私の男

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163264301

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読んだ桜庭一樹の本はこれでした。
    私の男って、お父さんだとは全然予想もつかず。

    しかし、引き込まれて、ぐんぐんと自分もどろどろした感じを味わったことを覚えています。
    ここから、桜庭一樹よみまくり時期に突入しました笑
    桜庭さんのひらがなの形容詞が好きです^^

  • 完全に二人で一人なんだなぁ。
    寄り添っているうちにだんだん根っこも枝も絡み合っていって、この枝がどちらの一部なのかはもうわからなくなってしまった連理の木のように、淳悟と花の間には境目というものはないのだきっと。

    それがいいとか悪いとか、そうゆう理性では太刀打ちすることができない、人間というより植物や動物の生き様を見ているようだった。

    人間界の「常識」なんて、ここには書かれていないでしょう?
    人間の二人にはとても生き辛い世界だけれど。

  • この作家さんの文章って上手いかなぁ。
    作中の北海道の景色や状況描写のディテールもリアルじゃないし、イメージとして伝える力が弱い気がします。直木賞作品は以前にも「容疑者Xの献身」でがっかりしたことがあるけど、この作品もイマイチ。
    主人公と主人公の父である二人、どちらにも共感できないし、魅力的にも感じなかったな。
    中盤以降、主人公の女性の高校時代・中学時代・小学校時代が一人称で語られるんだけど、全部成長して社会人OL風にしか聞こえない。
    そのへんもディティールの弱さなのかな・・・・

  • これは、すごい。
    こんなに夢中になった物語は
    何年ぶりだろう。

    某彼におすすめされた桜庭さん、
    どれから読もうかと思ってとりあえず直木賞受賞作のこれを。

    第1章、テンポが良くてあっさりと引き込まれた、素晴らしかった!

    桜庭さんの文章はそれほど特徴
    あるわけでもないのに、ふとした表現や言い回しがすごく印象的で上手い。
    「わたしのわたしそのものである部分」っていいな。

    一見恋愛小説なのに実はミステリー
    要素が強くて、読み進めていくとちょっとずつ色んな謎が解けていきます。
    時間を遡っていく構成も、ばらばらなようで全体が上手く一つにまとまっていてすごく面白かった、緻密すぎる!

    美朗さんの章は少し長かったなぁ。第三者の客観的な視点が必要なのは分かるけど…。
    まあただ単に美朗さんがあんまり好きじゃないんです←

    淳悟は何かもう…、
    結局最後まで淳悟という人が
    よく掴めなかった、なぜこんなにも闇が深いのか。
    淳悟の過去の話をもう少し知りたかったな。

    花ちゃんは、私と似ている。
    囚われている。
    美朗さんでは淳悟を越えられない
    あ、だからこそ結婚したのか…笑


    一瞬だけど二人が幸せそうな
    4章が特に好きです。
    大塩さんとのシーンは凄かった…
    人と獣の境目、大地と海の境目、
    善と悪の境目。流氷が印象的。

    終わり方もとても好き。
    最後の一行が良い、ずっとその気持ちのままでいてほしかった。

    淳悟と花。
    怖くもあるけど少しだけ
    羨ましくも思う。
    唯一であり、父娘であり、共犯者
    これ以上強い繋がりなんて
    ないだろうから。

    「身内しか愛せない人間は、結局、自分しか愛せないのと同じだ。」って台詞が妙に心に残りました。

    さて、もう一度読み直します←

  • 直木賞受賞作。

    家族の絆とは何か、
    家族の愛とは何か、
    考えさせられた。

    幼い頃に両親を相次いで亡くした《腐野淳悟》、家族の血を養女の《花》に求める…

    「血の人形…」

    って言われた花が切ない。
    淳悟の必死さが痛々しい。

  • 読んでいて気持ちが悪くなる本は初めてでした。誰の気持ちも理解することができたかった。ゆがんだ家庭で育つと本当の家族愛に気づかないものなのかもしれない。でも本人たちは幸せそうだった。。そこにもいらいらしてしまった。自分の子供はこんな風にさせてはいけないと思った。

  • 失速がなくて最後まで面白かった

  • なんとも言えず、エロティックで切なく、血の色のように濃い作品。

    桜庭さん独特の人間のドロドロした感情や閉塞感が表現されています。

    重い話なのですが、桜庭ワールドを堪能できて、満足です。


    「おかあさん」と泣く叔父(本当は・・・)の姿が印象に残りました。

  • 父と娘、男と女。冷たい海と雨の匂い。時間とともに腐っていくけれど、腐れば腐るほど美しくなる。退廃的な愛。

  • 時間軸を逆行していくので、最後(最初)はすうっと読み終えることができる。もし、章ごとに構成の逆(時間軸のとおり)に読めば、読み終えた後に大きな錘が心に残ってしまうのだろう。読み応えはあり、心地悪し。

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著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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