- Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163257204
感想・レビュー・書評
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これは夏の本だ。
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失顔症の青年の夏休みの冒険は
井之頭公園から神田川をたどって海へ向かう。
最初は一人だったところから
ウナさんとカネコさんがいて増えたり減ったりしながら
途中は総勢16人。
顔を認識しない青年は、
声、温度、体温、いろんなもので人を認識する。
それは顔をみるよりも
もっとその人をよくわかっているのかもしれない。
素敵な夏休みだ、
最後がまだ繋がっていくような終わり方なのもよかった。
自転車の後ろに乗るとこはとても新鮮だった
足つぼマッサージで寝ちゃうところがめっちゃ可愛いと思った。
東京の地理に明るいともっと楽しめるかな。 -
爽やかで、スローテンポで、夏休み。他人の顔を識別できない主人公の視点で語られるせいか、少し変わった雰囲気。良作だと思います。
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2014年8月16日
Artwork & Artwork Direction/太公良
Art Direction & Design/佐藤有(D-knots) -
井の頭公園に湧く水をたどりながら、僕たちは海まで歩く―
それは、永遠の夏休みのはじまりだった。
ひととひととがつながりあうミラクル。
おだやかな熱に包まれる再生の物語。
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H24.9.22 読了
文体に慣れるまでは大変だったけど、慣れてからはリズムにのって読むことができた。
のんびりした気分になれて、社長と子供たちのやりとりではクスっときたり、生き抜きに丁度良いお話だなと思いました。
でも、最後のあの後が気になる…
読み終わった後に地図を見て、初めて神田川や隅田川の大きさを知り、隅田川の大きさに驚きました。
ひとつ勉強。 -
古川日出男といえばなんだか猛々しいイメージだったが、これはいい。主人公の語り口が誠実で優しい。
文章の長さに対してちょっと登場人物過多な気もしなくもないが、たくさんの人を巻き添えて楽しみが広がっていくようなところもこの小説の良さのひとつであって。
タイトル通り、夏休みのワクワク感に満たされる小説。 -
10代から20代前半の人が、学校や職場以外での出会いや出来事を描いてる作品がすき。私もこの小説にあこがれて、友達と散歩にでたが、特にコレといった出会いや出来事もなく、20キロ時点で足つって泣く泣く電車で帰ってきました。私も主人公と一緒に歩きたかった。
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神田川の源流から歩いて海を目指すって話。道中、出会いあり、別れあり、異文化交流あり、決闘ありと、物語的には王道の冒険小説な感じ。
他人の顔を識別できないっていう特異体質をもつ主人公の一人称ですすんでいくので、文体がすごく変わっていて、細かい情景よりも、色とか形とか匂いとかが大切にされててて、映像がまったく浮かんでこないのがすごく不思議。
あと、おかしな登場人物とただただ歩き続けるって話なのに、ロードムービー的なコアな自分語りが出てこないもの新鮮。主人公なんて誰と歩いているかよりも何人で歩いてるかの方を気にしてたりするし。
ぼやっとしてふわっとして時にとうとつだけど、読み終わった後は、いいなあ、ただ歩きたいなあって気になる。そんなキュートな冒険物語。 -
井の頭公園から海まで歩く。大人の夏休みの冒険。
顔の区別がつかないけど魂が見える青年「僕」、社会人二年目の青年「ウナ」、自殺未遂を繰り返していた女の子「カネコ」の三人が中心になって物語りが進む。
スタートする時の彼らは心に深い何かを持っていたが、この冒険や冒険を通じた出会いが彼らを変えていった。
ゆっくり過ぎる時間がとても心地好い。
こんな夏休みが欲しい。