者らしい感じがしました。やっぱり孫ができると、こんなに人間関係が丸く収まるものなんでしょうかねぇ。それにしても、主人公の奥さんは人間が出来てる良い人だ、と随所で感心してしまいました。

    バルタン最期の日
    各作品には中表紙があって、イラストがあるんですが、これのイラストが一番可愛くて好きです。主人公がザリガニなので、視点が客観的で面白いです。「最期」は、ザリガニらしくなくて、そこがまた面白いです。ザリガニもその家族もかなりお人好しなんじゃないかと思いました。残された家族のその後がハッピーになっていくといいなぁと思いました。


    この作家さんの柔らかくて優しい描写が良いなぁと思いました。どこがっていう訳じゃないんですが、雰囲気が良いんです。読んでいて、すごく居心地が良かったです。なんだか春や夏に吹くそよ風を感じました。

  • 短編集とは知らずに読んだけど、結構面白かったかな。たまに現実味のないのもあったけど、どれも人間の心の闇とかトラウマみたいなものにどう向き合っていくかが描かれていた。

  • 加納さんの女の子ミステリー(私が命名)これは短編集。
    好きで、すっかり読んでるかな。
    ミステリーテイストなのに胸キュン。

  • 「バルタン最期の日」のバルタンの勇姿に感涙。

  • 久々に再読した加納朋子の短編集。
    表題作はインパクトあって覚えてたけど、他は完璧忘れてたのでかなり楽しめた。ちょっと切ないのもあるけど、概ね救いがある話なので後味は悪くない。

  • どのお話も素敵でしたが、その中でも「ポトスの樹」と「マイ・フーリッシュ・アンクル」が気に入りました。どちらも、だらしない大人だけれど、芯が通っていてかっこよかった。それにしても…ザリガニで泣くとは思いませんでした(笑)バルタン良かった!明日からまた頑張ろう!って気持ちになれる1冊でした。

  • 短編集でした。

    モノレールねこ…でぶねこを介して、隣の小学校のタカキとやりとりするも、モノレールねこが車に轢かれて遊ぶことが叶わず。就職した先で再会

    パズルの中の犬…夫の帰りを待つあいだの暇つぶしに、三百円の真っ白のパズルを買った。そのパズルがなんだかおかしい…。
    待つことが嫌いな私。その背景には、小さい頃母親がパチンコに行ってる間寂しく待っている記憶があった。母は自分を責め、私は母を責めた。母の苦労を知った。パズルの犬は、戌の日にちなんだもの。

    マイ・フーリッシュ・アンクル…私を置いて、海外旅行に行った家族が全員死んだ。残されたのは、お父さんの年の離れた弟である叔父。叔父は三十代になっても職に就いてないニート。それでも可愛い姪っ子のために、母の代わりとなり頑張った。兄貴みたいに俺は強くない。と言って。
    十年後、私は結婚した。
    たった一人の家族として、叔父は「いってらっしゃい」と。

    シンデレラのお城…居酒屋で知り合ったミノさん。私はミノさんが好きだった。そんな思いを伝えれるほどの度胸はなかった。
    結婚の話をタラタラする流れで、偽装結婚をした。
    ミノさんには、婚約者がいた。でも、ずいぶん前に亡くなっていた。
    ミノさんにはその婚約者が見えた。
    だからミノさんは結婚する気はないが、周りが身を固めろとうるさいから、偽造結婚をした。
    小さい頃、私は貴樹くんと遊びたくて、熱がある貴樹くんを連れ出して、雨の中遊んだ。その後、貴樹くんは死んだ。
    ミノさんの婚約者は、子供を生んだ。貴樹とつけた。
    その後、ミノさんは事故で死んでしまった。
    五人で暮らしていた家に、私は一人ぼっちになった。
    義母さんと暮らすことで、ミノさんのように、ひとりぼっちにはならない選択をした。

    セイムタイム・ネクストイヤー…娘を亡くした私。自殺を図ろうとしたホテルで、娘の後ろ姿を見た。このホテルは幽霊に出会えるホテル。年に一度だけ。
    でもそれは、幻想だった。
    自殺を図ろうとした私を、ホテルマンが阻止したのだ。
    娘に似た後ろ姿は、保育園から帰ってきた従業員の子供。しかも男の子。時が経つにつれ、男の子らしくなり、声変わりが始まって会話をすることができなくなった。
    私は気づいていた。年に一度、亡くなった成長する娘に会えるはずがないことは。
    余命半年を告げられ、来年の予約はしないと言ったが、ホテルマンは待っていると言った。

    ちょうちょう…ラーメン屋さんのおはなし。出店当初はクチコミミーハーで繁盛するが、そのあとは急降下。タベログにあることないこと書かれ、自分で判断しない人たちがほとんどの世の中、口コミが全て。それでも常連やリピーターで徐々に景気を回復。
    従業員のランは、店長である俺に言った「開店祝いにもらった花も枯れないうちに逃げ出すようなやつは止めもしない」と。
    一ヶ月たっても一鉢だけは一向に枯れない。
    「バレちゃいましたか。造花です。永遠に枯れませんよ」

    ポトスの樹…クソ親父の話。
    小さい頃からロクでもなかった。
    俺の貯金していたお金をタバコに使ったり、釣りに行った先で溺れそうになってる俺を助けるどころか、自力で這い上がった俺に「竿はどうした」の一言。
    結婚するにあったって、元彼女は「お父さんにやっと会えるのね」と意気揚々。
    俺のオヤジのクソさを知らないからだ。
    ついに孫が生まれて、両家でショッピングへ行った。
    そこで妻子に逃げられた男が暴れていた。
    標的にされた俺の子。
    その時、子供のために死ぬなんてバカバカしいと言っていたクソオヤジが、俺の子供を守った。
    オヤジがいうには「孫はいんだよ」だそうだ。
    その一件から、クソオヤジは有名になり、カメラの仕事がちょこちょこ入った。
    孫にいろいろ買ってあげたいそうだ。

    バルタン最後の日…ザリガニの話。
    いじめを受けてそうな息子。でも何も言わない。夫も話を聞いてくれない。どうしようか。
    そんな時、息子がザリガニをとってきた。
    そのザリガニが脱皮をした。
    それを見て私は決意した。
    私も脱皮しよう!
    テレビでやっていた「笑うことが大事」に則って、私はダジャレを言いまくった。
    それに答えるように、夫も「ディズニーランドに行こう」と提案。
    そんな旅行中、泥棒が侵入。
    俺はザリガニ。泥棒なんて追い払えないが、ここで過ごした日々は宝物だ。
    帰ってきて何もなくなってたんじゃあ、家族が報われない。
    ハサミで追い払ったが、水のある水槽までは戻れそうもない。
    でも俺は本望さ。

  • 表紙のネコさんに惹かれて借りた一冊。
    8編の短編集でどのお話にも死が関わってきますが、重くなくとても読みやすかった。
    「セイムタイム・ネクストイヤー」
    「バルタン最期の日」
    この2作品が好き。どちらも涙があふれました。
    重たくはないけれど、感情移入でき話に入り込みやすかった。悲しい話もあるけど読了後はどのお話も心がほっこりしました^^

  • ありそうでなさそうな設定を作り出すのがうまく、物語の中へすぐにひきこまれてしまう。バルタンの話が好き。

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